離婚したくない!大切なのは話し合い?何をすれば良いの?

最初から離婚を前提にして結婚する夫婦はいません。よほど憎みあっている夫婦は別として、ほとんどの夫婦は離婚をできるかぎりさける方法がないかと必死で模索することになります。夫婦が離婚をさける背景にはもちろん、「愛情がまだ残っているから」という理由もありますが、それ以外に経済的問題や子供の問題など、現実的な理由がいくつかあるようです。ここでは、男性と女性で離婚をさける理由がどのように違うのか、男女それぞれの視点から深く掘り下げてみました。

妻が離婚したくない理由

子供がいるから

「子供がいるから愛のない結婚生活でも我慢している」という女性は決して稀ではありません。あるいは、「せめて子供が成人するまでは……」という思いで離婚のタイミングをうかがっている女性も多いようです。子供のいる女性が離婚をためらう背景には経済的な理由ももちろんありますが、一方で「子供に精神的ストレスを与えたくない」という配慮もあるようです。とくに小学校から思春期の子供は感受性が非常に強く、日常のささいなトラブルでも強い刺激を受け、精神的に不安定になってしまいます。そのうえ両親の離婚までくわわったら母親としてフォローしきれない、と将来を案じるのは親心として当然と言えます。ただ、あきらかに夫婦仲が冷めきっているにもかかわらず子どもを理由にして我慢して離婚せずにいると、かえって家庭内が重苦しい空気になってしまい、子供によけいなストレスをかけてしまうこともあります。

経済的に不安

女性としてはやはり、離婚を検討する際にその後の生活力を一番に考えるようです。離婚後、女性のほうが親権をもつケースが圧倒的に多く、仕事をもたない専業主婦がいきなりシングルマザーになれば、離婚した次の日から生活に困ることになります。元配偶者から支払われる養育費はあくまでも子供の生活を最低限度保障するためのものであり、母親自身の将来までふくめた金額ではありません。それに、養育費は原則として最長で子供が成人をむかえた段階で途絶えるものであり、その後は女性ひとりですべての暮らしをささえていかなければいけません。離婚後すぐに実家に帰ったり、新しい配偶者と結婚するケースは少数派であり、シングルマザーの多くが離婚して経済的に困窮しているという現状があります。

実家がない

家を捨てて嫁に出る……そんな、ひと昔の流行歌のような結婚のスタイルは現代では少なくなっていますが、それでも、「離婚後は実家に戻れない」と思い詰める女性は今でもいます。それは決して世間体や親戚の目を気にして、という理由だけではなく、そもそも両親の他界によって実家の守り手がいなくなってしまい、戻るべき場所がなくなってしまったというケースもあります。実家に帰れないとなると離婚後は新たな住まいを探さなくてはいけませんが、ある一定以上の年齢の女性は賃貸の契約が非常に難しく、住むところさえ満足に見つからないということがあります。最近はいわゆる「おひとりさま」専用の賃貸などが増えてきており、なおかつ離婚後の単身女性の暮らしをサポートするNPO法人なども充実しつつあるため、かつてのようにいつまでも男性に依存する必要性は薄れてきました。ただし、それでもなお実家がなく戻るべき場所がないというのは女性にとって大きな不安材料のようで、住む場所を確保するだけのためにあえて離婚しない女性もめずらしくありません。

夫が離婚したくない理由

家事ができない

男性にとって離婚後の家事問題は大きな不安材料のようです。今の時代、妻を家事専門の家政婦のようにとらえている男性はさすがに絶滅危惧種だとは思われますが、実際問題として日頃の家事全般を奥さんにまかせている男性は今でも多数派を占めています。とくに、熟年離婚の可能性がある50代以上の男性の場合、昭和の時代の価値観がまだ残っていて、「男は仕事、女は家庭」という結婚生活を貫いてきた人は多いはずです。そんな男性が離婚した場合、その次の日から家事に困ることになるのは目に見えていますから、たとえ結婚生活に不満があったとしてもたいていのことには目をつぶって離婚せずにいるのです。ただし、最近はイクメンブームで家事や育児を当たり前に分担する男性が増えていますから、今後の日本では家事の不安を理由に離婚をためらう男性は少なくなっていくかもしれません。

未練がある

男女で比較した場合、「離婚後も相手に未練がある」とこたえる割合は男性のほうが圧倒的に多いようです。女性の場合、経済的な不安などからぎりぎりまで離婚をためらう傾向がありますが、いったん離婚をして新しい生活をスタートさせたらかつてのパートナーのことはきれいに忘れてしまうことがほとんどです。その一方で、男性の場合はむしろ離婚を決断するプロセスはスピーディですが、別れたあともかつての配偶者への愛情を断ち切れず、「もしかしたら復縁できるのでは……」などとあらぬ期待を抱いてしまうようです。そのような心理から、たとえば相手があきらかに浮気をしている場合でも「本命は自分だ」などと自分に言い聞かせ、離婚をずるずると先延ばしにしようとします。しかし、ほとんどの場合その状態では妻側の愛情はすでに冷めきっており、実際に復縁にいたる可能性はほぼありません。

子供の親権が取れなさそう

父親であれ母親であれ、子供が何よりも可愛いと思うのは同じです。できることなら面会という形ではなく、自分が子供を引き取って育てたいと願う父親も少なくありませんが、現実として父親のほうに親権獲得が認められるケースはごくわずかであり、子供は母親に育てられることがほとんどです。「男は仕事、女は家庭」という伝統的な価値観が色濃く残っている日本らしい実情とも言えますが、子供と同じ家で暮らしたいがために、そして離婚調停では親権がほぼ認められないという現実的な理由から愛情のない結婚生活をいつまでもつづけている男性は決して稀ではありません。

夫と離婚したくない妻がすべきこと

取り乱さない

夫婦のうちのどちらかが離婚に応じない場合、離婚調停に持ち込まれることになります。その際、離婚をさけたい一心でひたすら自分の思いを感情的にまくしたてる女性がいますが、離婚調停においてそれは逆効果です。離婚調停は言ってみれば、「離婚が適当と思われる証拠」と「離婚が不適当と思われる証拠」を突き合わせる場なのですから、論理性もなくただ激情にかられて「離婚したくないんです!」と訴えるだけでは、かえって離婚が適当であるという印象を強めるだけです。また、子供や経済的不安を理由にするのも良くありません。それはつまり「愛のない結婚生活」であることを自分から認めているようなものですから、まさに自分で自分の首を絞めていることになります。日常の話し合いの場面でも冷静さを失っては相手の気持ちが逃げていくだけですので、感情と論理をいったん切り離し、まずは相手を説得するつもりで離婚したくない理由を順序だてて訴えるようにしましょう。

問題点を書きだす

夫のほうから離婚を切り出されて、もしも女性のほうにまだほんのわずかにでも未練が残っているのであれば、これまでの経緯をノートに記録していくことをおすすめします。これは夫婦ふたりで行うべき作業で、女性のどのような態度に不満を感じているのか、離婚を望む直接の理由は何か、どの時点で離婚を決意したのかなど、できるかぎり多くの項目について細かく埋めていくことで夫婦間の問題点が整理され、思わぬ改善策が見えてくる場合があります。たとえば、夫のほうが「夫婦のすれ違いを感じる」と訴えた場合、夕食の時間を調整する、夫婦間でメッセージボードをつくる、休日はできるだけ夫婦の時間をつくるようにする、などのアイディアをノートに書き込んでいき、実現できる可能性をふたりで検討していきます。気持ちが離れているように見えても、ふたりの努力とアイディア次第で離婚回避の可能性は見えてくるのです。

専門家に相談をする

離婚までのどのプロセスにいるかによって、事前に相談すべき専門家の職種が変わってきます。できるだけ離婚をさけたいと考えるのであれば夫婦問題を専門にするカウンセラーに一度相談し、現時点で抱えている問題を整理するとともに、離婚回避にむけた方策を現実的に検討することになります。ただ、カウンセラーへの相談を知られたことでかえって離婚が早まってしまうケースもないとは言えないため、相談にあたっては慎重になる必要があります。

離婚を拒絶することのデメリット

愛情が冷え切ってしまう

夫婦のうちのどちらかが離婚を強く望んでいる場合、もう一方が頑なに離婚を拒絶していると夫婦間の気持ちのすれ違いが大きくなってしまい、日々の暮らしまでもがぎこちなくなってしまいます。また、最初のうちはまったく離婚の意志がなかったとしても、相手から何度も離婚話を持ち出されるうちにうんざりしてしまい、結果的に愛情が冷めきってしまうケースもあります。

子供に悪影響を与える

離婚を考えている夫婦というのはどうしても険悪になるものです。たとえ表面上は仲の良い夫婦を演じていても、子供は敏感に両親の本音を感じ取り、次第にナーバスになっていきます。子供の年齢にもよりますが、ある一定以上まで成長した子供には家庭の現状を包み隠さず伝え、そのうえで今後家族でどうしていくべきかを話し合うのが無理のない選択と言えます。

精神的に辛くなる

明らかに冷めきった夫婦関係の中で無理をして日々の生活をつづけていると、双方ともに肉体的・精神的に追い詰められていきます。言ってみれば本当の欲求にさからって日々を過ごしているわけですから、どこかにひずみが生じるのは当然のことです。場合によっては相手への暴言や暴力につながる可能性があります。子供のため、お金のため、などと考えず、本当に夫婦関係が修復不可能だと感じた場合にはすみやかに離婚に応じることがすっきりした解決策です。

まとめ

離婚は男女ともにエネルギーのいる作業です。理由こそ違えど、離婚をさける根底には「相手を信じたい」という思いが隠されているように思えてなりません。離婚をするにしてもしないにしても、双方が無理をすることなく、その後の人生を充実させられる選択肢を選びましょう。