やっぱり心配!離婚が子供に及ぼす影響はどんなものがあるの?

夫婦が離婚を考える際にまず頭に浮かぶのが子供への影響ではないでしょうか。夫婦間ではすでに離婚の合意ができていても、子供の将来や心理的影響を考えて離婚を先延ばしにするケースも少なくないようです。とくに母親のほうが親権をもつ場合は離婚後の生活費の問題もあり、子供に迷惑をかけたくないという理由からなかなか別れられずにいる夫婦も多く、離婚カウンセリングの件数も年々上昇傾向にあります。ここでは、両親の離婚が子供に与える影響と適切なタイミング、離婚後の心理的ケアについてまとめました。

子供がいる夫婦の離婚のタイミング

子供が乳幼児

乳幼児のうちはミルクにおむつ交換、スキンシップととにかく1日中手がかかり、時間があっという間に過ぎていくものです。離婚をすると夫婦のうちのどちらかが子育てを一手に担うことになるため、当然のことながら肉体的・精神的負担がその分大きくなります。日中働きに出るのであれば保育園に預けるという選択肢もありますが、全国的に待機児童の問題が深刻化しており、入園を希望してもすぐに入れるとはかぎりません。また、あまり早い段階で保育園に預けることについて心理的悪影響を懸念する研究報告もあります。保育園も有力な選択肢ではありますが、離婚前にあらかじめ子育てに協力してくれる存在(両親、主婦仲間など)を探しておくのもひとつの方法です。ひとりきりの育児は心理的にも孤独になりがちですので、離婚した途端に相談相手がいない……ということにならないよう、離婚を考えた段階でそのあたりの下準備も慎重に進めておきましょう、

子供が小学生・中学生

子供が小学生になると、離婚、という言葉そのものの意味を自分なりに理解できるようになります。小学校高学年から中学校くらいになると、両親が離婚した理由について積極的に聞きたがることもあるかもしれません。両親の離婚についての受け止め方は子供の性格によってさまざまであり、比較的マイペースな子供はそれほどのストレスもなく離婚という事実を受け入れられますが、もともと感受性の豊かな子供の場合、「両親が別れる」というライフイベントについて実際の事柄以上に深く考え込んでしまう場合があります。両親の離婚がきっかけで子供が不登校になる、というケースは小学生から中学生の段階でとくに多くなるため、この時期の離婚にあたっては両親ともに子供への心理的ケアを最優先するようにしましょう。また、表面的には何の違和感もなく両親の離婚を受け入れているように見えたとしても、心の深い部分では子供なりに思い詰めている場合があるため、表面的な態度のみで子供へのストレスを判断しないようにしましょう。

子供が高校生・大学生

高校生やあるいは大学生ともなると子供は自分自身の世界を確立するようになり、両親に対しても客観的な視点で接するようになります。ただし、精神的に成長したからといって離婚の影響がまったくない、というわけではありません。たとえば高校生の場合、両親の離婚を自分自身と結びつけるだけでなく、「周囲からどのように見られるか」という視点から見るようになります。この場合の「周囲」とはおもにクラスメイトのことで、両親が離婚することによってクラス内での自分のポジションがどのように変わるか、ということを子供は意外と強く意識します。このような目に見えない事柄は大人の視点からではわかりにくいためついつい見過ごしがちですが、実際に両親の離婚が原因でクラスでいじめに遭い、そのまま不登校になってしまうケースが少なくありません。とくに名字が変わってしまう場合どうしてもクラスメイトに知られてしまうため、子供としては少なからずストレスを感じてしまうようです。見えない部分の心理的影響にもきちんと配慮し、離婚後の名字をどうするか、という細かい点についてもきちんと話し合っておきましょう。

子供が成人済み

現代の日本では、子供が成人したら立派な大人であり別々の人生を歩むべき、という価値観が一般的なようです。だから両親が別れたとしても子供には何の影響もない、と考えがちですが、必ずしもそうきっぱりと割り切れるものではありません。両親の離婚にあたってまず考えるべきなのが法的な問題です。もっと直接的に言えば遺産、財産分与の問題であり、離婚によって家族構成が変わることで法的な意味での「財産の受け継がれ方」も変化し、いざという時に思わぬトラブルが起こる……という可能性もまったくないとは言い切れません。とくに御主人のほうが大変な資産家で、将来的に莫大な財産を子供に譲り渡そうと考えた場合、離婚によって母方の戸籍に入れば財産を受け取る権利は子供にはなくなります。そのあたりの法的知識も離婚前にきちんと共有しておかなければいざその時になって無用のトラブルが生じる可能性があるため、大人の責任としてしっかり注意しておきましょう。

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離婚が子供に与える影響とは

気持ちが不安定になる

両親の離婚による子供への影響の大部分は心理的なものだと言われています。とくに、思春期の多感な時期に両親の離婚を経験した場合、その葛藤を処理しきれずに不登校やうつ病、非行へと発展してしまうケースが少なくありません。うつ病と非行は見た目の行為はまるで正反対のようですが、不安のむかうベクトルが違うだけで「気持ちが不安定になっている」という点ではまったく同じ現象と言えるのです。ここで注意しなくてはならないのは、子供に対してきつく責めるような態度をとらないことです。不登校や非行などが長い期間にわたりつづくと親としては心配のあまりついつい強い態度で接してしまいますが、それでは決して問題の解決にはなりません。子供は多くの場合、両親の離婚の事実を消化しきれず、思い悩んでいるだけなのです。その時期に子供の心に土足で踏み込むような態度をとってしまってはかえって子供を心理的に追い詰めることになり、問題行動をよりいっそう深刻化してしまいます。だからといって、極端に甘やかすような態度もいけません。腫れ物にさわるような態度で接してしまうと、子供は「自分のせいで両親が離婚した」と思い込み、次第に自分を責めるようになります。離婚前と変わらない自然な態度で子供に接し、子供の心理的変化について敏感に、けれどさりげなく対処できる余裕をもちましょう。

成績に影響が出る

ここ数年の研究では、両親の離婚後に子供の学校での成績が下降するということがわかってきています。直接的な理由としては、両親の離婚によって子供の勉強面をケアできる時間的余裕が減り、結果として成績の低下というかたちで表れているということが考えられます。とくに夫婦のうちのどちらかが子供の家庭学習を積極的にサポートしていた場合、その影響が顕著に表れるでしょう。また、心理的な影響も否定できません。両親が離婚をすると少なからず環境が変化し、子供は家庭での学習に集中できなくなるでしょう。場合によっては、家事全般を子供と分担する必要も出てくるかもしれません。このような理由から必然的に家庭での学習時間が削られ、また精神的に落ち着かなくなることもあって、子供の成績が低下することがあります。成績の低下は学習へのモチベーションにも深く関係してきますので、離婚後もできるだけ大きく環境を変えないようにし、集中して勉強ができる環境をととのえてあげましょう。

孤独を感じる

両親のうちのどちらを子供が心の拠り所とするかは性別や年齢、本人の性格などによっても変わってくるでしょう。男子は父親を、女子は母親をといった風に同性を相談相手に選ぶことが多いようですが、もちろん反対のケースもあり、一概には言えません。また、離婚の受け止め方は子どもの年齢によって変わってきます。幼年期のうちは「休日の遊び相手がいなくなる」ことで寂しさを感じるかもしれませんし、小学校になると「参観日にお母さんがきてくれない」ことで両親の離婚を自覚するかもしれません。あるいは思春期には、「人生の壁にぶつかったときに悩みをさらけ出せる存在」を欲することもあるでしょう。大人から見ると些細なことと思えるような事柄でも子供の目線では大いに傷つき、思い悩んでいるものなのです。

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離婚を考えたら行うこと

子供に正直に話す

「離婚について子供に正直に打ち明けるべきか」というのは、夫婦にとって当人同士の離婚以上に大きな問題のようです。「離婚は夫婦の問題なのだから子供はその決定に従うべきだ」という考え方もかつてはありましたが、そのような考えは大人側の傲慢であり、子供を著しく混乱させるだけです。とくに小学校から中学校の子供の場合、離婚による環境の変化に適応することができず、親や周囲の大人に対し反抗的な態度をとったり、自分の殻に閉じこもってしまったりすることがあります。そのようなことを避けるためにも、離婚を検討している段階で子供にきちんと順序立てて相談し、しっかり納得させてから実際の手続きに進むようにしましょう。

子供の意見も聞く

離婚は両親だけの問題ではありません。むしろ、離婚によって影響を受けるのは子供のほうなのですから、離婚を家族間の問題としてとらえ、子供の意見も真摯に取り入れる態度が必要です。その際、絶対にやってはいけないのは、両親がそろっている場面で子供に意見を聞くことです。大人がどんなに冷静な態度であったとしても子供は無意識に両親の顔色をうかがってしまい、心からの本音を言えなくなってしまいます。意見を聞くときには子供が精神的にリラックスしているシチュエーションを選び、両親のうち子供との距離がより近いほうがさりげなく離婚の話題にふれるのがベストの方法です。もちろん、両親の理想とするこたえに暗に誘導してはいけませんし、子供にすべての決断を委ねることも決してやってはいけません。子供にはその時点での状況と今後の選択肢を客観的かつ具体的に伝えたうえで素直な希望を聞くのがもっとも自然であり、子供にとってのストレスがない方法です。

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離婚をした時の子供のケア

子供のせいにしない

実際に離婚に踏み切った女性がまず苦労するのは、子供との関係性だそうです。どの年齢でも子供にとって両親の離婚は重大なライフイベントであり、離婚をきっかけに親子の関係性ががらりと変わってしまう場合があります。離婚後に絶対にやってはいけないのが離婚の原因を子供に押しつけることです。たとえば、「あなたが生まれたから仕事をやめることになった」などと子供に直接言い聞かせてしまうと、子供は本当に自分のせいで両親が離婚したのだと思い込んでしまい、罪悪感を抱え込むことになります。離婚は本来両親が決断すべき問題であり、子供には一切その責任はありません。

元配偶者の悪口を聞かせない

離婚した女性がよくやりがちなのが「元夫の批判を子供に聞かせる」というものです。相手に不満があるから離婚したのであって、多少のフラストレーションが溜まっているのは理解できますが、だからといってそれを子供に聞かせても良い影響にはなりません。自分にとっては性格の合わない相手であっても、子供にとってはかけがえのない父親であることをつねに頭に入れておきましょう。

元配偶者との面会を行う

離婚したとしても、子供と元夫との面会時間はできるかぎり確保するようにしましょう。元夫のほうにDVや虐待などの著しい問題行動が見られる場合は別にして、それ以外のいわゆる円満離婚では定期的な面会をもうけ、子供と離婚相手が触れ合う時間を意識的につくることで連帯感が保たれます。離婚した当初は相手のいやなところばかりが目に付いていたとしても、面会というかたちで何度か顔を合わせることで相手を客観的に見られるようになり、あらためて落ち着いた関係を構築することができるメリットがあります。

相談できる窓口を探す

離婚直後の女性を待ち受けているのは「孤独」だと言われています。とくに親権を譲り渡した専業主婦の場合、離婚した途端に毎日の日課が失われ、なおかつ外の世界との接点もほとんど持っていないため、社会からいきなり隔離されたような感覚を味わうと言います。また、子供を引き取った場合でも親子の関係性は年齢とともに変わっていくものであり、育児の壁にぶつかった際に相談できる窓口を確保しておくことは精神的ゆとりを保つうえでも非常に重要です。現在はNPO法人などがシングルマザー向けの相談窓口を開いていますので、インターネットなどで調べてみるのもひとつの方法です。

親兄弟の協力を仰ぐ

まだ幼い子供を抱えたまま離婚をした場合、母親がひとりで生活費を稼ぎながら育児を両立させるのは大きな負担となります。日常的な関わりではなくても、たとえば子供が突発的に熱を出した時に仕事中だけ預かってもらえるような関係性を両親や兄弟との間でつくっておくことは、いざという時になって心のささえとなります。

カウンセリングを受ける

日本でも少しずつ、「離婚カウンセリング」の重要性が認識されるようになりました。本来の意味での離婚カウンセリングとは離婚にむけたカウンセリングのことですが、離婚後の生活のアドバイスなどを包括的に行う離婚カウンセラーも増えつつあります。カウンセリングというと心理的なケアをイメージしがちですが、実際の範囲はさらに広く、離婚後に必要となる法的手続きなどについて詳しく解説してくれるところもあるようです。

まとめ

離婚をした場合、日本では女性のほうがより大きな負担を背負うケースが多いと言われています。その負担としては経済的な意味合いが多く含まれますが、心理的負担も無視できず、離婚後の孤独感からうつ病を発症してしまう女性も少なくないと言われています。離婚後の暮らしを充実させるためにも、離婚を検討しはじめた段階から少しずつカウンセリングなどについて下調べをしておきましょう。