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2017年03月06日 更新

「お助けシュロの糸」カエルオタク中学生の発明に称賛の声

カエルオタクの少女・藤原結菜さんが発明した「お助けシュロの糸」。あさイチで紹介された側溝に落ちたカエルを救出する地道な研究成果は自然保護団体、海外からも反響。毎日80匹のカエルを救う命綱「お助けシュロの糸」について解説します。

「お助けシュロの糸」を発表する藤原結菜さん

出典:藤原結菜(小学6年生・山口県)(youtube.com)

夢中になった人は強い。

子どもの頃、なにか一つのことに熱中した経験が誰にでもあるのではないでしょうか?

例えば、飛行機や昆虫、人形や漫画、小説だったり・・。そして、その体験はいつしか漫画家や小説家、パイロットになりたい!といった憧れや将来の夢を持つきっかけになることがあります。

熱中する子ども達

出典:wundervisuals / iStock. by Getty Images

そんないわゆる「オタク心」が持つ力は偉大です。

なぜなら、その好奇心や探究心は時に、世界を変える発見や発明など新たな可能性への道を切り拓く原動力になるからです。

7月4日に放送されたNHK『あさイチ』の特集「“オタク心”でハッピー」では、カエルオタクの少女・藤原結菜さんが生んだ発明「お助けシュロの糸」を紹介。

カエル

出典:Mark Kostich / iStock. by Getty Images

大人顔負けの洞察や研究内容、そして行動力が大きな反響を呼びました。

カエルオタクの少女が発明した「お助けシュロの糸」とは

カエルとの出会い

結菜さんがカエルにハマったのは小学2年生のとき。小学校5年間で行った自由研究の対象はずっとカエル。

カエルを4年間飼い続けている結菜さんは、カエルの飼育・観察にどっぷりハマってしまい、田んぼの側溝に落ちた多くのカエルの命を救出する装置「お助けシュロの糸」を発明。

その結果、日本自然保護大賞を受賞しました。

「エサとかのむとき 目をつぶって コクッとのむんで楽しい」

ヒキガエルのヒキちゃんを観察しながら、カエルを観察する楽しさについて嬉しそうに語る結菜さん。

発明のきっかけは「U字溝を登ることができないカエル」

大人たちを驚かせた「お助けシュロの糸」。

その発明のきっかけは「田んぼのU字溝に落ちることで失われるカエルの命」を目の当たりした経験だったといいます。

U字溝の写真

出典:PIXTA

研究動機についてプレゼンする結菜さん。

「私が3年生の時、田んぼのU字溝でカエルが流されていくのを見て、カエルにとってU字溝は危険な場所なのではないかと思った。カエルとU字溝の関係について調べようと思った」

少女はカエルの命を救うべく、研究をスタート。

まず、U字溝に落ちているカエルの実態を調査し、多くのカエルが危険な状況に晒されていることを知ります。

1日で合計120匹のカエルがU字溝に落ちていると説明。

「お助けシュロの糸」についてプレゼンする結菜さん

出典:藤原結菜(小学6年生・山口県)(youtube.com)

ニホンヒキガエルやウシガエル、トノサマガエル、ヌマガエルをはじめ実に109種類のカエルで実験。

結果、多くのカエルが浅い溝でも飛び越えられないことがわかりました。

U字溝の深さとカエルの跳躍力の関係を統計データとしてまとめ、30cm以上の深さの溝に落ちたカエルは自力で地上に戻ることができないと指摘します。

カエルの縦ジャンプ力とU字溝の深さの関係について

出典:藤原結菜(小学6年生・山口県)(youtube.com)

さらに、U字溝に流れる水の流速を計測。

カエルの手足につく吸盤は、どのスピードまで耐えることができるのか境界を探りました。

流速と吸盤の関係性のデータ

出典:藤原結菜(小学6年生・山口県)(youtube.com)

そこで、少女はカエルが自力で地上に戻ることをサポートする「命綱」(お助けシュロの糸)を製作しようと計画!

実際に側溝に落ちて死んでしまうカエルたち(動画)

カエルの命を救う「お助けシュロの糸」の仕組み

当初はスロープを側溝に導入を検討しましたが、人件費をはじめとするコストの問題にぶつかります……。

少女はこの問題に対して別の素材で代用できるのはないかと考えます。

ツユクサやカキドオシといった草からたどりついたのが「シュロ」と呼ばれる素材。

スロープつきの側溝

出典:藤原結菜(小学6年生・山口県)(youtube.com)

彼女が目につけた素材、シュロとは

シュロ(棕櫚、棕梠、椶櫚)は、ヤシ目ヤシ科ヤシ属 Trachycarpus の総称。

排水良好な土地を好み、乾湿、陰陽の土地条件を選ばず、耐火性、耐潮性も併せ持つ強健な樹種である。

生育は遅く、管理が少なく済むため、手間がかからない。

出典:シュロ – Wikipedia

シュロの糸はスロープと違い、コストがかかりません。

少女が発明したのは「シュロの糸」というカエルが側溝を登るための装置。

そして、この発見は「日本自然保護大賞子ども・学生部門」で優勝することに。

「お助け!シュロの糸」

出典:藤原結菜(小学6年生・山口県)(youtube.com)

吸盤を持たないカエルも、シュロの糸に足をひっかけることで上手に登ることができます。

シュロの糸のメリット

出典:藤原結菜(小学6年生・山口県)(youtube.com)

少女はこの「お助け!シュロの糸」で28回の実験&実証を重ねた結果、計257匹のカエル(トノサマガエル、ヌマガエル、ツチガエル、ニホンアマガエル、シュレーゲルアオガエル)がU字溝から登ることを確認。

シュロの糸を使用し、調査をしているシーン

出典:藤原結菜(小学6年生・山口県)(youtube.com)

さらに、登ることをサポートするだけでなく、サギなどの天敵から隠れる手段にも。救出の対象はサワガニやアカハライモリなどカエル以外の生き物にも及びます。シュロ自体も環境にやさしく、自然に害のない素材でもあります。

「お助け!シュロの糸」を使用するシーン

出典:藤原結菜(小学6年生・山口県)(youtube.com)

「お助け!シュロの糸」で救出した生き物

出典:藤原結菜(小学6年生・山口県)(youtube.com)

この命綱「お助け!シュロの糸」は1日80匹以上のカエルを助けているそうです。

この発明はさっそく他県でも応用されました。

「あさイチ」では楽しそうに研究過程に聞き入るイノッチの姿が印象的でした。

日本自然保護大賞を受賞 海外からも注目を集めることに

少女の研究成果は「日本自然保護大賞 子ども・学生部門」にて大賞に輝きます!

子ども・学生部門で大賞に輝いた藤原結菜(山口県美祢市・小6)さんは日本自然保護大賞を受賞。専門家や海外からも注目を集めることに。

研究の評価ポイントは以下のとおり。

「コンクリート側溝に落ちたカエルを救う「お助け!シュロの糸」の考案と、現場での実証・実践活動」の取り組みについて発表しました。小学校3年生のときに田んぼの用水路でカエルたちが流されたりひからびてしまう現状を見て、何とかしたいと思い行動した、大人顔負けの調査力と、ユニークな救出手法の発想力に、拍手が鳴り止みませんでした。

出典:日本自然保護大賞|日本自然保護協会

結菜さんがプレゼンテーションで語った夢とは

彼女はこの研究成果をプレゼンテーションにて堂々と発表。

最後に、夢についても触れました。

「私は五年間カエルの研究をする中で、小さな命が人間の都合(U字溝のコンクリート)で失われる現実をみてきました。私の活動はまだまだ小さなものですが、“シュロの糸”の普及活動をしながら、コンクリートのU字溝で小さな命が失われている現状を、たくさんの人に知ってもらえるよう発信していきたいです。このことは日本だけでなく、外国でも役に立てることができると思っております。そして、今後もカエルたちを救う活動をしていきたいです。ぜひ、みなさんも田んぼのコンクリートのU字溝に目を向けてみてください。そして、小さな命の声を聞いていただけたらと思います」

プレゼン後の質疑応答では「女の子がカエルを飼うことに抵抗はなかったのか?」の質問に対して「小学二年生の時、カエルの観察会に参加したのがきかっけ。アマガエルを連れて帰ったが、最初は苦手だった。でも、飼い始めたら、徐々に愛着が湧いてきた」と振り返っています。

好きなものを「助けたい」という気持ちが結びついたこの発明。

“もっと知りたい” “守りたい” という純粋な気持ちの持つ力を改めて実感した研究でした。

「お助け!シュロの糸」作り方(動画)

「用意するもの」
・シュロの繊維
・水ゴケ
・麻ひも(タコ糸でも可)

1:「シュロの繊維を3つに分け、水ゴケを少量のせる」
2:「シュロの繊維を巻いたものを3つ作る」
3:「3つの束の上を麻ひもでしっかり結ぶ」
4:「ねじりながら三つ編みで編んでいく」(カエルが登ることができるようふんわり感を意識)
5:「下の部分を麻ひもでしっかり結び、端を切りそろえる」
6:「U字溝に設置し、カエルを助ける!」

お助けシュロの糸の作り方

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