ジブリが雑誌に出した求人募集
この求人広告が掲載されたのは1989年。アニメ雑誌アニメージュの中です。 「アニメーターを志す人で」で始める、宮崎駿監督手書きによる求人広告は全部で4枚にもわたっており、良い映画を作りたいためにスタジオの体制を整えたいと、当時としては破格の15万円+交通費1万円という待遇で新人アニメーターの研修生を募集しています。
一か月で向き不向きを判断して場合によっては辞めてもらうことも書いてあるなど、シビアな内容になっています。まだもののけ姫や千と千尋の神隠しなど大ヒット作が生まれる前の頃の話ですから、スタジオのゆくさき自体も見えない黒です。作品がヒットしない限り収入は求めないですから、月給制での研究生募集はかなり思い切ったものと言いますね。
やはり当時としては破格
こんなに可愛くて覚悟のいる募集要項みたことがない。。。 https://t.co/fuaPtDUPgK
— ミニー・ナギィ♡2/12才色兼美A55 (@MN79minnynaggy) 2018年1月14日
当然やる気だけでは務まりませんが、この当時、いや今からみてもアニメーターとしては破格の待遇ですね。
— 太郎 (@tarou_barn) 2018年1月16日
90年代のアニメーターの労働環境でのジブリの待遇は一番良かったんじゃないかなと思います。
— 丸正 (@marushou782) 2018年1月16日
ネットで書き込まれている内容を見ると、やはり破格の条件だったことがわかりますが、しかし89年当時はまたバブル経済の真っ只中。新卒が売り手市場だったことを考えると、15万円という月給は安いという指摘もありました。宮崎監督も広告の中ではBMWに乗るのはまず無理、と言いきってますね。
伝わってくる宮崎監督の思い
この広告を出した後、数々のヒット作品を世に出して、世界にも認められる存在になっていくスタジオジブリですが、当時の宮崎監督の作品作りにかける熱い思いと業界に待遇改善への思いが伝わってきます。
今でもアニメ界の給与レベルは30年前とあまり大差がないということですが、君の名はをはじめとして数々の新しい作品が生まれています。これからオリンピックに向けて日本の文化に関心が集まってくるでしょう。良い作品を生み出せるよう、クリエイターの方の仕事環境が良くなっていくことをお祈りします。