シスコンの意味
まずは基本中の基本として、シスコンが何を意味する言葉なのかを押さえておきましょう。
シスターコンプレックスの略
シスコンは、シスターコンプレックスの略。○○コンプレックスは数多く存在し、対象が母親であればマザーコンプレックスでマザコン、父親であればファザーコンプレックスでファザコンといった具合に略されます。
その名のとおり、自分の姉または妹に対し異常に強い愛情を持っていたり、必要以上に執着していたりする状態を意味する言葉です。
男性の場合には、自分の姉妹に似た特徴を持っているような女性を恋人として選ぶ方もいるかもしれません。家族内の異性というのは生まれてはじめて触れ合う異性であるため、恋人を選ぶ際には少なからず影響はあるといわれます。ただ、やたらと姉妹と恋人を比較したがったり、あまりにも執着したりするようであれば、シスコン認定されやすいといえるでしょう。
対義語はブラコン
異常に強い愛情、執着の対象が姉妹なのがシスコンであるのに対し、ブラコン(ブラザーコンプレックス)はその対象が兄弟です。
兄が弟に対し、弟が兄に対してのパターンのほか、姉が弟に、妹が兄にというパターンもあるのが特徴です。ブラコンもシスコンも複雑な心理状態が絡み合っているために、矯正するのは容易ではないという見方がされています。
シスコンになる理由
必ずしも姉妹がいればシスコンになるわけではありません。小さい頃からどう育ってきたのかなどの要素が影響して、そうなってしまっている場合があります。具体的にどのような理由があるのか、順番に見ていきましょう。
幼い頃の環境
たとえば、幼い頃に両親が不仲で姉妹と過ごす時間が長く、親のいない寂しさを姉妹と紛らわせていた、両親が共働きで家に不在の時間が長く姉妹と支え合っていたとします。そのような中で幼少期に十分に親に甘えられなかったため、その対象を姉妹にすり替えてしまっている可能性があるでしょう。
お互いに兄弟がいないと、姉妹がいないとと、ほぼ依存に近い感覚の方もいます。
姉妹の外見や内面が魅力的
姉妹が才能があり美しい容姿をしているために、シスコンになるケースもあります。魅力あふれる方と一緒に生活しているため、素敵な女性との出会いがあっても、家に帰れば「ウチの姉(または妹)のほうが勝っているな。」と感じてしまいがちです。
それほどまでに魅力的な姉妹はまわりに自慢しても否定されないため「やっぱりウチの姉(または妹)は完璧。」と、シスコンぶりに拍車がかかる傾向があります。
姉妹がブラコン
兄または弟がシスコンになっているのと共に、姉または妹がブラコンになっているケースは少なくありません。シスコンの方の姉妹がブラコンだと、過干渉になりがちです。
幼い頃から過干渉を受けてきた方は、多大な影響を受けます。たとえば自分の言動、思考をコントロールされることで充足感を得たり、無条件にいいなりになるのが習慣になったりするのです。
シスコンの人によくある行動心理
恋愛をするにあたってシスコンの方は避けたい、自分がひょっとするとシスコンかもしれない……。そう思う方の中には見抜くヒントが欲しいと思っている方もいるでしょう。ここではシスコンの方にありがちな特徴を3つピックアップしました。
姉妹を優先したり比較対象にしたりする
恋人より姉妹を優先的に扱ってしまうため、デート中でも電話やLINEなどで連絡をとるなどして彼女のことをないがしろにしがちです。また、完璧だと思っている姉妹に対して恋人はどこか劣っているなどと、比べるような発言をする傾向があります。
こうした言動をとられると、恋人からすれば「失礼だなぁ……。」と感じるような瞬間もあるでしょう。これらは「彼女なら許してくれるだろう。」とか「自分のことを理解してきっと受け入れてくれるだろう。」という甘えからきている言動の可能性が高いといえます。
姉妹を否定されるのを嫌う
シスコンの方ではないとしても、家族を悪くいわれるのはあまり気分が良いものではありません。ただ、シスコンの方は姉妹に対する否定的な話に対する沸点が低い傾向があります。
たとえば、姉妹の話ばかりする方に対しさすがにウンザリした恋人が「あまり姉(または妹)の話をしないでよ……。」と、軽く指摘しただけでも大激怒するようなケースもあります。
姉妹の話題が随所に出てくる
シスコンの方と会話をしていると、姉妹の話が頻繁に出てくる傾向があります。物事に対する考え方をはじめ、どのような内容のやりとりでも「姉(または妹)が…。」と出てきがちです。これは何においても姉妹をベースに連想するのが当たり前になっているためといえます。
また、何か決めるときに「姉(または妹)に相談してみる。」と、姉妹のいいなりになるのが癖で自信がなく、自分の意見がない方もいます。
シスコンになる男性と女性の違いや行動心理
性別に関係なくシスコンになり得ます。ただ、実際になっている場合には、男女で特徴が異なります。一体どのような傾向が見られるのか、男性の場合と女性の場合について、以下にまとめました。
男性の場合:恋人との関係に影響が出やすい
シスコンになる男性は姉妹が異性であるために、恋人との関係に影響が出やすいといえるでしょう。
マザコンの男性が母親を最優先するのと同様に、シスコンの方は姉妹が最優先です。恋人を選ぶときには、どこか姉妹の影を感じられるような人に惹かれる傾向があるといえるでしょう。
女性の場合:女性同士の絆のほうを大切にする
男性に対して女性は姉妹が同性であるため、恋人と比較するようなことはありません。
しかし、男性と交際をはじめる前に、その男性を姉妹と会わせてみて、姉妹が許さない男性とは付き合わないなど女性同士の絆のほうを大切にするかもしれません。そうなると、恋人がなかなかできにくくなってしまいがちです。
シスコンの対処法・改善方法
シスコンかもしれない、または間違いなくそうと思われる相手との接し方、また自分がそうと思っている方がどうすれば良いのかについて、以下に記載しています。
気にしない
とくに恋人として付き合っているわけではない相手、付き合っていたとしても看過できないレベルのシスコンぶりではない相手のケースもあるでしょう。
その場合、変に嫉妬して姉妹に対抗意識を燃やすなど、意識しないのも良いです。本人と姉妹が向き合うべき問題、立ち入ってはいけない人様の家庭の事情と割り切れば、疲労やストレスを感じにくいといえるでしょう。
話し合う
コチラが先に約束をして会っているときに、大した用事でもないのに連絡してきた姉妹を優先して会いに行くため途中で切り上げる、家デート含め姉妹がやってくる……。さらに2人の交際に口出ししてくるなど……。
とても受け入れられない状態であれば、本人や姉妹に冷静に伝えるのも良いでしょう。その上で、今後の関わり方を決めればただただ我慢するだけの日々にはなりにくいはずです。
姉妹と親しくなる
恋人の姉妹が自分の存在を好意的に受け止めてくれているのであれば、仲良くなってしまうのも良いでしょう。恋人とセットで姉妹がデートにやってくるような日があっても、腹が立たなくなるかもしれません。
シスコンである恋人としても姉妹と親しくしてくれるのはありがたい、嬉しいと感じやすいです。また、自分も恋人とのことを姉妹に相談し、アドバイスを受けられれば良好な関係を築きやすくなります。
姉妹と距離を置く
物理的に距離をとると、良い意味で精神的な距離をとれるようになったと実感している方は少なくありません。シスコンかもしれないと思っていたり、その具合が異常だと感じていたりする方は、姉または妹離れを目指して引っ越すなどするのも良いでしょう。はじめは苦痛かもしれませんが、次第に落ち着いてくる可能性は十分にあるはずです。
まとめ
一般的な姉妹思いの方のイメージとは異なる、常軌を逸した愛情、執着を姉または妹に対して持つシスコン。幼少期に親にしっかり甘えられず、姉妹を拠り所としていた点などが要因となってなりがちです。
家族や恋人、友人、自分などがシスコンかもしれないという気づきや、どう接すれば良いか、克服するかの材料のひとつとして、今回取り上げた内容をお役立ていただければ幸いです。