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そもそも糖質制限ダイエットとは?
ここでは、糖質制限ダイエットがどのようなものなのかについて、簡単におさらいしておきましょう。
主に炭水化物を制限する
糖質制限ダイエットとは、毎日の食事から糖質を制限する方法です。糖質は主に炭水化物に含まれているので、毎日主食にしているご飯やパン、麺類などのタンパク質を制限することになります。
もともとはメタボ対策などの食事療法で利用されてきたものですが、効率的に減量できる方法ということで大流行しました。糖質制限ダイエットは減量しやすいだけでなく、炭水化物など糖質を制限するだけでカロリーを制限する必要がないので、成功しやすいというのも人気の秘密です。
タンパク質をたくさん食べる
糖質制限ダイエットでは、糖質を制限する代わりにタンパク質をたくさん摂ることが必要になります。糖質は体にとってエネルギー源になるものですが、制限することでエネルギーが不足してしまいます。そのままでは筋肉がエネルギー消費され、衰えてしまうことにも。代謝が衰えて太りやすい体質になってしまいます。そうならないように筋肉の材料になる良質のタンパク質をたくさん摂り、筋力を保持する必要があるのです。
糖質制限ダイエットをすると便秘になりやすい理由
糖質制限ダイエットを始めた人の中からは、便秘になったという報告が寄せられることがけっこうあります。糖質制限ダイエットをすると、どうして便秘になりやすいのでしょうか?
炭水化物に含まれる食物繊維の摂取が減る
糖質制限ダイエットで制限する炭水化物は、糖質と食物繊維が含まれています。ごはんは100g中0.3g、パンは100g中2.3gの食物繊維が含まれていて、これらを摂らないことで今まで摂取してきた食物繊維が少なくなることになります。食物繊維は腸の働きを活発にして便通を促すもので、不足するとどうしても便秘になりやすくなってしまうのです。
また、炭水化物を制限すれば全体の食事摂取量も減りやすく、便の量も減ることになります。それも便秘になる要因のひとつです。
野菜をあまり摂らない
糖質制限ダイエットでは、これまで炭水化物で摂取してきた食物繊維が減る分、野菜など食物繊維の多いものを意識的に摂る必要があります。しかし、タンパク質をたくさん摂ることばかり注目されて、野菜を多く摂る人は少なめです。そうなるとどうしても食物繊維が不足してしまい、便秘になりがちです。
食物繊維の1日必要摂取量
そもそも、食物繊維はどのくらい摂らないといけないのでしょうか?データをもとに検証してみましょう。
一般的に摂取量は足りていない
もともと、日本人は食物繊維の摂取が不足しているのが実情です。厚生労働省の基準では、食物繊維の1日あたりの摂取は男性で20g以上、女性は18g以上とされています。しかし、2018年の調査によると実際の摂取量は、10代から40代の平均で約15g以下と報告されています。
通常でも足りていないところに、炭水化物を食べないことでさらに不足してしまっているというわけです。
糖質制限ダイエット中に便秘にならない方法
糖質制限ダイエット中に便秘をしてしまうと、ダイエットの妨げになる場合もあります。便秘は内臓の機能を低下させ、代謝が衰える原因になるもの。頑張ってダイエットしても、痩せづらくなる可能性があります。
ここでは、糖質制限ダイエット中でも便秘にならないようにする方法について紹介しましょう。
タンパク質は大豆製品を多めに摂る
豆腐や納豆など、大豆製品を多く取り入れることが便秘の予防になります。
糖質制限ダイエットでは糖質を制限する分、タンパク質をたくさん摂ることが推奨されます。タンパク質というとどうしても肉類ばかりに偏りがちになりますが、これがそもそも便秘のもと。動物性タンパク質の中でも特に肉類は悪玉菌のエサになりやすく、腸内環境を悪化させる原因になるのです。
同じタンパク質でも大豆製品は食物繊維が豊富で、適度に取り入れることで栄養バランスも良くなります。特に食物繊維の多いおからはおすすめです。
野菜はなるべく加熱してカサを減らす
食物繊維を多く摂るには野菜をたくさん食べることが必要になりますが、生野菜はカサが多く、大した量の食物繊維を摂ることができません。野菜は茹でる・蒸す・煮るなど加熱することでカサが減り、食物繊維をたくさん摂ることができます。
調理するときは、具沢山のスープや味噌汁にするのがおすすめ。食物繊維をたくさん摂ることで腹持ちも良くなり、ダイエット成功につながりやすくなります。
不溶性食物繊維と水溶性食物繊維をバランス良く摂る
食物繊維には水溶性と不溶性の2種類あり、それぞれ働きが違います。水溶性食物繊維は食事で摂った糖質の吸収を穏やかにして、食後の血糖値の急上昇を防ぐもの。さらにコレステロールを吸収して体外に排出する働きもあります。
不溶性食物繊維は水分を吸収して便の量を増やすので、排便を促して便秘を予防・改善する作用があります。水溶性、不溶性はどちらか一方に偏るのではなく、水溶性 1:不溶性 2 ぐらいのバランスで摂るのが体に良いとされています。水溶性食物繊維は主に果物、海藻類、芋類に多く、不溶性食物繊維は豆類やきのこなどに多く含まれています。糖質量も考えながら、これら食材をバランス良く摂るようにするといいでしょう。
糖質を摂るときは食物繊維が多いものを選ぶ
糖質制限ダイエットでもまったく炭水化物を摂らないのではなく、脳や体のエネルギー源として適度な量は摂る必要があります。その際は、なるべく食物繊維が多くて血糖値が上昇しづらいもの(GI値の低いもの)を選ぶようにしましょう。
白米ではなく玄米や雑穀米、白いパンではなく全粒粉パン、うどんよりも蕎麦を選ぶなど工夫することで、食物繊維の摂取を増やすことができます。芋類は糖質量が多めですが、適切な量を摂ることで食物繊維や栄養を上手に摂ることができます。
発酵食品を多く食べる
腸の善玉菌を増やして腸内環境を良くするためには、発酵食品を多く食べることもおすすめです。発酵食品には乳酸菌をはじめとして、腸に腐敗物質が増えるのを抑える善玉菌が豊富に含まれています。ヨーグルトやチーズ、味噌や漬物、酢の物などを毎日の食事に取り入れることで腸内環境が改善され、便秘を防ぐことができるでしょう。
専門家厳選!糖質制限ダイエット中に便秘を予防できるおすすめレシピ
この見出しに登場する専門家

この項目では、専門家が厳選した便秘予防のレシピを紹介します。
便秘を予防する料理のレシピ
糸こんにゃくとピーマンのごま炒め

画像引用元:クックパッド
材料:2人分
- 糸こんにゃく:200g
- ピーマン:3個
- ごま油:大さじ1
- 醤油:大さじ1
- すりごま:大さじ2
(カロリー262kcal・糖質量3g・値段180円)
作り方
- 糸こんにゃくはざるにあけてよく流水で洗う
- 食べやすい長さ(うちでは3〜4センチ)に切って水切りをしておく
- ピーマンは細さ2〜3ミリの千切りにしておく
- フライパンにごま油を引いて中火で熱し、糸こんにゃくを入れて右回りで炒める
- ブクブクと泡が出なくなるまで炒めること
- ピーマンを加え、ピーマンがしんなりするまでさらに炒める
- 一旦弱火にして醤油を加え、汁気が無くなるまで加熱する
- 火を止めたら最後にすりごまを入れ、よく混ぜ合わせてできあがり
おすすめポイント
こんにゃくは低糖質でノンカロリー。食物繊維たっぷりです。これにピーマンの食物繊維も加わり、糖質制限ダイエット中の便秘の予防・解消に最適な一品になります。

参考:クックパッド
刻みオクラもずく酢

画像引用元:クックパッド
材料:3〜4人分
- オクラ:1ネット
- もずく酢:1パック
- 酢:大さじ1
(カロリー 34kcal・糖質量1g・値段150円)
作り方
- オクラを生のままみじん切りにする
- 保存容器にすべての材料を入れ、ぐるぐる混ぜてできあがり
おすすめポイント
生のオクラを刻んで混ぜるだけの簡単レシピです。糖質もカロリーも少ないので、安心して食べられます。食前に食べれば、便秘解消効果が期待できますよ。

参考:クックパッド
キウイのマリネ

画像引用元:クックパッド
材料:1〜2人分
- キウイ:2つ
- オリーブオイル:大さじ1.5
- すし酢やかんたん酢など(甘みのあるお酢):小さじ2
- ブラックペッパー:好きなだけ
(カロリー 270kcal・糖質量10.2g・値段190円)
作り方
- キウイを角切りに切る
- オリーブオイルをかけて和える
- 好きな酢をかける
- 最後にブラックペッパーをかけてできあがり
おすすめポイント
甘めの酢がない場合は普通の酢に蜂蜜を足すのもおすすめです。キウイは食物繊維やビタミンCが豊富で、便秘にも美容にも効果満点。オリーブオイルにも高い便秘解消効果があります。

参考:クックパッド
新玉ねぎのバターしょうゆ

画像引用元:クックパッド
材料:1人分
- 新玉ねぎ:1個(小〜中サイズ)
- バター:8g
- しょう油:適量
(カロリー130kcal・糖質量13g・値段70円)
作り方
- 新玉ねぎを軽く洗って皮をむき、頭とおしりを包丁でカットする
- ラップで全体を包む
- 電子レンジに入れ、600Wで6分加熱する
- ラップを取り、新玉ねぎの頭に包丁で十字に切り込みを入れて熱いうちにバターをのせる
- 醤油をかけてできあがり
おすすめポイント
春先に出回る新玉ねぎを使ったレシピです。玉ねぎは水溶性食物繊維とオリゴ糖がバランスよく含まれていて、便秘解消にはぴったりの食材です。血液サラサラ効果や美肌効果も期待できますよ。ただし、玉ねぎは糖質高めなので、できるだけ小さめのもので作るようにしましょう。

参考:クックパッド
めかぶ納豆とキムチ

画像引用元:クックパッド
材料:1人分
- めかぶ:1パック
- 納豆:1パック
- キムチ:適量
- お好きな油(ごま油、亜麻仁油、えごま油、MCTオイル):大さじ1
- 酢大さじ:1〜1.5
(カロリー242kcal・糖質量4g・値段150円)
作り方
- すべての材料を混ぜて、できあがり
おすすめポイント
材料を混ぜるだけという、超簡単なレシピです。発酵食品の納豆と水溶性食物繊維のめかぶは最強の組み合わせ。亜麻仁油など、熱に弱い油も簡単に摂取できるのも魅力です。

参考:クックパッド
便秘を予防するおやつのレシピ
おから蒸しケーキ

画像引用元:クックパッド
材料:タッパーひとつ分
- 生おから:120g
- 卵:2個
- バナナ:1本(小さければ2本)
(カロリー393kcal・糖質量24g・値段 150円)
作り方
- 卵2個をタッパーに入れて溶く
- 溶き卵の入ったタッパーにおからを入れ、ぐるぐるかき混ぜる
- 卵とおからがしっかり混ざったら、バナナを潰しながら入れてぐるぐる混ぜる
- 生地を平らに整え、500Wのレンジで5分加熱する
- 加熱が終わったそのまま2分レンジの中で放置する
- タッパーから取り出して完成
おすすめポイント
食物繊維がたっぷり摂れて、腹持ちもいい低糖質ケーキです。卵のタンパク質も摂れるので、糖質制限ダイエット中のおやつに最適。バナナがあまり甘くない場合、糖質オフの甘味料か蜂蜜を適量加えるといいでしょう。蜂蜜の場合、入れすぎには注意してください。

参考:クックパッド
バナナ&キウイ食べるスムージー

画像引用元:クックパッド
材料:1人分
- 冷凍バナナ:1本
- キウイフルーツ:1個
- 牛乳:150~200cc
- グラノーラ:適量 (お好みで)
(カロリー 250kcal・糖質量38g・値段190円)
作り方
- 冷凍バナナ、キウイフルーツ、牛乳をミキサーに入れてスイッチを入れる
- 滑らかになったらできあがり
- お好みでグラノーラをのせる
おすすめポイント
忙しい朝でも、材料をミキサーにかけるだけで簡単にできるスムージーです。冷凍バナナは皮をむいて6等分くらいにちぎり、ラップで包んで冷凍しておきましょう。冷凍保存しておくことでいつでもすぐにスムージーが作れるようになり、ミキサーでもよく混ざりやすくなります。

参考:クックパッド
きな粉オイルヨーグルト

画像引用元:クックパッド
材料:1人分
- ヨーグルト:大さじ5
- きな粉:大さじ2
- はちみつ:大さじ1
- オリーブオイル:大さじ1/2〜1
(カロリー227kcal・糖質量22.7g・値段60円)
作り方
- 器にヨーグルトを盛り付け、きな粉・はちみつ・オリーブオイルを入れる
- すべてを混ぜ合わせて、できあがり
おすすめポイント
発酵食品のヨーグルトに食物繊維たっぷりのきな粉、便秘解消効果のあるオリーブオイルという、最強の組み合わせです。エキストラバージンオリーブオイルを使うのがおすすめ。オリーブオイルは1日大さじ1杯摂るといいとされてますが、入れ過ぎると味にクセが出てしまうので注意しましょう。

参考:クックパッド
まとめ
糖質制限ダイエットをしていると、どうしても便秘になりやすくなります。特に肉類ばかりに偏っていると、その傾向が強くなるでしょう。肉類も適度に摂ることは必要ですが、そればかりに偏らず、他のタンパク質もバランス良く食べるようにしましょう。魚介類は体にいい脂質を摂ることができ、大豆製品は食物繊維がたくさん摂れます。
専門家おすすめのレシピも参考に、便秘を防いで糖質制限ダイエット中を成功させてください!