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「英語ができない」とはそもそもどういうこと?英語ができない理由
「自分は英語ができない」とひと口に言っても、「英語の試験では高得点が取れるけれど、リスニングはまったくできない。」「相手の言っていることはなんとなく分かるけれど、なんと答えていいかわからない。」など、人によってその言葉がどんな状態を意味するかはかなり違います。
そこでこの記事では、「英語ができない」とは下記のような状態を指すと定義します。その状態がひとつ以上当てはまるなら、あなたの英語力には改善の余地があります。
英単語・英文法がまったく覚えられない |
英語の聞き取りがまったくできない |
ネイティブを目の当たりにすると英語のフレーズが出てこない |
あまりにも過度にボディランゲージに頼ってしまう |
英語ができない理由1:英単語・英文法がまったく覚えられない
ほとんどの日本人は、中学高校で最低6年間は英語学習を積み重ねています。そのため、日本人は基本的な文法とボキャブラリー(単語力)については、比較的基礎が身についている人が多いといえます。つまり、日本人はたとえ英語を話せないとしても、ペーパーテストならまあまあの結果を残せる人が多いのです。
にもかかわらずあなたがペーパーテストも苦手なのだとしたら、義務教育レベルの英語力が足りない可能性が高いです。英単語を覚えることに苦痛を感じた経験があったり、英文法のルールがまったく頭に入ってこなかったという方は、中学英語の復習からやり直すのがもっとも効果的。学校の授業がつまらなくて英語が嫌いになってしまったという方も、アプリやオンライン英会話など最新のツールを使えば抵抗なく英語が頭に入ってくる可能性があります。
それでもどうしても英語に取り組む気になれないというかたは、この際単語力や文法知識はいっさい気にせず、後述するようにとにかく英語を話してみる(アウトプットから始める)という方法を試してみては。
英語ができない理由2:英語の聞き取りがまったくできない
英単語や文法はそこそこ頭に入っているし、英語の文章を読むことには抵抗がない。それなのに、「リスニング」や「スピーキング」に対する苦手意識が先に立ってなかなかアウトプットに結びつかない、というのが日本人の特徴です。
残念ながら、どんなに正確に英文を読めたとしても、「リスニング」と「スピーキング」ができなければ実践の場ではあなたの英語力は役に立ちません。特に「リスニング力」を高めるのは、英語を話すためには必須の条件。相手の言っていることを聞き取れなければ、会話にならないのは当然だからです。「自分は英語が話せない」と感じている方は、リスニング力に課題を抱えている可能性があります。
英語ができない理由3:ネイティブを目の当たりにすると英語のフレーズが出てこない
「私は英語ができない」という人の中には、ネイティブを目の当たりにすると頭が真っ白になってしまうというケースも多いことでしょう。この場合、「ネイティブの言っていることが分からないから混乱してしまう」ケースと、「言っていることは何となく分かるけれど、何と返せばいいのか分からない」ケースがあります。
前者の場合はリスニング力に、後者の場合は語彙力とスピーキング力に問題があります。自分がどちらのケースに当てはまるのかが分かれば対策も立てられますが、どちらもまずは「相手の言っていることが分かる」という自信を育てるための学習を行うことが大切です。
英語ができない理由4:あまりにも過度にボディランゲージに頼ってしまう
「英語はできないけど、海外旅行ではいつもなんとかなってるから大丈夫!」というタイプの人も、少なからず存在します。確かに短期の観光旅行程度であれば、ボディランゲージで何とかなってしまうのも事実。近年はグローバルSIMを気軽に利用できるようになり、日本のスマホをそのまま海外で利用できるため、「困ったらアプリやGoogle翻訳に頼ればいいか!」という気持ちも理解できます。
もちろん無理に海外の人とコミュニケーションをとる必要はありませんが、日本以外の多くの国では、母国語+英語を話せる人が数多くいます。英語力を磨いて自分の言葉でコミュニケーションをすることができるようになれば、日本人以外のコミュニティに入って文化背景をより深く知ることもできるのに、その機会をみすみす逃してしまうのはもったいない!英語を学ぶ必要性を感じつつもついついスマホやボディランゲージに頼りすぎていると感じていたら、今がチャンス。一歩踏み出して「自分の言葉で話してみる」ために、英語を学び直すことをおすすめします。
「英語ができる人」「英語ができない人」の違いとは?
そもそも、「英語ができる人」と「英語ができない人」の線引きは、どこでできるのでしょうか?
「英語ができる」とは | 「英語で自分の考えや思いを適切に伝えられる」こと |
「英語ができない」とは | 英語で自分の考えや思いを英語にまとめられない |
「英語ができる」とは「英語で自分の考えや思いを適切に伝えられる」こと
「英語ができる」とは、単に「書いてある英文の意味が分かる」とか「英語の音声を聞き取ることができる」とか「英語の試験で高得点を取れる」ということではありません。
「英語ができる」とは、相手の言っていることや書かれている内容は当然理解できたうえで、自分の考えや思いを適切に伝えられる能力を持っていることと言えます。「英語がわかる」レベルに留まっていては、決して「英語ができる」レベルにはならないのです。
考えや思いが伝わるなら最初はブロークンな英語でも構わない
とはいえ、「英語が分かる」段階から「英語ができる」段階に至るまでにはそれなりの時間がかかるもの。それでもそのもどかしい時期に諦めるか上を目指すかで、後々差がついてきます。上を目指そうと決めたなら、最初はブロークン・イングリッシュでも構いません。今は必要なステージと割り切って、「思いを伝えよう」と必死に英語をつなぎ合わせることで、ひと皮もふた皮もむけていくのです。
英語ができない人は、自分の考えや思いを英語にまとめられない
「英語ができない」と感じている人は、結局のところ「英語で自分の考えをまとめられない」と感じているのではないでしょうか。日本人の多くが「英語ができない」と感じていたり、そのように他から見なされているということは、個人的な努力や能力が足りていないというよりも他の背景や理由も無視できないはず。以下、そのあたりを探っていきましょう。
「日本人は英語ができない」と言われる理由。日本の英語教育は遅れている?
もう何十年も前から「日本人は英語ができない」と言われ続けており、私たち日本人自身もそう思い込んでしまっているのでは?果たしてその理由はどこにあるのでしょう。
英語の義務教育カリキュラムの未熟さ
まず大きな理由に、日本の義務教育における英語のカリキュラムの未熟さが挙げられます。
実は、アジア諸国の中でも日本の英語教育は大きく後れを取っています。
韓国では1997年、中国では2001年に小学校での英語教育を必修としたのに対し、日本が小学校に英語学習を導入したのは2011年。韓国が小学校で英語を必修化してから20年が過ぎた現在でも、日本の小学校の英語はいまだに教科ではなく、韓国並みの授業数が導入されるのはようやく2020年からとなっています。
指導に関するカリキュラムもいまだに試行錯誤が繰り返されており、義務教育だけで本当に英語が身につくようになるまでにはまだまだ時間がかかりそうです。
教師が英語を話せない
小学校での英語必修化に伴い明らかになっているのは、教える立場にある教師が英語を話せないという事実。
文部科学省では平成27年に「英語教員の英語力・指導力教科のための調査研究事業」に対する5億円以上の予算を確保し、小・中・高校を通じて日本の英語教育改革にあたる教員の資質を高めるとしています。まず教師の英語力を高めるために国をあげて取り組む必要があるという、なんとも気の長い現実が日本の現状です。
「アウトプット」に主眼が置かれていない授業
何年も学校で英語を勉強してきたはずなのに英語が話せないのは、学校での授業が「アウトプット」に主眼を置いていないためでもあります。授業で教科書の音読、和訳、英訳、語順入れ替えなどに取り組んだ人は多いと思いますが、果たしてそのように取り組んだ英文を実際に外国人との会話で使ったことのある人はどの程度いるでしょうか。
私の手元に、現役中学生が使う英語の参考書があります。
例文として、
“A big birthday party is held for Kim every year.”
→「大きな誕生パーティが毎年キムのために開かれます。」
というものがありますが、たぶんネイティブでしたらそのような回りくどい言い方はしません。
”We have a big birthday party for Kim every year.”
→「毎年、キムのために大きなバースデーパーティを開いてるよ。」
というでしょう。
日本ではこの例のように、実際の会話の場面を想定した表現ではなく「文法を理解するための表現」「文法のための文法学習」が学校教育の場で行われています。
たくさんの単語を知っていて、文法的な間違いを少なく回答できる人が高得点を取れて「英語ができる」と見なされる。日本人のアウトプット力不足は、偏った学習方法の弊害と言えます。
学習時間が足りない
英語講師の間ではよく知られていることですが、日本人が英語を聞き取れるようになるまでには、最低1,000時間は英語の音声に触れる必要があると言われています。その上で英語を話せるようになるには、さらに1,000時間以上の時間をかける必要があるとも言われています。
日本人は、中学高校の6年間の授業でこの約1,000時間の英語学習をこなしているはず。しかし、実際の授業では前述のとおり読み・書きが中心になっているため、英語の音声に触れる時間は6年間の授業中に100~200時間あるかないかではないでしょうか。日本人の「リスニング」「スピーキング」力が低いのは、圧倒的に音声を介した学習時間が足りていないためなのです。
日本語と英語の言語としての違いの大きさ
日本語と英語は、言語の構造が非常に離れているといわれています。日本語と英語の違いについて、まとめてみました。
主語がなくても伝わる
「昨日、海に行ってきたの!」「そうなの?楽しかった?」
こんな風に、主語が無くても伝わるのが日本語の特徴です。
それだけでなく、「海に行ってきたの、昨日。」や「海に昨日、行ってきたの。」などのように、ある程度語順を入れ替えても意味が伝わるのも日本語の特徴。
文法構造がまったく違う
一方、英語で ”Went to the beach.”と言ったら、すかさず「誰が⁇」と、主語が無いことを指摘されるでしょう。
また、” to the beach went” や “beach went to”のように語順を入れ替えてしまったら、文章としてまったく意味をなさなくなってしまいます。
このように、英語と日本語では文法構造がまったく違うため、お互いの言語を学ぶハードルは高くなります。
言語体系が違う
日本語は言語系統的は日本語族に属し、世界的に見ても孤立した言語です。朝鮮語とは類似点が多いと言われるものの、単語などは大きく異なっている。世界で日本語を話すのはほぼ日本人のみという、特殊な言語なのです。
一方英語はインド・ヨーロッパ語族に属し、系統が似ている言語が世界中に多くあります。そのため英語が話されている国はオーストラリア、南アフリカ、シンガポール、フィリピンなど約80か国におよび、言語体系が似ているフランス人やドイツ人からすると英語は学びやすい言語。英語を話す人たちにとって言語体系の異なる日本語が非常に学びにくいように、日本人にとってそもそも英語は学びにくい言語なのです。
日本人でも英語が話せる人は多い
英語を身に付けるにはハンデの多い日本人ですが、ハンデを克服して英語を身に付け世界で活躍している人はたくさんいます。
錦織圭
「この土地でプレイするのは好きだよ。試合前は不安もあったけれど、よく戦えていると思う。次の対戦相手も強いけれど、集中して臨みたい。」
中学生でアメリカのプロテニス養成学校に入学した錦織圭。テニスが上手くなりたいという目的を達成するために、ひたすらネイティブのコーチやチームメイトと会話をする中で英語力が磨かれていったよい例でしょう。
村上春樹
「僕は兄弟がいないので、ひとりで過ごすことが多かった。猫と、本と、音楽が僕の友達。特に音楽は、書くという孤独な作業をいつも助けてくれる。」
もともとは英語がとても苦手だったという村上春樹。しかし、「原書で本を読みたい」という熱意が勝って洋書を少しずつ読み進むうちに、いつしか膨大な洋書の読書量となったそう。英語のままでシーンをイメージすることができるようになった結果、スピーキング力が高まったという例といえます。
本田圭佑
「今の現状に満足はしていない。チームとしてゴールは決めたけれど、ミスもあった。次の試合に向けて、気持ちを切り替えなければ。」
ロシアやイタリアなど、英語圏以外のチーム所属歴が多かった本田圭佑。ロシア語やイタリア語はできないけれど、英語でならどの国の人とでもコミュニケーションができると気づいたそう。ネイティブと触れる機会が少なくても、努力次第で英語は話せるようになるという例を示してくれています。
【社会人も英語力は重要】日本企業も英語公用語化に積極的
加速するグローバル化の中で、日本企業も社内での使用言語を英語にするという「英語公用語化」に積極的です。
楽天
日本企業の中でも、先陣を切って社内での英語公用語化に取り組んだのが楽天。2010年の年頭スピーチで三木谷会長兼社長が社内英語公用語化を宣言してから丸8年が過ぎた現在、楽天の取り組みは成功例として世界中から注目を集めています。
英語公用語化に取り組み始めた当初は、すでに多国籍出身の従業員を多く抱えていたため言語とルールの統一に苦戦したそうですが、現在では全社員のTOEIC平均スコアが830点に達しているとのこと。また、楽天全社員の2割は外国籍だそうですが、新規採用のエンジニアに限れば7~8割が外国籍の人材だそうです。ユニクロやGUを展開するファーストリテイリングや、三井住友銀行なども社内英語を導入するなど、今後英語を社内での公用語とする日本企業はどんどん増えるでしょう。
【受験生・社会人】英語ができない人の11個の特徴
「英語ができない」とは、「英語で自分の考えや思いを伝えられない」ということだと定義しましたが、より具体的な特徴をまとめてみました。
英語ができない人の11個の特徴を、1つ1つ見ていきましょう。
英単語・英文法の基礎が圧倒的に欠落している |
英語のリスニング能力が無さ過ぎる |
聞き取った英語を脳内で日本語に変換している |
「リーディング」や「暗記」ばかりしている |
自分に合っていない教材を使っている |
「主語」「述語」「時制」等に気を使った話し方を普段していない |
学習時間がそもそも足りない |
チャンクや慣用句に慣れていない |
発音ミスや文法ミスを過剰に恐れている |
日本語の文章能力やスピーキング力自体が不足している |
英語圏の文化への理解が足りない |
英単語・英文法の基礎が圧倒的に欠落している
英文を組み立てるためには、英単語や英文法の知識がある程度必要になります。その知識があまりに不足していると、自分の言いたい文章を組み立てることはできません。
英語のリスニング能力が無さ過ぎる
自分の言いたいことを簡単な英文にすることができても、相手の言っていることが理解できなければ会話のやりとりは成り立ちません。
聞き取った英語を脳内で日本語に変換している
会話は「なまもの」。聞き取った英語を常に日本語に変換しないと気が済まないという人は、自分の発話スピードが遅れたり、会話のタイミングを逃したりします。その結果、「この人は英語ができない」と見なされてしまうことも。
「リーディング」や「暗記」ばかりしている
日本人が得意な「リーディング」や「暗記」ばかりに取り組んでいても、それらを使うチャンスを作らなければ英語が話せるようにはなりません。英語の基礎が固まったと思えたら、アウトプットに特化した学習法を試してみましょう。
自分に合っていない教材を使っている
リスニング力を鍛えるべき時期に文法の参考書に取り組んでいたり、十分英会話を楽しめるレベルにあるのに聞き流しの教材で満足していたら、次のレベルには進めません。要するに、自分に合った教材を使っていないのです。自分の現状を把握したうえでどこに次の目標を置くのか、定期的に確認して目標達成に沿った教材を使用することで、「英語ができる」ようになるまでの期間を効率よく短縮できます。
「主語」「述語」「時制」等に気を使った話し方を普段していない
「なんとなく英語はできる」という人は、そのレベルに満足してしまって「主語」「述語」「時制」等に意識を向けなくなってしまうことがあります。しかし本当に「英語ができる」人は、どれほど会話が上達しても常に自分のミスを自分でチェックする意識を持っているものです。
学習時間がそもそも足りない
学習時間は効果に確実に比例します。自分ではやっているつもりでもなかなか効果を実感しないという人は、そもそも学習時間が足りていない可能性があります。前述の通り、英語をある程度使いこなせるようになるには1,000時間の集中した学習が必要。あなたの学習時間は、足りていますか?
チャンクや慣用句に慣れていない
教科書どおりの表現であれば作文できるし会話もできる。でも時々、ネイティブの言っていることがまったくわからないことがあるという人は、英語特有のチャンクや慣用句に慣れていない可能性があります。英語で発信されている記事や洋書を読んだり、字幕付きで何度も同じ映画を繰り返し見たりすることで、自分の中にチャンクや慣用句の意味をイメージとして確立しましょう。
発音ミスや文法ミスを過剰に恐れている
ミスや間違いは誰でもしたくないもの。でも、発音や文法のミスを過剰に恐れていては、英語を話してみようという気持ちもしぼんでしまいます。外国人がつたない日本語でも一生懸命に話そうとしていたら、あなたもきっと笑ったりせずに真剣に耳を傾けるはず。細かなミスを恐れず、とにかく「伝えたい」という気持ちでぶつかってみましょう。
日本語の文章能力やスピーキング力自体が不足している
どの言語を選ぶかに関わらず、自分の伝えたいことをうまくまとめられないという人もいます。自分がそのタイプだと思ったら、英語学習を継続しつつ、日本語でも作文やスピーチをする練習をしてみましょう。英語は、「私は~する/である。」とはっきり主張する言語です。目標に向かうステップの一つとして、ぜひ日本語でも「主張する」訓練をしてみましょう。
英語圏の文化への理解が足りない
日本語を学ぶ外国人にとって、日本ではどんな場面で「すみません」と言い、どんな場面で「ありがとう」というのかを理解していなければ、自信を持って適切な会話はできないでしょう。同じことが、英語を学ぶ日本人にも言えます。英語圏の文化を理解しようと努力することで、「この場面ではあの表現」というマッチングがよりスムーズにできるようになるのです。
日本人はそもそも「英語ができないといけない」のか?
ここまでいろいろと書いてきましたが、そもそも日本にいる限りあまり英語を話す必要性に迫られないことも事実。日本人は、「英語ができないといけない」のでしょうか?
海外旅行の場合
はっきり言ってしまえば、海外旅行ではポケトークなどの翻訳機があれば現地でのやりとりは十分可能でしょう。しかし、ポケトークの翻訳が正しいのかどうかの判断ができなければ、コミュニケーションがちぐはぐになってしまいます。旅先でこそ、現地の人とのコミュニケーションを楽しみたいもの。少しでも海外に興味があって学習意欲があるのであれば、やはりきちんと英語と向き合って勉強してみてはいかがでしょうか。
留学の場合
どうしても英語を身に付けたくて、思い切って海外留学を選ぶ人もいるでしょう。高い意欲とモチベーションがあれば、留学当初は英語がまったく話せなくても心配いりません。現地についてから勉強することでぐんぐんと英語を吸収するでしょう。しかし、「語学留学」という経歴だけでは日本でも海外でもキャリアとしての高い評価はあまり得られません。英語に加えて何かひとつでも、専門性のある知識を身に付けるつもりで留学の目的を設定することをおすすめします。
現状で英語がまったくできないのであれば、まずは死に物狂いで英語を勉強する姿勢は必須。それに加えて語学コース以外の授業を受けたり、より高度な語学クラスを並行して受講するなど、常に上へ先へと気持ちを保ち続けるのが大切。例えば将来的に翻訳の仕事をすることを目標にしているのであれば、単に翻訳のスキルを学ぶだけではなくより専門的なIT分野や特許分野などの知識も身に付けられるような学習方法を見出しましょう。
【社会人】日本企業への就職の場合
現在日本企業で働いていたり、これからも日本企業以外で働く自分はイメージできないという人には、実際のところ英語力はあまり求められないかもしれません。最近では「新卒でTOEIC600点が足切りライン」などと言われることもあるようですが、職種や規模によってはTOEICの点数などまったく気にしないという企業が多いのも事実。
しかし、あなたの所属する組織が今後海外展開をしたり、外国人人材を受け入れたりする可能性がないとは言い切れません。急速にグローバル化する日本の将来を考えれば、TOEIC600点は最低ラインとしつつ、やはり800点は目指したいところ。その結果もしかしたら、昇進や人事評価や転職の際に、今のあなたが想像もしていなかった未来が開けるかもしれません。
【社会人】外資系企業への就職の場合
外資系企業への就職や転職を目指しているとしたら、TOEICやTOEFLなどの試験はぜひ定期的に受けておきましょう。TOEICであれば最低で700点を足切りラインとしている外資系企業も多いため、800点台は目指したいところ。
なお、英語圏ではTOEICよりもTOEFLの点数の方が重視されています。TOEFLはアウトプットが重視されるため、より実践に近い正確な英語力を測ることができるのです。日本や韓国ではTOEICの点数が重視される傾向がありますが、より広い世界での活躍をめざしてTOEFLの受験にぜひチャレンジしてみましょう!
【社会人】ITエンジニアの場合
ITエンジニアの仕事上TOEICの点数自体はそれほど重要視されることはありませんが、仕事をしていくうちに必然的に英語を読み解く力が必要になってくるでしょう。なぜならITの本場はアメリカ・シリコンバレー。新たなプログラミング言語やフレームワーク、テクノロジーの最新情報はまず英語で発信されるからです。エンジニアは常に最新の情報に精通していることが大事ですが、英語ができないとそれだけでトレンドから置いて行かれる可能性があります。
英語ができない人におすすめの学習法
「今は英語ができないけれど、ぜひ英語ができる人になりたい!」という人のために、おすすめの学習法をご紹介します。
【前提】「アウトプットなし」のインプットは不要!とにかく「話す」ことが大事
この記事を読んでくださっている方はきっと、中学高校レベルの英語の知識はお持ちのはず。忘れていても少しずつ英語をやり直すことで、必ず英語で文章を組み立てることができるようになります。
ただしその際、必ず英語を「話す」トレーニングを組み合わせることが大事。「アウトプット」なしの「インプット」学習だけでは、いつまでも「英語がわかる」レベルから抜け出すことはできません。以下に紹介する学習法はすべて、学習者の「アウトプット」を引き出すことに力を入れています。ぜひ、比較検討なさってみてくださいね。
英語コーチングで学習を習慣化する
スタディサプリENGLISH パーソナルコーチ
「アプリで学習が完結」「担当コーチがサポートしてくれる」というスタディサプリであれば、これまでなかなか続けられなかった人でも無理なく英語学習を習慣化できます。
アプリ学習を取り入れる
HiNative Trek
アウトプットに特化した課題が毎朝1題届き、ネイティブが毎回音声と作文を添削してくれます。スキマ時間を利用してビジネス英語を学びたい人に最適。
通勤通学でリスニングをしよう
スピードラーニング
基礎的なリスニング力や英語特有の言い回しを身に付けたい人におすすめ。聞き流しで耳が慣れたら、シャドーイングやリピーティングでアウトプットも練習しましょう。
瞬間英作文を行う
英文を読んだり書いたりはある程度できるけれど、会話となるとパッと英語が出てこない、という人におすすめ。例文のアウトプットを何度も繰り返して、表現を自分のものにしていきましょう。
オンライン英会話で実践する
産経オンライン英会話
日常会話からビジネス、CA受験対策、コーチングオプションまで幅広いコースをオンラインで受講可能。自分の現状と目標を見極めて受講することで、学習効果がアップします。
DMM英会話
オンライン英会話大手のため、講師数や教材ラインナップなど様々な点で充実のサービス。「英語で10往復の会話のやりとりができるようになる。」「TOEICの点数を100点アップさせる。」など、自分の目標を明確にするのがベター。
とにかく短期で一気に鍛える
RIZAP ENGLISH
専属トレーナーが短期間で一気に目標達成までサポートしてくれる、コーチング系スクール。目標がすでに明確になっている人におすすめ。
1年間かけて英語力を基礎から磨く
トライズ
自主学習に自信のある人向けなのが、トライズ。1年間に1,000時間の学習をこなすことで、基礎から英語を実際に使えるレベルになるまで徹底的にサポートしてくれるコーチング系スクール。
さいごに
日本人が「英語ができない」と呼ばれる理由を、「英語ができない」の定義から原因、効果的な勉強法まで1つ1つ掘り下げてまとめました。
もしもあなたが英語ができないと悩んでいるなら、とりあえず最初のステップとして「アウトプット重視」の学習を1000時間やってみることをおすすめします。「英語ができない」理由には様々なものがありますが、もっとも典型的な理由が「学習時間が足りない」「アウトプットが足りない」だからです。
オンライン英会話などでまずは手軽に学習を始めてみるのがおすすめですよ!