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筋トレにベストなタイミングは食前?食後?
筋トレと食事のタイミングは迷いやすいところです。トレーニング効果を最大限高める食事のタイミングについて、見ていきましょう。
食後2〜3時間がベスト
筋トレを行うには、体に十分なエネルギーが蓄えられていることが大切です。食べ物が消化されてエネルギーに変わるのが食後2〜3時間程度なので、そのタイミングでトレーニングするのがベストです。それを過ぎると食事で摂ったエネルギーが消費されてしまい、トレーニングのためのエネルギーが不足することに。その状態で筋トレすると、筋肉増強がうまくはかれない可能性もあるので注意しましょう。
食事の前は避けたい
筋トレのあとはタンパク質の吸収が良く、摂取したものがほとんど筋肉になるため、筋トレをしてからたっぷりタンパク質の食事をしようと考える人もいるかもしれません。しかし、食事前の筋トレはNGです。
食事前の栄養が不足した状態で筋トレを行うと、筋肉がエネルギー源として使われ、分解されやすくなります。せっかくトレーニングしても効果が発揮されないばかりか、筋肉が痩せるというマイナスの結果になりかねません。
食事のすぐあともNG
食前だけでなく、食事からすぐあとの筋トレもNGです。「栄養が満たされているからいいのではないか」と思うのは間違い。食後すぐの筋トレは消化活動を妨げ、消化不良を起こしやすくなります。
また、体は満腹になると副交感神経が優位になり、交感神経を刺激する筋トレには適さない状態です。食後からトレーニングの間に十分な時間が取れない場合は、消化の良い食べ物を軽く摂るかスポーツドリンクを飲んでからトレーニングすると良いでしょう。
筋トレの前後に食べるといいもの
筋トレにベストな食事のタイミングはわかりましたが、筋トレの前後に食べるのに適したものについてもチェックしておきましょう。食事を工夫すれば、トレーニング効果をより高めることができます。
筋トレ前は糖質を摂る
筋トレによって消費されるエネルギーはブドウ糖です。ブドウ糖が不足した状態で筋トレをすると、不足したエネルギーを補うために筋肉を分解してしまいます。そのため、筋トレする前の食事は炭水化物や糖質を含む食品がおすすめです。筋トレする2〜3時間前にこれらを含む食事をするか、直前にスポーツドリンクを飲むようにすると良いでしょう。
筋トレ後はタンパク質
筋トレ後の食事では、タンパク質をたっぷり摂りましょう。筋トレ後の30分ぐらいまでは筋肉を作るためのベストなタイミングです。タンパク質の吸収が良い状態で、摂取したタンパク質が筋肉をしっかり合成します。すぐに食事が摂れないときは、プロテインやBCAAなどを摂取するのがおすすめです。
トレーニング中はスポーツドリンク
ハードな筋トレをする場合、トレーニング中でもブドウ糖が不足してしまう場合があります。そのようなときは、休憩などにブドウ糖が配合されたスポーツドリンクを飲むようにするといいでしょう。適度にブドウ糖を補うことで、筋肉の分解を防ぎます。
筋トレを行う時間帯はどのタイミングがいい?
1日のうちで筋トレを行うには、どの時間帯がベストなのでしょうか?専門家の意見も交えて説明します。

集中力が高まるのは午前中
筋トレに必要な集中力が発揮しやすいのは午前中です。1日の始まりなので神経や体の疲れがなく、集中してトレーニングできます。筋肉に意識を集中することで、しっかり負荷をかけられるのがメリットです。
また、午前中は、筋肉の合成や修復に役立つテストステロンという男性ホルモンが多く分泌されます。テストステロンは女性にも分泌されるホルモンです。その分泌が一番高まる時間帯にトレーニングすることによって、効率よく筋肉増強をはかることができるでしょう。
筋肉を動かしやすい夕方
体の機能は昼間から夕方にかけてピークになります。朝は体温が上がらず、まだ筋肉が固い状態。徐々に体温が上昇していき、筋肉を動かしやすくなるのは夕方です。夕方は日中に食事を摂っているため、エネルギーも十分な状態になります。
また、筋肉の増強に欠かせない成長ホルモンも、夕方に運動する方が多く分泌されるという報告があります。
避けたほうがいい時間帯はある?
午前中も夕方もそれぞれメリットがあるので、どちらか時間の取りやすい時間帯で行うのがいいでしょう。一方、筋トレは避けた方がいい時間帯もあります。
早朝は避けよう

筋トレに適した時間は食後2〜3時間なので、現実的に早朝にトレーニング時間を確保するのは難しいとも言えるでしょう。
就寝前もNG
就寝前も筋トレに向いていません。筋トレをすると心拍数が上がって交感神経が優位になるため、就寝前に行うと眠れなくなるからです。少なくとも眠る2時間前にはトレーニングを済ませ、クールダウンして副交感神経を優位にする必要があります。
筋トレの頻度はメニューによって異なる
時間帯だけでなく、筋トレする頻度も確認しておきましょう。どのようなメニューを行うかで、適した頻度は異なります。
全身の筋トレは2〜3日に1回
筋トレで筋肉を順調に増やすためには、回復する期間が必要です。トレーニングにより筋繊維が損傷し、休息による回復期間を経て筋肉が増強していきます。損傷から回復までの期間はおよそ2〜3日。トレーニングはそのぐらいの期間を空けて行うことが必要になります。

メニュー別なら毎日行ってもOK
回復期間は同じ部位に負荷をかける場合に必要になるので、全身の筋トレでなく部位ごとにトレーニングする場合は、毎日行っても問題ありません。日替わりで違う部位のメニューを組めば、毎日筋トレすることも可能です。毎日の筋トレをすることでトレーニングの習慣が身につき、長続きするというメリットもあります。
1回のトレーニング時間はどのくらいが効果的?
1回に筋トレを行う時間はどのくらいが効果的なのかも、気になるところですね。トレーニングする時間は限られていますが、できれば最も効果の上がる時間で行いたいもの。専門家の意見も聞いてみました。
30分〜1時間程度
筋トレを行うベストな時間は、人によって異なります。これまでまったく運動をしていなかった人と、長く筋トレを行ってきた人ではかけるべき時間は明らかに違うでしょう。初心者は30分のトレーニングでもきつく感じ、ヘトヘトになってしまいます。
セットを組み合わせて1回に行う目安としては、初心者の場合は20〜30分程度から始め、体の様子を見ながら少しずつ時間を伸ばして最終的には1時間ぐらいにするのが理想です。
負荷によっても異なる
ただし、負荷の重いトレーニングは短時間でも効果があり、負荷の軽いトレーニングは長めに行うのが一般的です。どのようなトレーニングを行うかによっても時間は異なるので、まずはメニューを決めてから最適な時間を考えるのがいいでしょう。
セット1回にかける時間については、専門家の意見も参考にしてください。

筋トレを継続して行っていると、1セットに行うのにどのくらいの時間がベストなのか感覚がつかめると思います。最初は短めに設定しながら、徐々に自分にとってベストな時間を見つけていきましょう。
時間がない!短い時間でも大丈夫?
「忙しくて1時間も時間が取れない」という人も多いと思います。しかし、まったく筋トレしないよりは短時間でも行う方がいいのはもちろんです。また、トレーニング時間は長ければいいというものでもなく、効率良く行えば短時間でも十分効果を発揮します。
休憩時間を短くするだけでも、トータルの時間を短くすることは可能です。インターバルは10秒〜30秒以内にとどめ、メニューを次々にこなすようにしてください。通勤途中やデスクでもトレーニングは行えます。このあとの項目で詳しく説明しましょう。
ダイエットには有酸素運動も組み合わせよう
ダイエットで筋トレする場合には、有酸素運動も組み合わせるのが効果的です。筋トレは筋肉量が増加して基礎代謝を高め、太りにくい体質になれるもの。しかし、カロリー消費はそれほどでもなく、減量には時間がかかります。早くダイエットするには、脂肪燃焼効果の高い有酸素運動を組み合わせるのが効果的です。


おすすめのメニュー
有酸素運動を併用する場合は、筋トレを先に行いましょう。筋トレを先に行うことで成長ホルモンの分泌が多くなります。成長ホルモンが十分に分泌されると血糖値が上昇し、体脂肪が分解されやすい状態に。このタイミングで有酸素運動を行えば、効率的に脂肪燃焼できることになります。
おすすめのメニューを紹介しますので、参考にしてみてください。
筋トレ(約20~30分) | ・スクワット10回 ・レッグランジ20回 ・ノーマルブッシュアップ10回 ・クランチ30回 |
有酸素運動(30分) | ウォーキング、ジョギングなど |
クールダウン(10~15分) | ストレッチなど |
スクワット
- 足を肩幅に広げ、足先はやや外側に向ける
- 背中をまっすぐに伸ばし、息を吸いながらゆっくり腰を落とす
- 重心はかかとにかけ、太ももと床が平行になる位置まで下げる
- 息を吐きながらゆっくり元に戻す
- 10回ほど繰り返す
下半身を鍛えるトレーニングです。下半身には大きな筋肉が集中しているので、効率良く筋力を鍛えることができます。
レッグランジ
- 足を肩幅ぐらいに開いて立つ
- 手を頭の後ろで組む
- 片足を大きく前に出し、体を真下に下げる
- 背筋をまっすぐに保ち、顔は正面を向くこと
- 前に出した足でぐっと地面を押し出すように戻る
- 反対側も同じように行い、左右10回ほど行う
太ももとお尻の筋肉を鍛えるメニューです。下半身が引き締まった、メリハリのあるボディを目指すことができます。背筋をしっかり伸ばして行いましょう。
ノーマルプッシュアップ
- うつ伏せになり、両手を肩幅よりこぶし二つ分ほど外に開いて床につく
- つま先だけを床につけ、腕とつま先で体を支える
- 足から頭まで一直線になるようにする
- 目線は1メートル先を見る
- 息を吐きながら肘を曲げ、ゆっくりと体をおろしていく
- 床につかない程度まで下げ、そのまま1秒間キープする
- 息を吸いながら上体を元に戻す
- 10回ほど繰り返す
いわゆる一般的な腕立て伏せです。大胸筋を鍛えてバストアップ効果があります。無理をせず、できる範囲で行いましょう。
クランチ
- 仰向けに寝て膝を90度に曲げる
- お腹に力を入れて息を吐き、ゆっくりと上体を起こす
- 手をまっすぐ前に伸ばす
- 息を吸いながらゆっくりと最初の位置に戻す
- 10回ほど繰り返す
腹筋を鍛えるトレーニングです。反動をつけず、お腹の筋肉を意識して行いましょう。
スキマ時間でもできる筋トレ
筋トレをする時間がない場合でも、スキマ時間を利用してトレーニングしましょう。こまめにトレーニングすることで筋力は鍛えられます。
デスクや通勤途中でできる筋トレ
オフィスのデスクや通勤途中に行えるトレーニングを紹介します。
座って行うトレーニング
お腹の筋肉を引き締めるトレーニングです。
- 椅子に座った状態で背筋を伸ばす
- 椅子のヘリを持ち脇を締める
- ヘリを持ち上げるように力を入れる
- 下腹部を意識して、呼吸をしながら8秒キープする
休憩場所で行うトレーニング
背中の筋肉を鍛える筋トレです。
- 足を軽く開いて立つ
- 手のひらを上に向けて両腕を前に伸ばす
- 両手の小指とヒジをつける
- 息を吸いながら腕が直角になる位置まで上げる
- 背中の筋肉を意識しながら力を入れ、8秒キープする
- ゆっくり息を吐きながら力を抜く
車内やホームで行うトレーニング
通勤途中の車内や電車を待つホームでは、お腹に力を入れて腹圧を高めカバンで押し続けてみましょう。腹筋を鍛えるトレーニングになります。手でお腹まわりを押すのも効果的です。
爪先立ちのトレーニング
車内などでまっすぐに立ち、爪先立ちで10秒ほどキープします。そのあとゆっくり下ろし、10回ほど繰り返しましょう。体幹を鍛えるトレーニングになります。背筋をまっすぐ伸ばすのがポイントです。バランスが取れない場合は吊り革をつかんでも大丈夫。慣れてきたら何もつかまずに行いましょう。
まとめ
筋トレを効果的に行うには、いろいろなタイミングを考える必要があります。食前、食後のタイミングは特に大切。行う時間帯や1回に行う時間、頻度などもよく考え、自分にとってベストなタイミングを見つけてください。有酸素運動なども取り入れながら、効果的な筋トレを行いましょう!