記事の目次
筋肉が増えるメカニズムを知っておこう
筋トレを行う頻度はどのぐらいがベストなのか知るためには、筋トレによって筋肉が増えるメカニズムを理解することが大切です。簡単に説明しましょう。
トレーニングで筋肉を破壊
筋トレによって普段使わない筋肉に強い刺激を与えると、筋繊維が破壊されます。これは筋肉を増やすために必要なステップ。筋トレを始めた当初に起こりやすい筋肉痛は、この筋繊維の破壊によって起こるもの。筋トレの効果が上がっているひとつの目安になります。
栄養を補給して筋肉を回復
損傷した筋繊維を回復させることが、第2のステップです。筋肉はタンパク質を材料に作られるので、十分に補給することが大切。タンパク質だけでなく、糖質や脂質をしっかり摂ることも重要なポイントです。
ダイエットのためにこれら糖質や脂質を制限しがちですが、どちらも体のエネルギー源として必要なもの。不足すると体はエネルギー源としてタンパク質を消費してしまうので、筋肉の回復や増強が遅れてしまいます。
糖質や脂質をエネルギーに変えるためには、サポートする栄養素のビタミン・ミネラルも必要です。栄養バランスのとれた食事をすることが、筋肉を回復させて筋トレの効果を上げる必須事項になります。
休息で回復をサポート
損傷した筋繊維の回復には、十分な休息も必要です。筋繊維が損傷したままでさらに負荷をかけてしまうと、筋肉が増える前にまた筋繊維が壊れてしまうことに。頑張って毎日筋トレするのは逆効果になってしまいます。
そのため、トレーニングは1日おきに行うなど、休息を入れることが必要です。特に睡眠は筋肉の回復に大切な要素。睡眠中は成長ホルモンの分泌が多くなる時間帯で、質の良い睡眠をとることで筋肉の修復と再合成がスムーズに行われます。
専門家に聞いた!初心者に最適な筋トレの頻度は?
筋肉が増えるメカニズムを考えれば、トレーニングで損傷した筋肉の回復するために休息期間を置くことが必要です。初心者の場合、どのくらいの頻度で行うのがベストなのか、専門家の意見を聞いてみました。
週2~3日が理想的
筋トレは一般的に筋肉に負荷を集中する運動なので、初心者は十分な回復時間を設ける必要があります。アスリートの場合でも、連続して筋トレは行いません。1日に60分〜90分ほどの筋トレを行いながら、疲労の回復を見つつ1週間のトレーニング計画を立てています。

部位ごとに行うなら毎日でもOK
全身の筋トレを行う場合は週に2〜3日がベストですが、違う部位ごとにトレーニングするなら毎日のトレーニングも可能です。ペースを保つために毎日トレーニングしたいという人は、違う部位ごとに行うトレーニングメニューを組みましょう。曜日ごとに鍛える部位を変えることで各部位の筋肉を休めることができ、効率的にトレーニングすることができます。
ただし、毎日行う場合でも、最低週1回の休息日は必要。休息日を入れないと体が疲れてしまい、長続きしなくなるからです。
毎日行う場合のスケジュール例
部位別に毎日トレーニングを行う場合のスケジュール例を紹介します。
トータルに鍛えるスケジュール
トータルに全身を鍛えたい人は、腕を鍛える日、上半身を鍛える日、下半身を鍛える日の3つに分けてトレーニングするのがおすすめ。それぞれ2日の休息を入れたスケジュール例は、次の通りです。
月曜日 | 腕を鍛えるトレーニング |
火曜日 | 上半身を鍛えるトレーニング |
水曜日 | 下半身を鍛えるトレーニング |
木曜日 | 腕を鍛えるトレーニング |
金曜日 | 上半身を鍛えるトレーニング |
土曜日 | 下半身を鍛えるトレーニング |
日曜日 | 休息日 |
下半身を重点的に鍛えるスケジュール
「下半身太りを解消したい」「美脚になりたい」という人には、下半身を重点的に鍛えるスケジュールがおすすめです。下半身を鍛えるメニューに加え、大胸筋や腹筋を鍛えるトレーニングを加えることでメリハリのあるボディに。ジョギングなど有酸素運動を行う日を設けて、脂肪燃焼効果を高めるスケジュール例です。
月曜日 | スクワット、レッグレンジなど下半身を鍛えるトレーニング |
火曜日 | 大胸筋、腹筋を鍛えるトレーニング |
水曜日 | 有酸素運動 |
木曜日 | スクワット、レッグレンジなど下半身を鍛えるトレーニング |
金曜日 | 大胸筋、腹筋を鍛えるトレーニング |
土曜日 | 有酸素運動 |
日曜日 | 休息日 |
トレーニングの頻度は状況に応じて変えよう
週に2〜3回はあくまで一般的に理想的な頻度で、状況によってベストな頻度は異なります。個々の状況に応じて調整しましょう。例外になる一例を紹介します。
筋肉痛がひどい場合
筋トレを開始した当初はどうしても筋肉痛が起きやすくなります。ひどい筋肉痛でなかなか痛みが取れない場合は、治るまでトレーニングを見合わせましょう。痛みが取れないのにトレーニングしてしまうと、筋繊維はさらに壊されてしまいます。それが何回も繰り返されると筋肉が増えないばかりか、縮小してしまう可能性もあるでしょう。
運動不足の人
これまでほとんど運動していなかった人は、週1回程度にとどめて徐々に回数を増やしていくのがおすすめです。運動不足の人がいきなり筋トレをするとひどい筋肉痛になりやすく、体へのダメージも強くなります。
痛みがひどいと、続けるモチベーションも失いやすいでしょう。筋トレの成果はすぐに現れません。初めからたくさんのメニューをこなそうとせず、ゆっくり確実に取り組むことも大切です。
筋肥大を目的にする場合
筋肥大を目的にする場合も、損傷した筋肉を回復させる時間は必要です。急ぐあまり休息を入れずに続けると、逆効果になることも。トレーニングする日の間隔をおくことを心がけましょう。
ダイエット目的なら有酸素運動も取り入れよう
ダイエット目的で筋トレを行う場合は、ウォーキングやジョギング、水泳などの有酸素運動を取り入れるのもおすすめです。筋トレは筋肉を増やすことで基礎代謝を上げ、痩せやすい体質になれますが、脂肪燃焼をメインにするものではありません。脂肪燃焼効果の高い有酸素運動を一緒に行うことで早く脂肪を燃焼させ、ダイエット効果を早めることができます。
有酸素運動は毎日行ってもOK
無酸素運動の筋トレは筋肉中にある糖質をエネルギー源にして行う運動。短時間で筋肉に強い負荷をかけるのが特徴です。一方、有酸素運動は時間をかけて軽めの負荷をかけ続ける運動で、一定の時間を過ぎると体に溜まった脂肪がエネルギー源として消費されます。
有酸素運動は筋肉への負荷が軽いので筋繊維の損傷が起こらず、毎日行っても大丈夫。筋トレを行わない日に有酸素運動を行うか、筋トレの前に軽く有酸素運動を行うなどして併用することで、脂肪燃焼しやすくなり筋トレの効果もアップします。
有酸素運動を取り入れた場合のスケジュール例
筋トレの前と休息日に有酸素運動を行う
週に2回の全身の筋トレと、ジョギングやウォーキングを組み合わせたスケジュールです。行う有酸素運動の種類や時間は、自分に合うように調整してください。
月曜日 | ジョギング20分/筋トレ30分 |
火曜日 | 休息日 |
水曜日 | ジョギング30分 |
木曜日 | ジョギング20分/筋トレ30分 |
金曜日 | 休息日 |
土曜日 | ウォーキング40分 |
日曜日 | 休息日 |
有酸素運動とストレッチを取り入れる
有酸素運動とストレッチを組み合わせ、より効率的に筋トレを行うスケジュールです。運動前にストレッチを行うことで筋肉の温度が上がり、筋トレのパフォーマンスがアップ。トレーニング中の怪我の予防にもなります。また、筋トレ後にストレッチを取り入れることで、疲労回復を早め筋肉痛を少なくすることも可能です。
月曜日 | ウォーキング20分/ストレッチ5分/筋トレ30分/ストレッチ |
火曜日 | 休息日 |
水曜日 | 休息日 |
木曜日 | ウォーキング20分/ストレッチ5分/筋トレ30分/ストレッチ |
金曜日 | 休息日 |
土曜日 | 休息日 |
日曜日 | ウォーキング50分 |
部位別・ダイエットに効果的なトレーニング
ダイエット目的で筋トレを行う場合におすすめのメニューを紹介します。部位別に日替わりで行う場合は毎日でもOK。全部のメニューを行う場合は、2日おきにするなど休息期間をとりましょう。
大きい筋肉から鍛える
効率的にトレーニングを行うには、大きい筋肉から鍛えることがポイント。大きい筋肉から鍛えることで効果がほかの部位にも影響し、同時に鍛えることができるからです。
また、大きい筋肉のトレーニングは小さい筋肉よりも体力が必要になるので、小さい筋肉を先に鍛えて疲れてしまうと体力を消耗してしまい、大きい筋肉のトレーニングができないことになります。大きな筋肉は、体力が十分にあるトレーニング開始時に鍛えるのが効率的です。
全身の70%の筋肉は下半身にあり、特に大きい筋肉は下半身に集中しています。そのため、下半身を鍛えるトレーニングを先に行うのが効率よくトレーニングを行うコツになります。
下半身を鍛えるトレーニング
まずは、下半身を鍛えるトレーニングで代表的な2つのメニューを紹介します。
スクワット
下半身を鍛えるトレーニングの代表的なものがスクワット。場所をとらず、初心者でもやりやすいトレーニングメニューです。
- 足を肩幅に広げてまっすぐに立つ
- 足先をやや外側に向け、膝も同じ方向に向ける
- 背中をまっすぐにして、ゆっくりと腰を落とす
- 太ももと床が平行になるまで下げる
- ゆっくり元の姿勢に戻る
- 同じ動作を10回繰り返して1セット
セット間に30秒程度の休憩を入れ、3セット行います。最初で辛い場合は、1セットからでOK。重心はかかとにかけ、膝をつま先よりも前に出さないことがポイントです。
レッグランジ
レッグランジはお尻と太ももの筋肉を鍛えるトレーニング。下半身をスッキリ引き締めて、スリムなパンツもかっこよく履きこなすことができます。
- 足を肩幅ぐらいに開いて立つ
- 手は頭の後ろで組む
- 片足を大きく前に出して、体を真下に下げる
- 顔は前に向け、背筋をまっすぐに伸ばす
- 開いた足で地面を押し出すように元に戻る
- 反対側の足も同様に行う
両足10回を1セットにして、30秒程度の休憩を入れて3セットほど行います。
上半身を鍛えるトレーニング
上半身は下半身よりもたくさんの筋肉が絡み合っているので、部位を意識することで効率的なトレーニングができます。
ノーマルプッシュアップ
誰もが知っている腕立て伏せです。胸の筋肉と体幹を鍛えるメニューで、肩や腕の筋肉も同時に鍛えることができます。正しいフォームで行わないと効果がなくなり、体を傷める原因にもなるので注意しましょう。
- うつ伏せに寝る
- 腕は肩幅よりこぶし2つ分ほど外側に開く
- 手のひらを床につけて肘を伸ばす
- 足を伸ばし、つま先だけ床につける
- 腕とつま先で体を支え、足から首まで一直線にする
- 目線は1メートル先を見る
- 肘をゆっくり曲げながら、体を下ろす
- 限界まで下げ、1秒間キープ
- ゆっくりと戻る
- 10回繰り返す
10回を1セットにして、30秒の休憩を入れて3セットを目安に行ってください。回数よりも正しいフォームで行うことが大切。最初は回数を意識せず、正しい動作で行うことを重視しましょう。
クランチ
腹筋を鍛える基本的なトレーニングメニューです。肩に力を入れすぎず、腹筋を意識して行いましょう。
- 仰向けになり、両膝を90度に曲げる
- 息を吐きながらゆっくり上体を持ち上げる
- 息を吸いながらゆっくりと上体を下ろす
反動をつけずにゆっくりと行うのがポイント。10回を1セットに、30秒の休憩を入れて3セット行います。
まとめ
筋トレを始める場合、行う頻度には注意しましょう。筋肉が増えるメカニズムを考え、十分な休息をとるようにしてください。栄養バランスのとれた食事と質の良い睡眠も大切。上手にスケジュール管理することが、筋トレを長く続けて効果を発揮するコツになります。