大根のカロリー・糖質量
一口に大根と言っても、生のものや乾燥させた切り干し大根、かいわれ大根などさまざまな種類があります。それぞれのカロリーと糖質量を確認しておきましょう。
生の大根はカロリー、糖質量ともに低い
根の部分
カロリー | 18kcal |
糖質 | 2.7g |
※皮つき・生、100gあたり
大根の根100gは輪切りで2~3cm分に相当します。おおむねおでんの大根1つ分と考えて良いでしょう。重さのほとんどを水分が占めているため、大きさの割には低カロリーで糖質も少ないです。食べ応えがあり、満足感が味わえるというメリットもあります。
葉の部分
カロリー | 25kcal |
糖質 | 1.3g |
※生、100gあたり
大根の根1本に対しておおむね100gの葉がついています。葉の部分も十分に低カロリー、低糖質だと言って良いでしょう。βカロテンなど、葉の部分ならではの栄養が摂れるのも魅力です。
切り干し大根は乾燥している分カロリー、糖質量が高め
カロリー | 301kcal |
糖質 | 148.4g |
※乾燥状態、100gあたり
切り干し大根は大根の根を乾燥させたものです。水分が減る分ほかの成分が凝縮されるため、カロリー、糖質とも高くなります。特に糖質量は多く、これだけで一般社団法人 食・楽・健康協会が提唱する1日あたりの適正な糖質摂取量(70g~130g)をオーバーします。
ただし、切り干し大根を乾燥したまま食べることはまずありません。調理にあたっては水で戻す必要があります。戻すと約4倍にまでかさが増すため、食事の際に口にする量はもっと少ないと考えて良いでしょう。
かいわれ大根もカロリー、糖質量は低い
カロリー | 21kcal |
糖質 | 1.4g |
※生、100gあたり
かいわれ大根は大根の新芽にあたるものです。小サイズのパック1つ分が約50gに相当し、カロリー、糖質ともごく低いです。1パックをまるごと食べても10kcal、糖質0.7gですから、ダイエットの妨げになる心配はなさそうです。
大根を使った定番料理のカロリー・糖質量
大根自体は比較的低カロリー・低糖質ですが、調理方法によってカロリーや糖質が増えることもあります。ここでは大根を使った定番料理のカロリーと糖質量とを紹介します。
たくあん
カロリー | 64kcal |
糖質 | 111.7g |
※塩押し大根漬け、100gあたり
市販のたくあん製造工程で使われる漬物液には、塩気をやわらげたり発酵が進むのを助けたりするため砂糖などの糖類を加えることが多いです。そのため生のたくあんよりも糖質、カロリーともに増加します。食べ過ぎると良くありませんが、漬物は食べたとしても1食あたり数枚程度のことが多いと考えられるため、それほど気にする必要はないでしょう。
おでんの大根
カロリー | 19kcal |
糖質 | 2.9g |
※100gあたり
おでんの大根は、生の大根の根よりもわずかに糖質が多めです。砂糖やみりん、醤油など調味料に含まれる糖質が大根にしみこむのがその理由です。とはいえ十分に低糖質・低カロリーなので、ダイエット中の強い味方になってくれるでしょう。
ぶり大根
カロリー | 372kcal |
糖質 | 15.0g |
※100gあたり
ぶり大根は大根に加えて高たんぱく高脂質なぶりを煮込んでおり、また味付けも濃い目になりがちなことから、糖質・カロリーとも高くなりやすいです。魚と野菜なのでヘルシーだと考えてしまいがちですが、予想に反して糖質・脂質共に高いため注意した方が良いでしょう。
切り干し大根の炒め煮
カロリー | 86kcal |
糖質 | 7.2g |
※100gあたり
切り干し大根自体にある程度のカロリーと糖質があることに加え、砂糖やみりんなどの調味料を使うためカロリー、糖質ともやや高めです。あっさりして健康的なイメージがありますが、食べ過ぎには気を付けた方が良さそうです。
大根の栄養素
大根には、ダイエットや美容をサポートしてくれるさまざまな栄養素が含まれています。それぞれ見てみましょう。
イソチオシアネート
大根おろしがピリッと辛いのはイソチオシアネートという成分が含まれているためです。イソチオシアネートは抗酸化作用に優れており、体内の活性酸素を除去するはたらきがあります。
また、大根おろしが辛いのに比べてサラダや煮物の大根は辛くないのを不思議に感じたことはないでしょうか。これは、大根にイソチオシアネートそのものが含まれているわけではないのが理由です。大根に含まれているのはイソチオシアネートのもとになる成分にすぎず、すりおろしたり切ったりすることで細胞が壊されて初めてイソチオシアネートが作られます。また、水溶性で熱に弱いという特徴もあるため、水で洗ったり加熱することで辛みが失われます。
ビタミンC
ビタミンCは果物に多く含まれているイメージが強いですが、大根をはじめとして野菜からも摂取が可能です。イソチオシアネートと同じく抗酸化作用があり、美肌にも効果的だと言われています。水溶性で熱に弱いところもイソチオシアネートと同様です。
アミラーゼ
アミラーゼとはでんぷんを分解する酵素で、人間の唾液などにも含まれています。消化をスムーズにし、胃もたれを防ぐ効果が期待できます。
このほか、タンパク質分解酵素や脂質分解酵素も大根には豊富に含まれています。油っこいものと一緒に大根おろしを食べるとさっぱりするのは、大根おろしの風味による効果のほか、これらの酵素によって消化が促進されることも関係していると言えそうです。
食物繊維
食物繊維は食後の血糖値上昇を穏やかにするはたらきがあります。血糖値が急激に上がるとインスリンというホルモンが多く分泌され、中性脂肪の増加を招きます。食物繊維を積極的に摂取することで新たに脂肪がつくのを防ぐ効果が期待できます。
また、ダイエット中は食事量が減りお通じが滞ってしまいがちです。食物繊維は便のかさを増す効果もあり、お通じを良くするためにも有効です。
カリウム
ダイエットしたい人の中にはむくみが気になっている人も少なからずいるのではないでしょうか。むくみの原因は水分ですが、塩分も関係していると言われています。塩分を摂り過ぎると体内の塩分濃度が高まり、それを薄めるためにより多くの水分を欲するようになってしまうのです。
むくみを解消するために効果が期待できるとされているのが大根に含まれるカリウムです。カリウムには体内の塩分濃度を調節し、余計な塩分を排出するはたらきがあります。体内の塩分が減少すれば水分も必要なくなり、むくみ解消が期待できます。
ダイエットに適した大根の食べ方
ダイエット中に嬉しい大根ですが、最大限に効果を発揮させるためにはどのように食べるのが効果的なのでしょうか。ここではダイエットに適した大根の食べ方を紹介します。
皮ごと大根おろしがおすすめ
イソチオシアネートやビタミンC、アミラーゼなどを有効に摂取するには大根おろしが最適です。これらはいずれも熱に弱いため、生で食べる必要があります。
また、大根の中でも栄養が多いのは皮やそれに近い部分です。皮をむいてしまうと摂取できる栄養量が大きく減少してしまうため、皮ごとおろすと良いでしょう。
さらに、大根は水分が多く、おろすと汁が多く出ます。汁を捨てて身の部分だけを食べることが多いでしょうが、栄養面から見るとこれはとてももったいないです。汁にもたくさんの栄養が溶けだしているため、汁ごと食べるのがおすすめです。
味付けはあっさり
大根そのものは低糖質・低カロリーでも、砂糖やみりんなどの味付けによって高糖質・高カロリーになり得ます。また、濃い味だとごはんが欲しくなったり、食欲を増進させ食べ過ぎてしまう原因にもなります。ダイエットのためにはあっさりした味付けを心がけると良いでしょう。
生の大根や切り干し大根で満腹中枢を刺激しよう
よく噛んで食べると満腹中枢が刺激され、少しの食事量でも満腹感を得られることが知られています。シャキシャキとした生の大根や、コリコリとした切り干し大根はよく噛まないと飲み込めないので、食べ過ぎ防止にぴったり。積極的に食事に取り入れてダイエット成功を目指しましょう。
大根をおいしく食べるための選び方と保存方法
せっかく大根を食べるならおいしいものが良いですよね。良い大根の選び方と保存方法を確認しておきましょう。
良い大根の見分け方
大根はスーパーなどで1年を通して手軽に購入できます。どれも同じように見えてはいないでしょうか?数ある大根の中からとっておきを選ぶための方法を紹介します。
皮にハリとつやがあり重みがある
皮にハリとつやがある大根はそれだけで美味しそうに見えるものです。水分をたっぷり蓄えた新鮮なものである証拠ですから、積極的に選びましょう。また、持ったときにずっしり重みがあるものも水分を多く含んでいると考えられるためおすすめです。
ひげ根が少なく穴が浅い
生育環境が整っていない状態で育った大根はひげ根の数が多く、穴が深くなりやすいです。土中の水分や栄養を吸い上げるためにそれだけひげ根を生長させる必要があったということであり、根や葉の部分に十分な栄養が行き届いていない可能性があります。
これと反対に、良い環境のもとで育った大根は、ひげ根をそれほど生長させなくても十分に水分と栄養を吸収することができたでしょう。余計なストレスがない分、味も良いものと考えられます。
葉つきの場合は葉が色鮮やかでピンとしている
葉つきの大根は葉の状態までチェックしましょう。葉が色鮮やかでピンとしているものは生育状態が良く新鮮であると判断できます。根の部分もおいしく食べることができそうです。
部位によって味が異なる
1本丸ごとでは量が多すぎるという場合、あらかじめカットされているものを購入する方法もあります。その場合、部位によって味が異なるので使い道に合わせて選ぶと良いでしょう。
葉に近い部分は甘みが強く、サラダや漬物に適しています。先端部分はこの逆で、辛みが強くてやや硬めです。先端部分を利用すればピリッと辛い大根おろしを作ることができます。これらの間に当たる中央部分はほどよい硬さと甘みがあり、煮物などに適しています。
おすすめの保存方法
大根は葉の部分から水分や栄養が失われると言われています。購入後は葉の部分を早めに切り離すようにしましょう。葉は長く持たないため、早めに使い切ってしまうのがおすすめです。
また、根の部分は新聞紙で包んで風通しの良い冷暗所に立てておきましょう。使いかけやカットされている大根の場合は切り口から水分が失われる恐れがあるため、ラップで包んで冷蔵庫に入れておくと安心です。
大根を使った低糖質レシピ
低糖質 さっぱり生揚げ焼き
出典:クックパッド
カロリー | 100kcal |
糖質 | 0.2g |
値段 | 70円 |
※一人分あたり
ほとんど糖質がなく、簡単に手早く作ることができます。
材料 (3人分)
- 生揚げ2枚
- ミョウガ1パック
- 大根おろし適量
- ポン酢適量
作り方
- 生揚げを魚焼きグリルで焼く。
- 生揚げを食べやすい大きさにかっとする。
- みじん切りしたミョウガ、大根おろしを乗せ、ポン酢をかける。
水菜と大根のやみつきサラダ
出典:クックパッド
カロリー | 49.2kcal |
糖質 | 2.6g |
値段 | 60円 |
※一人分あたり
シャキシャキ感がありあっさりと食べられます。合わせる水菜はビタミンBも豊富でヘルシーなサラダです。
材料 (2人分)
- 水菜1/2袋(約100g)
- 大根3cm(約100g)
- 板海苔1枚
- 鶏がらスープの素小さじ1
- ごま油小さじ1/2
- いりごま適量
作り方
- 水菜は3cmに切る。大根は細切りにする。海苔はちぎる。
- 全ての材料をよく混ぜて完成!
低糖質☆大根の筑前煮
出典:クックパッド
カロリー | 190kcal |
糖質 | 4.5g |
値段 | 145円 |
※一人分あたり
糖質の高い根菜類の代わりに、糖質の低い大根や、こんにゃくを使うことでボリュームがありながら低糖質なメニューとして食べることができます。
材料 (4人分)
- 鶏もも肉大1枚
- 大根300g
- 人参1/2本
- こんにゃく1枚
- こんにゃくを揉む塩大さじ1
- こんにゃくを茹でる水適量
- ごま油小さじ1
- だし汁200㎖
- ラカントS小さじ2
- 塩小さじ1/5
- 醤油大さじ1
- 小口切りのネギ(あれば)適量
作り方
- こんにゃくはスプーンで1口大にちぎっておきます
- ボウルに入れ塩をまぶして1分程揉んで臭みを取る
- 塩を水で洗い流して水切りをする
- 鍋にこんにゃくを入れ,被るくらいの水を入れて中火で火にかけ,沸騰したら2~3分茹でる
- ザルで水を切って冷ましておく
- 大根は皮を剥き縦に4等分に切る(剥いた皮はきんぴらやお味噌汁にでも使って下さい)
- 大根をくるくる回しながら乱切りにする
- 人参はよく洗って皮付きのまま細い方からくるくる回しながら乱切りにする
- 鶏もも肉はサッと水洗いしキッチンペーパーで水気をしっかり拭き取る(臭みの気にならない方は洗わなくても大丈夫☺)
- 縦に3等分に切り,1本を4等分に切ると1口大の大きに揃います
- 材料の準備が出来ました
- フライパンにごま油を入れ中火にかけ,鶏もも肉を皮目の方から焼いていく
- 鶏肉が白くなったら残りの食材も加え,全体に油が馴染む様に2~3分炒める 時々混ぜるくらいでいいのでこの間に洗い物を!
- だし汁を加える
- ラカントSを加える
- 塩を加える
- 醤油を加える
- ひと混ぜして蓋をし,煮立ったら10~12分煮る 途中,時々上下を返しながら煮る
- 大根に火が通ったら完成
- 器に盛りあれば小口切りのネギを散らす
まとめ
大根は生、煮る、焼くなどさまざまな調理が可能であり、合わせる食材や味付けのバリエーションも豊富という便利な食材です。さらに、生の大根はカロリーや糖質も低く、ダイエットに効果的な栄養も含んでいることから、上手に利用すれば満足感ある食事をしながら痩せられることが期待できます。ぜひ大根の力を借りて理想の身体を手に入れてください!
この記事に登場した専門家