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英語の練習は地道な努力の積み重ね
英語が話せるようになるには、きっと努力が必要なはず。「英語ができる」人は、実際どんな努力をして英語が話せるようになったのでしょう?
英語学習は地道な勉強の積み重ね
「どうやって英語が話せるようになったんですか?」と聞かれたら、私はいつも「一生懸命勉強を続けたんです。」と答えることにしています。
質問する方はたいてい、「何か特別な方法は?」とそのあとに続けます。私の答えもいつも一緒。「楽して英語が話せるようになる特別な方法はありません。話せるようになった人はみんな、読み・書き・聞き・話す練習を何年もやめずに続けた人たちなのです。」
英語学習は、地道な勉強の積み重ね。逆に言えば、努力をし続けさえすれば誰でも必ず英語は話せるようになります。事実あなたは日本語が話せるようになったのですから、間違いありません!
短期集中スクールで英語力が伸びるのは純粋に「学習量が多い」から
最近は、1年未満で英語力を伸ばすという短期集中型のスクールが人気を集めています。
しかし、短期で英語力が伸びるのは、純粋に学習量が多いから。多くの人が何年もかけて学ぶ学習量を、ぎゅっと濃縮してこなすので期間が短縮されるのです。
短期スクールに魔法のような学習ノウハウがあるわけではない
その分、短期集中型のスクールでは、受講者が膨大な量の課題をこなすことになります。1日に数時間を英語学習に費やすことをコミットするからこそ結果が出る。短期集中型だからと言って決して魔法のようなノウハウがあるわけではなく、やはり学習量と英語力が比例することに変わりはないのです。
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英語を練習しても「できるようになる人」と「できない人」に分かれるのはなぜ?
たいていの日本人は、中学高校の6年間英語を勉強してきているはず。それなのに英語が「できるようになる人」と「できないままの人」に分かれるのには、理由があります。考えられる主な理由を、いくつか挙げてみました。
選ぶべき教材が間違っている |
十分な量の学習をしていない |
学習の順序・順番が間違っている |
意欲が足りない |
選ぶべき教材が間違っている
英語がなかなか上達しない人は、選ぶべき教材が間違っている可能性があります。
英語を「聞けない」のであれば「スピードラーニング」などのリスニング教材、ボキャブラリーが少ないのであれば多読やアプリの活用など、まずは「今の自分が取り組むべき課題は何か」をクリアにしましょう。そうすれば、自分に合った教材を見つけやすくなります。
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十分な量の学習をしていない
何年もレッスンを受けているのに英語が上達している気がしない…という人は、ハッキリ言って学習量が不足しています。1週間に1時間英語に触れている程度では、3歩進んだと感じてもすぐに3歩戻ってしまいます。本気であれば、最低でも毎日1時間は英語に取り組むくらいの気持ちが必要です。
毎日1時間、定期的な学習が難しい場合はコーチングサービスや、「HiNative Trek」のように無理のない出題範囲と問題数で英語が伸びるアプリなどを使ってみましょう。
学習の順序・順番が間違っている
物事を身に付けようと思ったら、正しい順序に従った方がムダな労力を使わずに済みます。英語の学習も、取り組む順序・順番が間違っていたら、上達のスピードが落ちてしまいます。
水に体を浮かせる方法もわからないのに、いきなりクロールで50メートル泳ごうというのは無理な話。正しいステップを知るための努力を惜しまないようにしましょう。
意欲が足りない
英語がいつまでも上達しないのは、「途中でやめてしまう人」もしくは「たびたび休んでしまう人」。つまり、意欲が足りない人たちです。もしかしたら、英語の学習がそもそも自分の意志に反していたり、他にもっとしたいことがあるのに無理して勉強しているというケースもあるかもしれません。どうしてやる気が出ないのか、根本的な理由を探ってみましょう。
英語練習の順番は「単語・文法」が先?「習うより慣れろ」が先?
「話せるようになるには、文法をマスターしなくては。」という人と、「習うより慣れろでどんどん音声に触れるべき」という人と、英語練習の順序についての意見はさまざま。いったい、どんな順序で練習するのが効果的なのでしょうか。
迷ったら「習うより慣れろ」がおすすめ
どんな順序で学習したらいいのかわからない…。そんな人には「習うより慣れろ」の言葉を贈ります。講師として見ていても、グングン力をつけるのは「とりあえずしゃべってみよう!」というタイプの人。
文法が間違っていようが、いつも同じ言い回しになっていようが、恥ずかしがらずにとにかく話す!
何度もそれを繰り返すうちに、「あれ、考えていないのに勝手に英語が出てきた…」という瞬間が必ずやってきます。いきなりネイティブと会話をしてもよいですし、恥ずかしければまずはDMM英会話などのオンライン英会話を活用してみましょう。
赤ん坊は座学を通じて語学を学ぶわけではなく「耳」から入る
あなたは日本語を「勉強して」話せるようになりましたか?座って教科書を広げて勉強をしたから話せるようになったのではなく、周囲の話し声を毎日毎日聞いて音を真似したからこそ話せるようになったはず。とりあえずたくさん聞いてたくさん真似することが、語学を身に付ける早道です。
座学が好きな人は「単語・文法」が先
学校英語の知識なら身についているし、しっかりそれらを整理しながら上達を目指したい。そんな「机に座って勉強するのが好き」というタイプの人は、学校英語以上の語彙力や文法知識を身に付けるつもりで英語学習をやり直してみることをおすすめします。
受験英語の教材は「話すこと」を意識していない点に注意
ただし、英語をやり直そうと学生向けの教材に取り組んでも、「英語ができる人」に進化することはできません。受験英語教材は「話すこと」に重点を置いていないため、別のアプローチが必要です。
おすすめの教材は「どんどん話すための瞬間英作文トレーニング」
受験英語から一歩進めて「英語ができる人」を目指すためには、「瞬間英作文」などの「話す力」をつけるための教材がおすすめです。
「瞬間英作文」とはベストセラーになった森沢洋介氏の著書名ですが、中学校の教科書レベルの文法を使って簡単な英語をスピーディにかつ大量に声に出すというメソッド。簡単な文章からスタートして大量の英文を瞬間的に作って声に出すというアウトプットを繰り返すことで、頭の中に英語回路を作ります。日本人が苦手な「話す力」に特化した教材として評価が高く、使用者からは「はじめは辛かったけれど頑張って練習を続けたら本当に英文が口からすぐに出てくるようになった。」などというレビューが多く寄せられています。
なお、瞬間的な英作文に慣れてきた方や中上級者の方は、「瞬間英作文」に紹介されている例文だけでなく、例文の一部を入れ替えて自分の本当に伝えたいことを話す練習することをおすすめします。
受験英語が苦手だった人は「習うより慣れろ」「アウトプット重視」
学校の英語の授業が苦痛だった、受験スタイルの英語は苦手だったという人は、過去の学習法は自分に合っていなかったのだと割り切って、まったく新しいアプローチで英語と出会い直してみましょう。
文章を見ずに音楽のように英語を聞き流すメソッドや、オンラインでお気に入りのネイティブ講師とひたすらチャットするなど、「習うより慣れろ」方式でアウトプットを伸ばす方法はたくさんあります。
語学の上達と「耳の良しあし」の関係
なぜ、これほど多くの日本人が「英語が聞き取れない」と感じるのでしょう。日本語と英語の音の違いに着目してみると、日本語の母音は5つ(あ・い・う・え・お)であるのに対し、英語の母音は20もあります。また、摩擦音の少ない日本語に対して、英語は「息の言語」と言われるほどに摩擦音や破裂音が多く含まれます。
日本人の私たちが普段聞きなれない音が耳に入ってくると、多くの人は戸惑いますし聞き取ることに難しさを感じます。いわゆる「英語耳」が優れていると言われる人は、英語を耳にしたときに「日本語フィルタ」をかけることなく英語の音を自然と聞き取ることができる人だと言えます。
日本語にはない英語の音に慣れて聞き取りができるようになってくると、ネイティブとのコミュニケーションが少しずつできるようになります。聞ける・伝わるという経験が増えてくるとやはり楽しいし、自信がついて英語学習に対する意欲も保ち続けることができます。「あの人は耳がいいから…」で片づけず、ぜひこの段階になるまで地道にリスニングを続けてみましょう。
「慣れ」と「上達」の混同には注意
とにかく、いろいろな方法を試してみましょう。そうするうちに、どんなに英語が苦手だと思っている人にも必ず「あ!」という瞬間がやってきます。要するに英語の音やイントネーションに耳と脳が慣れてくるのです。ただ、その段階をもって「英語ができるようになった!」と安心していては元の木阿弥。せっかく耳が慣れてアウトプットできる下地が整っても、言いたいことを組み立てるための語彙力や文法力が足りなければ思うようには話せません。「慣れ」と「上達」を混同せずに、インプットとアウトプットの両方にバランスよく取り組める工夫を続けることが大切です。
いくら練習しても英語が上達しない!そんな人が心がけるべき8つのこと
ここまで「いつまでも英語が上達しない!」と感じている人の特徴をまとめてきました。そんなあなたが英語上達に向けて心掛けるべきポイントが8つあります。
1.これまでの自分の学習法が「インプット偏重」か「アウトプット偏重」かを振り返る |
2.オンライン英会話も英語スクールも「セルフ・トレーニング」無しでは意味がないと割り切ろう |
3.完璧を目指さず、大体の意味をつかむ |
4.いますぐシャドーイングとディクテーションを始めよう |
5.慣れてきたら「和英辞典」「英和辞典」を捨てよう |
6.分からない単語や英文は英英辞典で調べる |
7.柔軟な言い換えを行う |
8.どんなに結果が出なくても「1000時間」はめげずに頑張ろう |
1.これまでの自分の学習法が「インプット偏重」か「アウトプット偏重」かを振り返る
まずはこれまでの自分の英語学習を振り返ってみましょう。
英語は得意だった?ネイティブとどの程度会話ができる?英作文の実力は?リスニングはやってきた?これまでの学習がインプットとアウトプットのどちらに偏っていたのかを振り返った上で、今後の学習目標を立てましょう。
2.オンライン英会話も英語スクールも「セルフ・トレーニング」無しでは意味がないと割り切ろう
英語に取り組むのは久しぶりだし、とりあえずスクールに申し込もう、と考えていたらちょっと待って!
オンライン英語も英会話スクールも「セルフ・トレーニング」なしでは効果が上がりません。スクールと併用してどのくらいの時間を英語の勉強に割くことができるのか、シビアにライフスタイルを見直してみましょう。
3.完璧を目指さず、大体の意味をつかむ
リスニングの練習は続けているつもりなのに、なかなか聞き取れるようにならないという人も多いことでしょう。私にも、「どうして他の人には聞けるの?」と挫折感を味わった時期がありました。
そんな時期を乗り越えるコツは、完璧を目指さず「大体の意味がわかればヨシ!」と肩の力を抜くことです。リスニングもリーディングも一緒で、完璧にはわからなくても諦めずに一定量の音声と英文に触れ続けていれば、必ず力がついてきます。
4.いますぐシャドーイングとディクテーションを始めよう
英語が上達しない理由をアレコレ頭で考えている時間があったら、今すぐシャドーイングとディクテーションを始めてみましょう。
特にシャドーイングは、どんな素材を利用しても簡単にスタートできます。初心者であれば中学レベルの参考書についている付属CDを使ったり、中級者であればVoiceTubeやインターネットのストリーミングサービスを使うのも良い方法です。1日5分でも、やってみる価値ありです。
5.慣れてきたら「和英辞典」「英和辞典」を捨てよう
ある段階から、自分がまったく和英・英和辞典をほとんど使わなくなっていることに気づきました。なぜだろう?と想像してみると、自分が英語を英語のままでイメージしてつかめるようになったからだと思い至りました。
例えば、”have”という単語を英和辞典で調べてみると
- 1.持つ
- 2. (事を)義務として持つ
- 3.(事を)経験する
- 4.~を〇〇な状態にしておく
- 5. ~をする
と出てきます。でも、どれもピンとこないと感じませんか?
”I had a good time.(楽しかったよ)” や ”I just had my nails done.(ネイル塗り終えたところなの)”などの表現を、英語のまま日本語に変換することなく理解できるようになってくると、もう”have”という単語の細かな意味など気にならなくなってくるものです。
英語を文全体でイメージとしてとらえられるようになってきたら、和英・英和辞典は思い切って処分してみてもいいかもしれません。
6.分からない単語や英文は英英辞典で調べる
かなり上級者向けのアプローチではありますが、語彙力を2倍速・3倍速で高めたかったら、わからない単語は英英辞典で調べることをおすすめします。
ひとつの表現や単語を別の英語で言い換える練習にもなりますし、英語を英語で考える癖付けができます。
7.柔軟な言い換えを行う
「正しい英語を話さなくては…」という意識が強いうちは、どうしても自分が知っている単語や構文にこだわってしまいます。
それで会話の瞬発力が鈍ってしまうようであれば、もっと柔軟な言い換えをすることを意識してみましょう。あえて教科書的な長くて難しい構文を使わなくても、言いやすい短い文章の方が伝わりやすく会話も弾むものです。
8.どんなに結果が出なくても「1000時間」はめげずに頑張ろう
英語に限らずスポーツでも料理でも音楽でも、かけた時間と上達度が比例しないことはありません。これまで頑張ってきた良かったなぁ!と思えるレベルに到達するまでには、毎日少しずつ取り組んでも2~3年はかかるもの。どんなに結果が出なくても「1,000時間」はめげずに頑張ろうと決めて、やり続けるのが大事です。
「天才」になれる1000時間ルールとは?
カリフォルニア大学サンディエゴ校の准教授、Philip Guo氏が唱える「1万時間ルール」をご存じですか?
「若いころから絶え間なくハイレベルな練習を1万時間続けると、その分野のエキスパートになれる」というのが主な趣旨。エキスパートになるまで上り詰めなくても、1万時間の10分の1の1,000時間を粘り強く続けることで、何事も「上手になった」「これが得意」だと感じられるようになるはず。
Guo氏の「天才になれる1万時間ルール」を信じて、まずは手近な目標として1,000時間の学習をこなしてみましょう。
日本人の英語学習時間はちょうど「1000時間」足りない
日本人は中学高校の6年間の授業で約1,000時間の英語学習をこなしているはずですが、実際の授業では読み・書きが中心。
義務教育の授業量では、英語の音声を聞いたり英会話を話すという時間がまったく足りません。ということは、大人になったあなたが英語を話せるようになりたいと思ったら、あらためて英語の学習時間を「1,000時間」確保するべきだといえるでしょう。
1,000時間を1日1時間の学習でこなそうとすると、休みなく毎日学習したとしても約3年かかる計算になります。しかし実感として、このくらいの学習時間は英語をマスターするには絶対に必要。粘り強く取り組みましょう。
英語練習におすすめの教材・スクール
1,000時間の学習時間をどのように使うかはあなた次第。英会話スクールに通うもよし、参考書に取り組んでもよし、以下のおすすめ教材・スクールを参考にして自分にぴったりの方法を見つけてくださいね!
スタディサプリENGLISH 日常英会話コース |
DMM英会話 |
どんどん話すための瞬間英作文トレーニング |
クラウティ |
HiNative Trek |
トライズ |
スタディサプリENGLISH 日常英会話コース
スタディサプリENGLISH 日常英会話コースは3分から始められるアプリ学習。毎日続けられる可能性も高くなります。月額980円からという価格設定も取り組みやすくて安心。まずは無料体験を試してみては?
DMM英会話
オンライン英会話大手のため、講師数や教材ラインナップなど様々な点で充実のサービス。「英語で10往復の会話のやりとりができるようになる。」「TOEICの点数を100点アップさせる。」など、自分の目標を明確にするのがベター。
どんどん話すための瞬間英作文トレーニング
英文を読んだり書いたりはある程度できるけれど、会話となるとパッと英語が出てこない、という人におすすめ。例文のアウトプットを何度も繰り返して、表現を自分のものにしていきましょう。
クラウティ
ひとつアカウントを取得すれば、子ども向け英会話からビジネス英語まで家族で一緒に英語学習ができるという学研のクラウティ。毎日25分レッスンしても月額4,500円という低料金も魅力。
HiNative Trek
アウトプットに特化した課題が毎朝1題届き、ネイティブが毎回音声と作文を添削してくれます。スキマ時間を利用してビジネス英語を学びたい中上級者に最適。
トライズ
自主学習に自信のある人向けなのが、トライズ。1年間に1,000時間の学習をこなすことで、基礎から英語を実際に使えるレベルになるまで徹底的にサポートしてくれるコーチング系スクール。
まとめ
英語の練習方法について解説を行いました。英語の学習方法には、魔法のような裏技は存在しません。それでも累計で1000時間学習すれば、十分な実力が身に付きます。
1000時間の学習を視野に入れつつ、まずは1日10分からでも構わないので学習をスタートしましょう!