ヘナ白髪染めとは?
まずはヘナ白髪染めの基本からおさえていきましょう。ヘナ白髪染めとはそもそもどのような白髪染めなのでしょうか。また一般的に売られている白髪染めとはどのような点で異なるのでしょうか。
植物成分色素で染まる
「ヘナ」は乾燥した地域で育つ植物で、インドや北アフリカといった地域で栽培されています。インドではヘナを医療的に使用しており、薬草としても知られている植物です。ヘナの使用方法としてはハーブ以外にも染料として使用されることが多く、現代では白髪染めにも使用されています。この他にはペルシャ絨毯の染料として使用されたり、古くはかのクレオパトラがマニキュア代わりに爪に塗っていたりなど、伝統的に愛され続けています。
ヘナによって髪が染まる理由は、ヘナに含まれる植物成分色素「ローソン」にあります。ローソンは赤色の酵素色素を持っており、たんぱく質と反応させると明るめのオレンジ色へと色が変わります。髪の場合、キューティクルの間からこの植物成分色素が入り込み、髪の毛を構成するケラチンと呼ばれるたんぱく質に反応して、髪が染まることになります。
ヘナ100%とヘナを配合したものと2種類ある
ヘナを用いて染めると、ローソンの働きによって明るめのオレンジ色に近い色へと染まりますが、実際に髪の毛を染めるために使用する際にはこの色以外の自然な色合いにしたいという希望も多いものです。したがってヘナが100%の白髪染めも当然ありますが、色を落ち着かせるために他の成分と配合して使用することが多いです。一般的にはインディゴなどを配合するか、その他のハーブを配合して使用することが多く、落ち着いたブラウンに染めることが可能となります。
ヘナ100%だと色が明るすぎるため、他のハーブを配合するのが一般的ですが、中には化学成分と配合している白髪染めもあるため、髪や地肌の傷みが気になる場合はこちらを使用するべきではありません。化学成分とヘナが配合されているのか、それとも天然のハーブとヘナが配合されているのかに着目して白髪染めを選ぶと良いかもしれません。
白髪だけ染まる
ヘナの特徴は、白髪だけが染まるという点にあります。普通のヘアカラー製品の場合、髪全体をブリーチした上で全てを染めるため、頭髪全体の色合いが指定した1色に統一されることになります。これに対してヘナを用いた際には、白髪でない部分はそのままの色が保持され、白髪部分だけが染められることになります。染め上がりは、これまで白髪だった部分だけが染められるためメッシュ状になってしまうこともありますので、ヘナを用いた染料の色選びは慎重に行うと良いでしょう。
ヘナを白髪染めに使うメリット
白髪染めにヘアカラーを使うのではなくヘナの染料を使用することには多くのメリットがあります。それでは具体的にどのようなメリットがあるのかについて見ていきましょう。
髪や地肌への負担が少ない
ヘナは一般的なヘアカラーとは違い、化学成分ではなく植物成分を使用しているため、髪や地肌へかかる負担が少なく済みます。染めた後にどうしても気になるのが髪の傷みや頭皮のかゆみなどですが、ヘナは天然由来の成分だからこそ、そういったことが起こりにくいです。そのため、髪や地肌の健康を気にしている人や、もともとお肌が弱くてかぶれやすいといった人にも重宝されています。髪の専門家である美容師さんの中にもヘナを愛用している人は多いです。
トリートメント効果がある
ヘナにはもともと髪にハリやコシを与えるというトリートメント効果が期待でき、染めた後にも艶やかな美しい髪を保てるというメリットがあります。化学成分が使用されているヘアカラーの場合は、髪を染めた後にトリートメントをしっかり行わないと、髪がキシキシとなったりパサついたりしてしまうものですが、ヘナ白髪染めではそういった心配もほとんどありません。
髪質が良くなる
ヘナを使用して白髪染めを行っていると、髪質が良くなる効果が期待できます。コシのない髪にヘナを使うとボリュームアップにつながり、クセ毛や太い髪はまとまりやすく髪質が変化します。あらゆる髪質に対して順応しているのもヘナの特徴です。
リラックス効果がある
ヘアカラーは化学成分を用いているため、染料の臭いが強いものが多いです。これに対してヘナ白髪染めではそういった化学的で不快ではなく良い香りがするため、臭いのストレスを感じずに済みます。
環境にやさしい
天然成分であるヘナは、そのまま水で流して排水しても環境への負荷がかかりせん。天然成分は体にも負担をかけない上、地球環境にも負担をかけにくいというメリットがあります。
ヘナを白髪染めに使うデメリット
ここまでヘナの良いところばかりを挙げてきましたが、デメリットもありますので、しっかりとそちらのことも覚えておく必要があります。それではヘナにはどのようなデメリットがあるのかについて見ていきましょう。
髪を染めるのに時間がかかる
化学成分を使用しているヘアカラーは短時間で染めることができるというメリットがありますが、これに対してヘナは染めるために時間がかかるというデメリットがあります。ただし、染めている時間は著しく長くなるというわけではなく、数分伸びる程度です。ヘナのデメリットを回避するためにも、時間に余裕がある時に使用して白髪染めをしてみると良いかもしれません。
天然染料なので色が選べない
化学染料は染める色が自由自在で、希望の色通りに染めることができますが、ヘナ白髪染めの場合は天然成分のみを配合しているケースが多いため、染める色が限定されてしまうというデメリットがあります。好みの色のヘナ白髪染めを探すのに労力を割いてしまう可能性があるわけです。しかし、一度自分の好みのものが見つかればメリットも多いのでこちらのデメリットも解消されます。
特有の葉っぱの香りがある
ヘナの葉っぱは天然の香りですので、それほど嫌な香りというわけではありませんが、人によってはヘナ特有の香りに少し抵抗感じを持つ可能性もあります。人工香料は使用されていないため、良い香りというわけではありませんので注意してください。
事前のパッチテストが必要
ヘナは天然由来成分でお肌にも優しいため、基本的にお肌に影響は出ないことが多いですが、人によってはアレルギー症状なども出る可能性があるため、使用する前にはパッチテストを行う必要があります。安全性は非常に高いものの、万が一のことも考えておく必要があるというわけです。
ヘナの選び方
次に、ヘナの白髪染めを選ぶ際に注意しておきたいことについて見ていきます。どのような点に注意して、ヘナ白髪染めを選んでいけば良いのでしょうか。
信頼できるメーカーの製品を
このような例は非常に稀ですが、ヘナ白髪染めに化学染料が配合されている製品もあります。また、ヘナ白髪染めはヘナの葉を用いるものですが、メーカーによっては茎などの粉末が配合されている事態も起きています。信頼できるメーカーかどうかは、購入前に調べておくと良いでしょう。
パッケージの成分表示を確認する
染料のパッケージに表示されている成分については、しっかりと確認しておきましょう。化学成分が配合されているケースもありますし、またアレルギーなどの関係で使用すべきでないといったケースもありますので注意して選んでみてください。
「天然100%」ベストは純粋「ヘナ100%」
天然100%という表記のものも決して質が悪いわけではありませんが、できればペナ100%のものが望ましいです。質が若干落ちる可能性があると覚えておくと良いかもしれません。
色味を選びたいときはヘナ+天然色素を
染め上がりの色味を選びたい場合には、ヘナと天然色素のみでできている白髪染めを選ぶと良いでしょう。化学染料が配合されているものを使用するとヘナ本来のメリットが失われてしまいますし、また髪やお肌への負担もかかってしまい、ヘナを選ぶ理由がなくなってしまいます。インディゴなどの天然色素が配合されている白髪染めを選んでみてください。
ヘナ配合品は化学物質が入っていないものを
ヘナが配合されている染料は、化学物質が入っていないものを選んでみると良いでしょう。化学物質とヘナという組み合わせを選ぶと、ヘナが本来持っているメリットも薄くなってしまいます。
ヘナの形状・粉の色もチェック
パッケージの中身を確認できるのであれば、使用されているヘナの粉に着目してみると良いでしょう。粉末が粗かったり形状がいびつだったりした場合にはそれを避け、色合いが鮮やかなものを選んでみてください。
おすすめのヘナ100%品3選
最後にヘナ100%の品を3品ご紹介していきます。品質とお値段ともに良いものを集めてみましたので、初めてヘナ白髪染めを使用するひとはチェックしてみると良いでしょう。
Naiad(ナイアード) お徳用 ヘナ100%
こちらはお徳用商品で、内容量は100gが4つ分となっています。原産国のインドはヘナの原産地としても有名で品質も良く、また無農薬で栽培されていることもポイントです。お肌への負担を最小限にするように考慮されているヘナ白髪染めです。
ヘナ物語 ナチュラルヘナ 最高品質Aランク100%
こちらのヘナ白髪染めは、原料となるヘナはインドで栽培されたものを使用し、パッケージングなどの製造国が日本となっている高品質の白髪染めです。ランクの高いヘナの葉が使用されており、品質管理も信用できる日本での製造という点が魅力です。
マックヘナ お徳用 ナチュラルオレンジ (ヘナ100%)
こちらも品質の高いインド産のヘナが使用されているヘナ白髪染めとなります。内容量も400gと多く、一度購入すれば長く持たせられるのも魅力の1つです。品質と価格のバランスが良いですので、初めての人には良いかもしれません。
まとめ
ヘナの白髪染めは通常のヘアカラーのような化学染料が使用されていない物が多く、髪と地肌に優しいという点が大きなメリットです。染めるのに若干時間がかかる可能性があるという点などがデメリットとして挙げられますが、それにも増してメリットが大きいので、特にお肌が弱いという人は使用してみると良いかもしれません。髪と地肌のことを考えて、体に優しいヘナ白髪染めをぜひ試してみてください。