牡蠣は糖質・脂質・カロリーが低いダイエット向き食材
牡蠣はその美味しさからは意外に感じられるほどヘルシーなダイエット向き食材です。実際の数字を確認しておきましょう。
牡蠣の糖質・脂質・カロリー
牡蠣 | |
カロリー | 70kcal |
タンパク質 | 6.9g |
脂質 | 2.2g |
糖質 | 4.9g |
※100gあたり
牡蠣は1粒あたり15~20g程度です。4,5粒食べてもたったの70kcalにしかならず、カロリーは低いと言えます。さらにタンパク質が豊富で脂質は少なく、ダイエットに適している食材です。糖質はややあるものの、それほど高いわけではありません。食べ過ぎなければ問題ない程度だと言えるでしょう。
牡蠣が優れた食材であることはダイエットの味方、豆腐と比較してみても分かります。
牡蠣 | 絹ごし豆腐 | |
カロリー | 70kcal | 62kcal |
タンパク質 | 6.9g | 5.3g |
脂質 | 2.2g | 3.5g |
糖質 | 4.9g | 1.1g |
※100gあたり
牡蠣のカロリーは絹ごし豆腐とそれほど変わりません。糖質だけは牡蠣の方が多いですが、豆腐よりも高タンパク低脂質であり、筋肉が減ってしまうのを防ぎながらダイエットするために効果的です。
他の貝類と比較するとカロリー、糖質とも高め
かき | ほたて | しじみ | あさり | |
カロリー | 70kcal | 72kcal | 64kcal | 30kcal |
タンパク質 | 6.9g | 13.5g | 7.5g | 6.0g |
脂質 | 2.2g | 0.9g | 1.4g | 0.3g |
糖質 | 4.9g | 1.5g | 4.5g | 0.4g |
※100gあたり
牡蠣は貝類の中ではカロリー、糖質とも高めであることが分かります。ほたてやしじみは牡蠣と同じ程度のカロリーがありますが、脂質や糖質は牡蠣よりも低いです。
とはいえ、貝類は全体的に低カロリー低糖質です。牡蠣の糖質やカロリーが高めであるとは言っても、それほど気にかける必要はないでしょう。
牡蠣を使った料理の糖質・脂質・カロリー
牡蠣水煮 | 牡蠣フライ | 牡蠣くん製油漬缶詰 | |
カロリー | 105kcal | 262kcal | 298kcal |
タンパク質 | 9.9g | 7.6g | 12.5g |
脂質 | 3.6g | 11.1g | 22.6g |
糖質 | 7.1g | 32.9g | 11.2g |
※100gあたり
牡蠣は水煮にすることで水分が減り、100gあたりのカロリーや糖質は高くなります。とはいえそれほど大きな変化ではなく、煮るからといって特別に気にする必要性は低いと言えます。
牡蠣フライは牡蠣を使った料理の中でも鉄板です。ミックスフライの具材の1つとして使われることも多く、特に牡蠣を目当てとしていなくとも食べる機会が多いメニューです。しかし、牡蠣フライにするとカロリー、糖質が一気に跳ね上がります。パン粉など糖質の衣をつけて油で揚げるため、どうしても高くなってしまうのです。
そのほか、お酒のつまみとして牡蠣の缶詰も人気を博しています。しかし、牡蠣の缶詰はオイル漬けにされているため脂質が高くなりやすいです。1缶だけに抑えておくほうが良いでしょう。
牡蠣の栄養と健康効果
牡蠣は海のミルクとも呼ばれるほど栄養豊富な食材です。もちろんダイエットや美容に有効な成分も多く、きれいになるためにも効果的です。牡蠣の栄養成分を見てみましょう。
亜鉛

牡蠣は亜鉛を多く含む食材として知られています。18~69歳の女性で1日の摂取推奨量が8mgとされているのに対し、牡蠣は100gで14.5mgもの亜鉛を含みます。
亜鉛を摂取すると、体内でタンパク質を作るために必要な酵素の材料として利用されます。皮膚もタンパク質の一種なので、亜鉛を十分に摂取することで代謝が促進され肌の状態を健康に保ちます。
タウリン

タウリンとはタンパク質の一種で、コレステロールを減少させたり肝臓の働きを活発にしたりする効果があります。肝臓には解毒機能があることから、タウリンを摂取することで毒素の排出が促されることが期待できます。また最近の研究により、肥満を抑制する効果があることも明らかになってきています。
鉄分

鉄分は血液中のヘモグロビンを作るために必要な成分です。ヘモグロビンには酸素を全身の細胞に行き渡らせるはたらきがあり、不足すると細胞が酸欠状態となって鉄欠乏性貧血を引き起こします。鉄欠乏性貧血になると身体がだるくなる、顔色が悪くなるなどの症状が現れるほか、冷えの原因にもなります。
生牡蠣はあたりやすい?
ヘルシーで栄養たっぷりの牡蠣ですが、あたる可能性があるのは気になるところです。特に火を通さないで食べる生牡蠣には不安がつきまといます。牡蠣であたる原因や対策を確認して、安全に牡蠣を楽しみましょう。
牡蠣であたる原因
牡蠣であたる原因はいくつかあり、それぞれ潜伏期間や症状が異なります。1つずつ見てみましょう。
ノロウイルス
牡蠣にあたる原因で最も多いのが冬に流行するノロウイルスです。ノロウイルスに感染すると、1~2日の潜伏期間を経て嘔吐や下痢の症状が現れます。ノロウイルスに対する有効な治療薬はなく、自然に症状が治まるまで安静に過ごす必要があります。
嘔吐や下痢の症状が現れると水分も失われがちになるため、脱水症状にならないよう水分補給を欠かさないことが重要です。
腸炎ビブリオ
腸炎ビブリオは海水に生息する菌の一種であり、夏に食中毒が流行します。潜伏期間は8~24時間で、腹痛や下痢、嘔吐などの症状が見られます。特別な治療をしなくても、多くの場合は数日で回復します。
貝毒
牡蠣自体には毒はありませんが、餌とするプランクトンの中に毒を持つものがあった場合、プランクトンの毒が牡蠣に残っている可能性があります。これを貝毒と言います。
貝毒にはいくつかの種類があり、潜伏期間や症状はそれぞれ異なります。潜伏期間は食後30分~4時間と比較的短く、下痢や嘔吐、麻痺などが起きることが多いです。多くの場合は3日程度で自然に治りますが、まれに麻痺が進行し重篤な症状となることもあるため、疑わしい場合は早急に病院を受診するようにしましょう。
アレルギー
アレルギーは食中毒ではありませんが、食後数時間以内に下痢や嘔吐など食中毒と似た症状が現れます。何度も牡蠣にあたった経験があるのなら、牡蠣アレルギーを疑ったほうが良いかもしれません。なかには、意識障害や心肺停止といった、命にかかわるアナフィラキシーショックを起こす場合もあるので注意が必要です。
食中毒の危険性は下がってきている
牡蠣に100%あたらないということは不可能です。しかし、食中毒の発生状況は平成19年以降減少傾向にあり、その危険性は低くなっていると言えます。衛生的に管理され加熱されたものであれば過剰に心配する必要はないでしょう。
牡蠣には生食用と加熱用の2種類があります。生食用は加熱用よりも安全基準が厳しく、収穫できる海域も限られています。加熱用は生食用よりも大ぶりで味が濃くなりやすいですが、加熱用を生食するのは厳禁です。食べ方に合ったものを選ぶことで、美味しい牡蠣を安全に味わうことができます。
牡蠣にあたらないために
牡蠣による食中毒を防ぐためには調理方法や体調に気を付けることが重要です。ポイントを確認しておきましょう。
加熱する
ノロウイルスは中心部85~90℃で90秒以上、腸炎ビブリオは中心部60℃で10分以上加熱することで死滅します。十分に加熱して食中毒を避けましょう。
ただし、貝毒は加熱しても毒性は変わりません。加熱してもあたる危険性は0とは言えず、注意が必要です。
調理の際は手や調理器具を清潔に保つ
牡蠣自体の食中毒には気を付けていても、一緒に調理する他の食材に対しては気が回らないこともあります。牡蠣のウイルスや細菌が手や調理器具に付着し、そこから別の食品に移る場合もあるので注意するほうにしましょう。ハンドソープや食器用洗剤を利用して清潔を保つことが大切です。
体調不良の時は避ける
同じ料理を食べても食中毒になりやすい人となりにくい人とがいるのは、免疫力の差が関係していると考えられます。特に寝不足やストレスなどで免疫力が落ちると、普段よりも食中毒にかかりやすくなります。体調不良の時は牡蠣を避け、元気な時に楽しむようにすると良いでしょう。
牡蠣のおすすめの食べ方
牡蠣は調理方法や食べ方によって、美味しさだけでなく健康効果もアップすることが期待できます。ここでは牡蠣のおすすめの食べ方を紹介します。
レモンやポン酢と合わせてとる

生牡蠣にはレモンやポン酢のさっぱりとした風味がよく合います。実は、この組み合わせは栄養面から見ても優秀。レモンやポン酢に含まれるやクエン酸やビタミンCは、亜鉛や鉄分など牡蠣に含まれるミネラルを効率よく吸収するために役立つのです。
ミネラルは水に溶けにくく、そのまま食べても体へ吸収されにくいことが知られています。ところが、クエン酸と一緒に摂取するとクエン酸がミネラルを包み込み、吸収効率がアップします。またビタミンCはさらに鉄分の吸収を良くする効果があります。
茹でて食べる

牡蠣自体は低脂質ですが、牡蠣フライやオイル漬けは脂質が高くダイエット中は注意が必要になります。安全かつヘルシーに牡蠣を味わうには茹でて食べるのがおすすめ。雑炊などにして茹で汁ごと食べれば栄養もしっかり摂れます。
生食用より加熱用を選ぶ

生食用の牡蠣は出荷前に2~3日間の断食が行われます。これは体内に取り込んだ雑菌や不純物などを排出させ安全性を高めることが目的ですが、身が痩せて栄養が減ってしまうことにもつながります。
また、生食用の牡蠣は養殖できる海域も限られています。食中毒の原因となる菌が少ない安全な場所で育てる分、牡蠣の食料となるプランクトンの数も少なく小粒になりやすいです。
牡蠣の健康効果を期待するなら加熱用を選ぶのがおすすめです。
牡蠣を使った低糖質レシピ
牡蠣を食べるなら美味しく食べたいですよね。牡蠣を使った低糖質レシピを調理方法別に紹介します。
【牡蠣を生食する糖質20g以下のレシピ】簡単!絶品おつまみ!酢牡蠣
出典:クックパッド

カロリー | 32.5kcal |
糖質 | 3.6g |
値段 | 210円 |
材料 (2人分)
- 牡蠣(むき身、生食用)100g
- 酢大さじ1
- 醤油大さじ1
- エリスリトール(他の甘味料でも可)大さじ1
- 塩ひとつまみ
- わかめ(無くても可)適量
- もみじおろし(無くても可)適量
- 青ネギ(小口切り)適量
作り方
- 牡蠣はよく洗い水気を切る。
- 調味料をよく混ぜたら、牡蠣を入れて30分ほど冷蔵庫で休ませる。
- 器にわかめを敷き、2を盛り付けてもみじおろしと青ネギを載せて完成。
【牡蠣を蒸す/煮て食べる糖質20g以下のレシピ】低糖質レシピ☆おうち料亭!牡蠣の昆布焼き
出典:クックパッド

カロリー | 40kcal |
糖質 | 3.3g |
値段 | 240円 |
材料 (2人分)
- 牡蠣100g
- しいたけ2個
- 酒適量
- レモン適量
- 昆布適量
作り方
- 牡蠣はよく洗い、水気を切る。しいたけは、いしづきを取り、濡らしたペーパーで汚れを取る。レモンは櫛形に切る。
- 昆布をさっと水にくぐらせ、しんなりさせたら、オーブンペーパーの上に載せ、昆布の上に牡蠣と椎茸を載せる。
- オーブンペーパーの両端をキャンディのように捻る。
- フライパンに入れ、お酒を適量ふって、蓋をして中火で3分ほど蒸し焼きにする。
- 器に盛って、レモンと好みでポン酢を添えて完成!
【牡蠣を焼いて食べる糖質20g以下のレシピ】低糖質☆牡蠣のブルゴーニュバター焼き
出典:クックパッド

カロリー | 120kcal |
糖質 | 3.5g |
値段 | 180円 |
材料 (2人分)
- 牡蠣100g
- バター10g
- にんにく(すりおろし)小さじ1/2
- パセリ(みじん切り)2g
- 塩ふたつまみ
作り方
- 牡蠣はよく洗い、水気を切っておく。バター、にんにく、パセリ、塩をよく混ぜる。
- 牡蠣を耐熱皿に並べ、上に①で作ったブルゴーニュバターを載せる。
- トースターで5分焼いて完成!機種によって時間は調整してください☆
まとめ
牡蠣は糖質・脂質・カロリーが低く、さらに美肌や健康にも効果的な優秀食材です。調理によって糖質や脂質が高くなることもあるものの、工夫次第でカロリーや糖質をカットしながら美味しい牡蠣料理を味わうことが可能です。牡蠣を上手に利用して、食事を楽しみながらダイエットしましょう!