なぜ、妹ばかりが蚊に刺されるの? 「虫博士」が抱いた疑問
この日の『ガッテン!』で紹介されたのは16歳の男子高校生。
目を爛々とさせ、研究のきっかけとなった幼い頃の経験を語ります。
ガッテンにすごい高校生が登場。京都の「虫博士」。小学生の時に妹と山へ虫取りに行った時、妹だけが蚊に刺されまくることに疑問を持って蚊の研究を開始。
— Maeda, Rai-chan (@rai_chee) 2016年8月31日
そこで蚊の飼育を始め、反応をつぶさに観察します。
↓飼育している蚊には自分の腕を差し出して餌にする。飼育箱に妹の持ち物を次々に入れるも、蚊は無反応。ところが「ある物」を入れると蚊たちが大興奮。針を出して刺そうとする、あちこちで交尾を始める。従来、蚊は一生に一度しか交尾をしないと考えられており、これは世界的大発見。
— Maeda, Rai-chan (@rai_chee) 2016年8月31日
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「靴下」に反応することを発見!
蚊に刺されやすい妹を助けたいと、独自に研究を行ってきた京都教育大学附属高校2年の田上大喜(たがみだいき)くん(16)。妹のいったい何に惹かれて蚊が集まるのかを様々な実験で調べたところ、靴下に蚊が反応し、盛んに血を吸おうとする行動を起こすということを発見しました。
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ただ、反応はニオイの強さに比例するわけではないそう。
「僕ら家族では、妹(の靴下)が一番反応したんですけど。でも、家族の中だと一番臭うのは父(の靴下)です」(田上くん)
↓蚊は妹の「靴下」に反応していた。でも、いろいろな人の靴下を試した結果、刺されやすさと匂いの強さに関係はなかった。足の裏の菌を培養したら、刺されやすい人は金の種類が多いことがわかった。
菌が作り出す微量の物質が蚊を興奮させている。それが何かは…彼が京大とかで研究するのかな— Maeda, Rai-chan (@rai_chee) 2016年8月31日
俺も妹の靴下に興奮するし俺は蚊だったのか…
— デレステ爆死ー死(予定 (@nemurikuzu) 2016年9月3日
蚊に刺されやすくなる原因は「常在菌」の種類の多さ
さらにその手がかりとして「足の常在菌の種類の多さ」(皮膚に必ず存在する菌)に着目します。
田上君は、多くの人の足の「常在菌(じょうざいきん※)」を培養してみました。すると蚊に刺されやすい人とそうでない人とでは常在菌の種類が大きく異なっていることをつきとめました。蚊に刺されやすい人は足の『常在菌の種類が非常に多い(多様性が高い)』ことが分かったのです!
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もし、足に潜む菌が蚊を招いているのであれば、足を除菌すればいいのではないか…?
実際にアルコールを湿らせたティッシュで足首より下を拭き、消毒させたところ、刺された数はなんと3分の1に!(効果が期待できるのは数時間、人によって継続する時間も異なる)
田上くんは仮説を実証してみせたのです。
「蚊と常在菌の関係」のユニークな気づきから行動を起こし、発見に結びつけた田上くんにはネット上でも驚きの声が寄せられます。
うわぁ凄い!是非とも研究を続けて欲しい…https://t.co/aFqFMuPOuT
— ぽりんw/ぷりん2歳+めろん28w (@w_pudding) 2016年9月2日
おはようございます。東京は曇り時々晴れ。
「ガッテン!」の録画を見ました。蚊の研究をしている京都の高校生・田上大喜(たがみだいき)くんが素晴らしい。ゆくゆくは、さかなクンのようになって欲しい気もしますが……。— 森下一仁 (@morishitakat) 2016年9月3日
『ガッテン!』は、田上くんの観察は世界的にみてもすごい研究とし、カリフォルニア大学の特任教授のコメントを紹介。期待を寄せました。
「すばらしい研究です。蚊を引き寄せる物質を特定できればとても幅広い研究成果につながります。私にも4人妹がいますが、誰も蚊の研究を手伝ってくれなかった。すばらしい業績おめでとう!」