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糖質制限ダイエットをしても痩せないのはどうして?
糖質制限ダイエットに挑戦しても結果が出ないとモチベーションが低下してしまいます。どうして痩せないのか、原因として考えられることを紹介します。
女性は筋肉量が少ないため、消費するエネルギーも少ない=痩せにくい
女性は男性と比較して筋肉量が少なく、同じ活動をしてもエネルギー消費量が少ないです。18-29歳の日本人の基礎代謝基準値は男性なら1,520kcal/日ですが、女性は男性の約7割の1,110kcal/日しかありません。そのため、男性はダイエットに取り組めば比較的痩せやすいのに対して、女性は痩せにくいという特徴があります。
内臓脂肪ではなく皮下脂肪が付いている可能性
脂肪は身体のどこに付いているかによって内臓脂肪と皮下脂肪の2種類に分けることができます。
内臓脂肪とはおなかの臓器のまわりに付いた脂肪のことです。脂肪がつきやすい反面減らしやすいのが特徴です。特に男性は内臓脂肪が付きやすいです。
一方、皮下脂肪は腰回り、おしり、太ももなどの皮膚のすぐ下に付いた脂肪を指します。内臓脂肪よりも付きにくい反面、なかなか減らすことができないという特徴があります。特に女性は皮下脂肪が付きやすいです。
皮下脂肪が付いている場合、ダイエットをしてもすぐには落ちません。痩せるためには根気よくダイエットに取り組む必要があります。
女性ホルモンのバランスの関係
女性がダイエットをするうえで女性ホルモンの影響は見逃せません。排卵後から月経前の期間はプロゲステロンという女性ホルモンの分泌量が増加します。月経前にイライラしたり憂鬱になったりするのはこのプロゲステロンが原因であると言われています。食欲のコントロールができず食べ過ぎてしまったり、気持ちが落ち込んでダイエットに前向きに取り組めなくなることも少なくありません。
健康な女性であれば、多かれ少なかれ女性ホルモンの影響を受けるものです。月経前は無理をしないなど、自分のリズムを把握し適切な対応をとることが大切です。
糖質以外の栄養素も制限している
糖質制限に一生懸命になるあまり食事内容が偏り、ビタミンやミネラルといった必要な栄養素まで不足してしまう人は少なくありません。糖質以外の栄養素が不足すると身体機能の低下を招き、逆に代謝が落ちて太りやすい体質になってしまうことがあります。
単純に食べ過ぎている
糖質が少ない食事であっても食べ過ぎは逆効果です。タンパク質や脂質を摂取しすぎればカロリーオーバーとなり太ってしまう原因となります。痩せるためには適切な食事量を守ることが必要です。
糖質制限がストレスになっている
糖質制限は効果的なダイエット方法ではありますが、それ自体がストレスになってしまうと逆に太ってしまう可能性があります。
ストレスが原因で暴飲暴食に走ってしまうのは珍しいことではありません。これは、ストレスを感じることでドーパミンというホルモンが分泌されるためであると考えられています。ドーパミンには食欲を増進させるはたらきがあり、必要以上に食べ過ぎてしまう原因となるのです。
このほか、ストレスホルモンとも呼ばれるコルチゾールも分泌量が増加します。体内のコルチゾールが増えすぎると、代謝を遅らせる、筋肉を分解してエネルギー源として利用しようとする、脂肪の代謝を抑制するといったように、ダイエットとは真逆のはたらきが促進されます。このような状態では、せっかく糖質制限を頑張っても痩せることは難しいでしょう。
糖質制限がゆるい
極端な糖質制限は体調を崩す原因になる可能性があることから、ゆるい糖質制限を推奨する専門家も少なくありません。健康を維持したままダイエットしやすいという点ではゆるい糖質制限は優れていますが、その分結果が出るまで時間がかかるのは仕方がないことです。ゆるい糖質制限で痩せることを目指すなら、長期的な取り組みが欠かせません。
正しい糖質制限ができていない可能性も
自分では糖質制限しているつもりでも、実は思った以上に糖質を摂取している可能性があります。毎日食べるもの一つひとつの糖質量を調べるのが面倒だからと、思い込みで食べるものを選んではいないでしょうか。また、中には無意識のうちに間食してしまっているという人もいます。実際の糖質摂取量が必要量を上回っていれば痩せないのは当然だと言えます。
もう一度正しく理解しよう。糖質制限ダイエットとは?
糖質制限で痩せるためには、糖質制限ダイエットについて正しく理解することが必要です。既に分かっているという人も、もう一度確認しておきましょう。
糖質の摂取を制限することで、脂肪の燃焼を促すダイエット方法
どうして糖質を制限することが脂肪燃焼につながるのでしょうか。糖質制限ダイエットで痩せるしくみを見てみましょう。
糖質摂取により血液中のブドウ糖が増加する
食事により摂取した糖質は、体内で分解されブドウ糖になります。ブドウ糖は血液中に溶け込み全身を巡ります。
健康診断などで血糖値という言葉を聞いたことがある人は多いでしょう。血糖値とは血液中のブドウ糖濃度のことを意味しており、食後は血糖値が上昇することが知られています。
インスリンによりブドウ糖が3つの目的に利用される
血糖値の上昇に伴い、インスリンというホルモンが分泌されます。インスリンには、3つのはたらきによって血糖値を下げる役割があります。
1つ目は、ブドウ糖を貯蔵可能なグリコーゲンという物質に変えて肝臓や筋肉に蓄積することです。これにより、体内のブドウ糖が減少しても補充が可能となります。
2つ目は、ブドウ糖が全身の細胞に取り込まれるようはたらきかけることです。取り込まれたブドウ糖は、細胞のエネルギー源として消費されます。これによってヒトは生命機能を維持し活動することが可能となります。
3つ目は、前の2つに利用しきれず余ってしまったブドウ糖を中性脂肪に変えて脂肪細胞の中に取り込ませることです。エネルギー源を貯え万が一の時に備える大切な役割ですが、同時に太ることにもつながります。
インスリンの分泌を抑えれば中性脂肪を減らすことが出来る
痩せるためには、糖質が中性脂肪に変わることは防ぎたいですよね。そのためには、犯人であるインスリンの分泌を抑えることが重要となります。
インスリンは血糖値の上昇に伴い分泌されます。つまり、糖質の摂取を控えれば血糖値が上がりにくくなり、その分インスリンの分泌量も少なく済むのです。
さらに、体内の糖質量が減少すれば、エネルギー源の不足を補うために脂肪がエネルギー源として利用されることが期待できます。このようにして、糖質を控えることで中性脂肪を減少させることができるのです。
糖質のみ制限することが大切
糖質と混同しやすいのが炭水化物です。糖質制限のためには炭水化物を控えれば良いと考えているなら、それは間違いです。
炭水化物は糖質と食物繊維との総称です。糖質はエネルギー源として利用されますが、食物繊維は消化・吸収されずに排出されます。食物繊維はお通じを良くするために重要な栄養成分ですから、糖質制限中でも積極的に摂取する必要があります。食物繊維が多く含まれる野菜類やきのこ類、海藻類を多く食べるよう意識すると良いでしょう。食事から必要量を摂取するのが難しい場合はサプリメントを利用するという手段もあります。
意外な食材にも糖質は含まれている
ご飯やパン、麺などの主食に糖質が多く含まれていることは良く知られていますが、糖質が含まれる食材は主食だけではありません。ヘルシーなイメージの緑豆はるさめですら、約1食分(20g)で16.7gと多くの糖質が含まれています。
糖質制限ダイエットを行うためには思い込みで糖質量を推定することは禁物です。一つひとつの食材の栄養素を理解し、糖質摂取量を正確に把握するようにしましょう。
よくある間違った糖質制限
よくある糖質制限の間違い |
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糖質制限について間違った知識をもとに実践している人は少なくありません。ここでは間違った糖質制限について見てみましょう。
タンパク質を摂取できていない
糖質制限ダイエットでは糖質の摂取は控えますが、タンパク質は積極的に摂取すべきとされています。タンパク質は筋肉をつくるために必要な栄養成分であり、これが不足すると筋肉量が減ってかえって太りやすい体質になってしまうためです。
糖質制限で有名なライザップでは、タンパク質は1日当たり体重×1.4のグラム数摂取することが推奨されています。体重60kgの人の場合は84g必要ということになります。このことからも、健康的な身体をつくるためにタンパク質は欠かせない栄養素であると言えるでしょう。
炭水化物=糖質と間違った認識をしている
炭水化物=糖質と認識して炭水化物をすべて控えようとはしていないでしょうか。炭水化物は糖質と食物繊維との総称です。食物繊維はお通じの調子を良くするために必要な栄養素であり、糖質制限中でも積極的に摂取することが大切です。
食物繊維は野菜類やキノコ類、海藻類に多く含まれています。炭水化物すべてを目の敵にするのはやめ、必要な栄養素は摂取して健康的に痩せることを目指しましょう。
糖質を極端に摂取0にしている
糖質制限を実践するうえで糖質を控えるのは重要なことではありますが、摂取0にまで制限するのはやり過ぎだと言えます。めまいや頭痛などの低血糖症状を引き起こす可能性があるほか、必要なタンパク質が分解されてしまい代謝を低下させてしまう恐れもあります。健康的に痩せるためにも、最低限の糖質は摂取するべきだと言えるでしょう。
糖質が低いと思っている食材が実は高い
私たちが食べる機会に恵まれる食材は多種多様であり、そのすべての糖質量を確認するのは手間がかかります。糖質が低いと思い込んで食べた食材が実は高かったということがあっても不思議ではありません。
本気で糖質制限ダイエットを実践するなら、面倒ではありますが個々の食材に含まれる糖質量を把握することは必須と言えるでしょう。幸いなことに、現代では「〇〇(食材) 糖質」で検索するだけで食材ごとの糖質量を把握することができます。これを上手に活用し、糖質摂取量を低く抑えることがダイエット成功のために重要です。
身体を冷やしてしまっている
糖質制限により痩せられるのは喜ばしいことですが、それと同時に体の冷えが起きているなら気を付けた方が良いかもしれません。ビタミンやミネラルなどの栄養素が不足していることが理由として考えられるためです。
糖質の摂取を控えることだけを気にしてしまうと、ダイエット中も必要とされる鉄やビタミンB群、亜鉛など、糖質以外の栄養素の摂取量が不足することがあります。これらの栄養素が不足すると、代謝機能がうまくはたらかずに必要な熱を作り出すことができず、身体を冷やしてしまう恐れがあるのです。身体の冷えはささいなことだと思ってしまいがちですが、将来的に大きなトラブルにつながる可能性もあるため油断は禁物です。
間食は問題ないと認識している
朝昼晩の三食だけ気を付けていれば問題ないと認識しているのなら、それもまた危険な兆候であると言えます。確かに糖質制限ダイエットでは間食も可能ですが、何を食べても許されるわけではありません。血糖値が一定以上に上昇することがないよう、間食で摂取してよい糖質量は限られていることが多いです。
特に自己流で糖質制限ダイエットに取り組む場合、間食についての制限は見落としてしまいがちです。本気で痩せることを目指すのであれば、間食についても厳しく食欲をコントロールすることが求められます。
糖質制限ダイエットをするときに気をつけるべき食材
糖質制限ダイエットでは主食を控えなければならないことは知られていますが、それだけでは不十分です。ヘルシーなイメージの野菜や見逃しがちな調味料など、思わぬところに糖質が潜んでいます。それぞれ見てみましょう。
イモ
食材名 | さつまいも | さといも | じゃがいも | ながいも |
糖質量 | 29.7g | 10.8g | 8.4g | 12.9g |
※すべて生の状態、100gあたり
イモには糖質の一種であるでんぷんが多く含まれているため、糖質制限中は避けた方が良いでしょう。100gの目安は、さつまいもなら1/3個、じゃがいもなら1/2個程度です。少ししか食べていないつもりでも想像以上に糖質を摂取してしまう可能性があります。
根菜類
食材名 | にんじん | たまねぎ | ごぼう | だいこん |
糖質量 | 6.3g | 7.2g | 9.7g | 2.8g |
※すべて生の状態、100gあたり
サラダや煮物、みそ汁の具などに幅広く使われる根菜類も注意が必要です。根菜には植物の栄養分が蓄積されていることから糖質も多いです。100gの目安は、にんじんなら1/2~2/3本、たまねぎなら1/2個程度です。
調味料
食材名 | フレンチドレッシング | 中濃ソース | こいくちしょうゆ | 本みりん |
糖質量 | 5.9g | 29.9g | 7.5g | 43.2g |
※100gあたり
サラダや肉などそれ自体は低糖質なメニューであっても、ドレッシングなどの調味料をふんだんに使えば糖質の摂取しすぎにつながります。使い過ぎには注意するようにしましょう。
また、和食の味付けに使われることが多いしょうゆ、みりんといった調味料にも糖質は含まれています。糖質制限のためには、塩、こしょうなどシンプルな味付けのメニューを選ぶのがおすすめです。
お酒やジュース
食材名 | 淡色ビール | 缶チューハイレモン風味 | トマトジュース | オレンジジュース(ストレート) |
糖質量 | 3.1g | 2.8g | 3.7g | 10.7g |
※100gあたり
糖質制限に飲料は無関係だと考える人もいます。しかし飲料にも糖質は含まれており、その影響は無視できるものではありません。350mlにつき淡色ビールは10.9g、健康的なイメージのあるトマトジュースですら13.0g程度の糖質を含んでいます。飲み過ぎれば糖質の摂り過ぎにつながる可能性があります。
練り物
食材名 | 焼き竹輪 | さつま揚げ | 魚肉ソーセージ | 蒸しかまぼこ |
糖質量 | 13.5g | 13.9g | 12.6g | 9.7g |
※100gあたり
練り物は魚のすり身を主原料としているため安全だと思ってしまいがちですが、でんぷんや砂糖などが加えられているため意外に糖質を多く含んでいます。また、焼く、揚げるといった工程を減ることで水分量が減り、100gあたりの糖質量はさらに高くなります。100gの目安は焼き竹輪なら3~4本、さつま揚げなら2枚です。
糖質制限ダイエットを成功させるポイント
どうすれば糖質制限ダイエットで痩せられるのでしょうか。成功させるポイントを確認しておきましょう。
糖質1日130g以内を必ず守る
糖質制限をするなら糖質の摂取を控えることは必須です。ゆるい糖質制限であっても糖質の摂取量はおおむね1日130g以内とされており、これをオーバーしてしまうとダイエットを成功させるのは難しくなってしまいます。朝昼晩の食事に使われている食材はもちろんのこと、調味料や間食、飲料に含まれている糖質も意識して、摂取量がオーバーしてしまわないよう心がけましょう。
無理は禁物
月経前などダイエットに不向きな時期に無理をすることは禁物です。ダイエットのために努力するのは素晴らしいことではありますが、無理をし過ぎるとかえってストレスがたまり太る原因になることもあります。無理のないダイエットで健康的に痩せることを目指しましょう。
糖質が多い食材、少ない食材を理解する
糖質制限を実践するためには食材ごとの糖質を理解することが欠かせません。ヘルシーなイメージでも糖質が多い食材や、逆に太りそうなのに低糖質の食材は数多いです。イメージだけで判断するのではなく、正確な知識をもとに食べるものを選択するようにしましょう。そうすることで、糖質制限を成功させられる可能性は高まります。
極端に糖質を0にしない
糖質を控えるのは大切ですが、極端に糖質を0にしてしまうとかえって健康に悪影響を及ぼす可能性があります。最低限の糖質は摂取して健康的に痩せることを心がけましょう。
身体を冷やさないようにする
糖質制限によって糖質以外の栄養素まで摂取量が減少すると、代謝が落ちて身体が冷え、かえって太りやすい体になってしまう可能性があります。健康的な身体を手に入れるためには、糖質以外の栄養素は十分に摂れるようバランスの良い食事が必要です。
間食は控える
糖質制限ダイエットでは間食も可能ですが、何でも食べて良いわけではありません。1日の糖質摂取上限量は決まっており、間食も含めて糖質量が許容範囲に収まっているかを常に把握する必要があります。朝昼晩の食事で上限ギリギリの糖質を摂取しているなら、間食は避けるのが賢明です。
もし朝昼晩の食事で少し多めに糖質を摂取した場合、間食により上昇した血糖値が下がりきっていなければ血糖値が上昇し過ぎる恐れがあります。糖質制限の目的の1つは血糖値を上昇させ過ぎないことですから、このような事態は避けたいところです。その点、間食を控えれば食事以外のタイミングで血糖値が上昇するのを防止でき、糖質制限ダイエットを成功させられる可能性が高まります。
ストレスをためず休養もしっかりととる
仕事や私生活に忙しい女性にとって、ストレスをためないことは困難かもしれません。しかし、糖質制限中にストレスをためてしまうとそれが原因で痩せられない可能性があります。糖質制限を成功させるためには、休養をしっかりとり、精神状態を健康に保つことが大切です。
まとめ
間違った糖質制限は痩せられなかったり健康を害する可能性がありますが、正しい糖質制限のポイントさえ押さえれば健康的にダイエットを成功させられることが期待できます。無理のない糖質制限ダイエットで理想のボディを手に入れましょう!