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『死ぬまでに行きたい!世界の絶景』誕生秘話
—– 詩歩さんは学生時代、もともと環境問題関連の活動に取り組んでいたそうですね。

—– そんな学生時代最後の卒業旅行で、生死にかかわる大事故に遭ったと聞いています。

卒業旅行でオーストラリアに行き、キャンピングカーに乗ったところ、車が真っ二つに割れるほどの大事故に巻き込まれて。この時、生まれて初めてドクターヘリで搬送される経験をしました。
—– まるで『コード・ブルー -ドクターヘリ緊急救命-』の世界ですね……。

私、耳の形が片方だけ変なんです。それは事故で、耳に大きな傷を負ったからです。
—– 事故の経験は、それまでの詩歩さんの人生観をどう変えたのでしょう?

「傷の箇所がちょっとずれていたら、死んでいたかもしれないね」と現地の医師には言われて。だから、間一髪で助かったのは本当ですし、生きていてよかったとも思います。
でも事故で自分の人生観がどう変わったかは、私自身にはよくわからないです(笑)。事故に遭う前の自分と、あとの自分は特に変わっていないような気もしますし……。
—– 『死ぬまでに行きたい!世界の絶景』はもともと、オーストラリアから帰国後、就職した企業の研修で作成したfacebookページだそうですね。

ちょうど今年(2019年)でfacebookページを立ち上げてから、7年になります。「絶景プロデューサー」の肩書きで仕事をしている人物は、私以外にいません。だからこそ「私にしか発信できないメッセージを、発信したい」と思い続けています。
—– 絶景コンテンツを手掛ける上で、もっとも気を付けていることはなんですか?

「みた人がいいねを押すか」も大事なんですけど、それ以上に「もう1人の自分がいいねを押すか」が大事だと思ってます。
—– もう一人の自分?

自分とは別に、第三者的な視点を持つ「もう一人の自分」がいて。その「もう一人の自分」が納得したコンテンツ以外は、絶対に掲載しないです。
—– 「実際に撮影してみたけど、やっぱり微妙だ」となったら、世に写真を出さないこともありますか?

「絶対に撮れる」と確信した上で現地に足に運ぶようにしているので、実際はほとんど写真を没にすることはないですけどね。それでもたまに没にすることはあります。たとえば富士山を撮りに行ったのに、写真に雲がかかっていたらやっぱり台無しじゃないですか。
—– たしかに。

とはいえ、こればっかりは予想できないです。どんなに空が晴れてても、雲は出るときには出るものですから(笑)。
だからこそ、取捨選択はきっちりとやりますよ。
「あんまり納得いかないけど、まあいっか!いいねも集まるだろうし」という軽い気持ちで、コンテンツを投稿したことはありません。
—– そのこだわりこそが、詩歩さんのコンテンツが愛され続けてきた秘訣なのかもしれないですね。
交際前・友達の男女におすすめのデートスポット
1.新島(東京都・伊豆諸島)
—– さっそく国内の絶景デートスポットについていろいろ教えてください!交際前・友達の男女が、気軽に出かけることができる、おすすめの国内絶景スポットはありますか?

東京近郊で、伊豆諸島の1つ「新島」がおすすめですね。白砂と青い海がとても綺麗ですし(とインタビュアーに写真を見せる)
—– ここ、本当に東京都なんですか?(笑)

島って非日常感が出ますよね。
まるで沖縄みたいな白砂ですけど、沖縄に行くよりサクッと行って帰ることができるのでイチ押しです。調布飛行場から飛行機でたった30分、港区の芝客船ターミナルからの船だと3時間。交際前の男女が、サクッとデートに行くなら距離的にちょうどいいですよ。
あとまわりが全部海なので、魚料理がめちゃくちゃおいしいです!魚介類が好きな方なら民宿の予約を取って、泊りがけで行くのも良いかもしれません。夕ご飯に魚料理がいっぱいでてきますよ。
新島の絶景スポット(1) モヤイ像
—– 新島の中で、見ておくべきスポットや体験しておくべきことはありますか?

新島の有名なスポットといえば、モヤイ像ですね。(とインタビュアーにモヤイ像の写真を見せる)
—– ますます、東京の島だとは信じられなくなってきました(笑)

新島は「抗火石」という珍しい石がとれることで有名で。モヤイもそうですし、ほかにも石を使ったモニュメントが島にはあります。
あ、そうだ。渋谷駅にモヤイ像があるじゃないですか。
—– 渋谷駅の西口のモヤイ像ですね。待ち合わせスポットとしてよく使われます。

あのモヤイ像って、もともとは新島のモヤイ像なんですよ。

画像引用元:PAKUTASO
—– そうなんですか!

新島から渋谷に寄贈されたモヤイが西口に設置され、いまに至るんです。渋谷駅をふだんよく使う方にとっては、新島は非日常感がありつつも、街の名物のルーツを感じることができて楽しいかもしれないですね。
新島の絶景スポット(2) 湯の浜露天温泉
—– ほかにも新島で見るべきスポットがあれば教えてください。

露天風呂も最高ですよ。新島は空も綺麗なので、満天の星空の下でリラックスした時間が過ごせます。
「湯の浜露天温泉」は港から10分くらいの場所にあるのですが、24時間無料なので好きな時間に入れます。古代ギリシャ風のデザインも魅力で、ゆったり楽しめると思います!
2.あしかがフラワーパーク(栃木県)
—– 友達以上恋人未満の男女が、初めて泊りがけで旅行をする際におすすめの日本国内の絶景スポットを教えてください
ゴールデンウィークからゴールデンウィーク明けごろが見ごろなのが、栃木県の「あしかがフラワーパーク」の藤の花ですね。畳50畳分の藤の花がしだれていて、お花の下を歩くことができるんです(とインタビュアーに写真を見せる)
—— 絵画の風景みたいですね。
CMやポスターの撮影スポットとしてもよく使われているスポットです。もしかしたら読者の方のなかにも「テレビで見たことある!」という人もいるかもしれないですね。
開園時間が「昼の部」と「夜の部」で分かれているんですけど、昼の部であれば東京から日帰りで行くこともできます。
—— 夜の部はライトアップが映えそうですね。
めちゃめちゃ綺麗ですよ。イルミネーションが好きな方にもおすすめのスポットです。
絶景プロデューサーが語る絶景デートの基本「何もしない贅沢がある非日常空間を楽しもう」
—– 詩歩さんが考える「カップルにおすすめの絶景デートスポット」の条件を教えてほしいです。

特にないです(笑)。デートスポットって、究極的には「楽しかったらどこでもいい」ものですから。
でも、あえて言うなら「何もしない贅沢を楽しめる場所」に行くのがおすすめですね。
—– 何もしない贅沢というと、具体的にどういうことでしょう?

たとえば「街」って一人でも楽しめる場所ですよね。買い物をしたり、イベントに行ったり。
一方で「島」のような絶景スポットって、一人で行くにはちょっと心細かったりもすると思うんです。せっかく非日常空間に行っても、感想をわかちあえる相手がいなかったら純粋にさびしいじゃないですか。
だからこそ、絶景は「隣に誰かがいてこそ楽しめる」要素があると思います。
—– 絶景を見ながら、単におしゃべりをするだけでも普段の何倍も楽しいかもしれないですね。

私自身も絶景スポットは複数人で行くことが多いですね。理由は「さびしいから」だけじゃなくて、私が運転免許を持っていないからというのもありますが。
交通機関が発達している近場のスポットであれば、一人でふらっといくことも多いですけどね。
初心者にはおすすめできない絶景デートとは?「ハードすぎるスポットには要注意!」
—– 初心者にはデートスポットとしておすすめできない絶景って、どんな場所でしょうか。

絶景って、朝イチに起きないと見れない景色がけっこう多いんです。たとえば雲海(うんかい)を見ようと思ったら、朝5時には起きないと間に合わないんです。しかも、朝5時に起きても見れるとは限らないんです(笑)
雲海を見るために待機しても、けっきょく見れずに終わる……っていうパターンは珍しくないです。
—– おお……、ハードですね……。

絶景を見に行ったのに見れなかったら、文句を言いはじめる人の方が多いものだと思うんですよ。せっかくのデートなのに喧嘩になっちゃうかもしれないので、注意が必要です。
—– 絶景は天候に左右されやすいので、デートをするならスポット選びが本当にカギですね。

「見れない確率が高いもの」は、よくよく下調べをした方がいいですよ。雲海もそうですし、夕日だって曇っていたら満足には見れないです。
とはいえ絶景って、そもそも思い通りには中々見れなかったりするものでもあります。
私の場合、雲海を見に行くなら予備日を含めて絶対に2日は確保します。さらに雲海が見れなかった場合に何をするかも、事前に検討しておきますし、天気予報もめちゃめちゃチェックします。2日間予定を組んだうえで「最初は初日に行こうとしてたけど、やっぱり2日目にしよう」なんていうこともザラです。良い意味でスケジュールに縛られすぎず、柔軟に行動できるようにしてますね。
—– さすが……!

だからこそ絶景デートをするなら、許容範囲が広い男性と行くのが良いと思います。「待つだけ待って、けっきょく絶景が見れなかった」としても、その過程自体を楽しめる男の人が理想的です。雲海を見れなかったとしても、見れなかった経験そのものを楽しめたらいいですね。
逆に「何が何でも見ないと満足できない」という男性だと喧嘩になりやすいです。元も子もないことになっちゃうかもしれないですね。
雨でも楽しめる!雨デートにおすすめな絶景
雨の日でも楽しめる絶景(1) 雲海
—– せっかく絶景デートの予定を組んでも、雨だと台無しになっちゃいますよね。「雨でも楽しめる絶景」があれば、教えてほしいです。

それこそ、雲海がおすすめですよ。
雨上がりって、綺麗な雲海が出やすいんです。私は雨が降ったら「やった!あしたは雲海を見に行こう」と頭の中でポジティブ変換してます(笑)。
このように雨と絶景って、実はけっこう相性が良いです。
雨の日でも楽しめる絶景(2) イルミネーション
—– 知らなかったです……!雨が降ると、みんな絶景を見に行くのはあきらめているのかと思ってました。

もう少し身近な絶景だと、イルミネーションがおすすめですね。雨の日にイルミネーションを見に行くのは、本当に良くて。
まず、人が減るので快適にイルミネーションが見れる。
そして足元が濡れるので、イルミネーションの光が反射するんですよ。
—– !!!

濡れた地面がキラキラと光るのは、すっごく綺麗です。写真好きで、イルミネーションを撮る人はあえて雨の日ばかり狙ったりもしますよ。
—– 雨の日のイルミネーション、いますぐにでも行きたくなりました……!

もちろん、雨の日にイルミネーション行くのはあくまでガチの写真好きの話ですよ。雨の日に出かけると風邪をひくかもしれないですし、カメラも濡れると壊れやすいので注意してくださいね。
外国人彼氏・夫に日本の良さを伝えたい!「和」の魅力がたっぷり詰まった絶景デートスポット
外国人彼氏・夫に見せたい絶景(1) 蔦沼(青森県)
—– 国際恋愛をする女性も増えてます。「外国人彼氏・夫に日本の良さを伝えたい」という場合に、おすすめの日本ならではのスポットがあれば教えてください。

日本の魅力は、やはり「四季」です。シーズンで考えると、春なら桜。その次は紅葉が良いですね。珍しい紅葉で、おすすめなのが青森県にある蔦沼です。(とインタビュアーに写真を見せる)
—– まるで抽象画みたいですね。

写真の上半分に写っているのが紅葉で、紅葉が沼に反転して写っているんですよ。撮影したのは早朝で、カメラを構えている私の背景からだんだんと朝日が上がってきています。
朝焼けに染まった個所の紅葉は湖面で真っ赤になり、影の箇所は暗く染まってます。蔦沼くらい、紅葉と湖面が真っ赤に染まる場所ってなかなかないんですよ。ましてや海外だと、こういう景色はまず見れないと思います。
それでいてシャッターチャンスは朝日が昇る一瞬しかないので、みんな薄暗い時間から三脚を持ち出して場所取りをしてます。
—– 朝5時に家を出て、蔦沼に行かないと間に合わないですね。

朝5時じゃ、もう間に合わないですよ(笑)。朝4時に出ましょう!
—– (笑)

ただし背が高いなら、列の後ろの方から湖面を眺めるのもありです。外国人彼氏ならきっと背が高いと思うので、朝5時でも良いかもしれないですね。
場所取りをしている人も、写真を撮り終わったらみんな帰っていきます。空いた時間にマイペースに楽しむのもありですよ。
もし蔦沼に行く場合、注意点はシーズンです。青森なので、ちょっと紅葉の時期が早いんです。
私の場合は10月下旬に蔦沼で撮影をしたんですけど、その年の「青森の紅葉の見ごろ」をしっかり調べたうえで足を運ぶとよいと思います。
—– 紅葉って、すごく日本的な美しい風景だなってあらためて思いました。

私もそう思います。紅葉は秋にしか見れないですし、シーズンは長くても2週間。さらに晴れた日じゃないと、真っ赤な色の美しさを十分に味わえなかったりもします。
「2週間のうちの晴れた日にしか味わえない、一瞬の美しさ」だと思うと、紅葉はすごく刹那的な存在ですよね。
絶景プロデューサー詩歩が考える「日本の良さ」
—– 詩歩さんは絶景プロデューサーとして、多くの国を訪れていると思います。現地の方と話すとき、詩歩さんは日本をどんな国だと説明していますか?

あまり日本について、現地の人から聞かれることはないです。むしろ私から「日本って知ってる?」と聞くことの方が多いかもしれないですね。
日本に住んでると、日本ってすごい国なんじゃないかと思いがちです。GDP3位だし、先進国だし。でも実際に海外に行ってみると、案外みんな日本に興味ないんですよ。「日本には、サクラという綺麗な花があってね」と言っても、海外の人は桜のこと自体を知らなかったり。東京タワーも、多くの外国人は知らないですね。
食文化も同様です。日本に住んでると、ラーメンってワールドワイドな食べ物だと思うじゃないですか。外国の人は、ラーメンとフォーの区別がついてなかったりしますよ。
だからこそ私から日本の話をして、いろいろ教えてあげてます(笑)。日本は一回好きになると、リピーターになる外国人が多い印象がありますね。
—– 詩歩さんから見た、海外にはない日本の魅力ってなんですか?

小さい国なのに、回れるスポットが充実しているところですね。こんなに小さい国の中に海と山の両方があり、自然が美しく、絶景がこんなにたくさん見られるなんて世界の中でも珍しいと思います。
—– ありがとうございました!後編では、婚前旅行やハネムーンにおすすめの海外のスポットについていろいろ教えてください!
はい。環境問題×ビジネスをテーマとした、ビジネスコンテストの運営をしていました。