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【絶対に食べないで】触るだけでも炎症を起こす「カエンタケ」に注意

奈良県生駒市や京都市内で発見されたことで話題にもなった猛毒キノコ「カエンタケ」。トリコテセン類の毒性を持つカエンタケは、皮膚への刺激が強く、触れるだけで炎症を起こします。さらには、誤食してしまった場合、腹痛や痺れ、嘔吐、さらに脳障害や腎不全、呼吸器不全を引き起こし、死に至る症例も多く報告されています。

カエンタケ

出典:PIXTA

カエンタケの特徴

カエンタケは、漢字表記で火炎茸or火焔茸。燃えるような鮮やかで、真っ赤な表面をした高さ3~13cmの毒きのこ。若い時は光沢を持ちますが、のちに退色して紫色を帯びていきます。(内部は白)

硬い肉質、円柱から手の指が伸びたような形状をしています。

カエンタケ

出典:PIXTA

カエンタケ(火炎茸)ニクザキン科ポドストローマ属
Podostroma cornu-damae
子実体:マメザヤタケ型で中型。◆頭部:棍棒形からしだいに枝分かれし、珊瑚形となる。色は鮮やかな朱紅色で、表面は細粒状。肉は白く、硬い革質。◆子のう殻:頭部の表面にある無数の細粒で、内面に子実層がある。◆:頭部と同色で、境が不明瞭。表面は平滑。肉は頭部と同様。◆味・におい:無味。無臭。◆胞子:不定形、小型で、表面は細かい刺でおおわれる。無色。
発生:初夏から秋に、コナラなど、広葉樹の切り株やその近くの地上に発生する。
食毒等:猛毒菌。食後15~30分で嘔吐・下痢などの症状が現れ、やがて腎不全、肝不全、血液凝固などが起き、さらに少脳萎縮という特異な症状が起こる。

出典:都会のキノコ図鑑刊行委員会(2007)『都会のキノコ図鑑』八坂書房

カエンタケ

出典:PIXTA

厚生労働省の呼びかけによると、「ブナ,コナラなどナラ類などの広葉樹林の地上に群生して発生」。

カエンタケ

出典:PIXTA

3つの症例 死に至るケースも

猛毒のカエンタケは、ニュースでも目を覆いたくなるような症例が多く報告されています。

毒きのこの歴史を網羅した『毒きのこ今昔―中毒症例を中心にして』(思文閣出版)には様々な事故が紹介されています。

専門書に位置づけられますが、具体的な経緯からその後の障害までを詳述しており、十分参考になるかと思います。

(症例1)食中毒から1年後、歩行・言語に障害が残る

平成3年(1991)10月26日、山梨県の47歳の男性が、きのこ数cmをてんぷらにして食べたところ、数日後40度以上の発熱、頭髪脱毛、運動機能障害の症状を呈し、医師の診断では小脳の萎縮が認められたと根田仁氏から土居氏に報告された。翌年10月、根田氏が男性に出会ったところ、脱毛はなかったが、歩行・言語にまだ障害が残っているようであった。

出典:2004『毒きのこ今昔―中毒症例を中心にして』思文閣出版

(症例2)ベニナギナタタケと誤食し、死亡も

一見すると似ている食用キノコ「担子菌ヒダナシタケ類のベニナギナタタケ」と誤って口にしてしまったケースがあります。

ベニナギナタタケ

出典:PIXTA

○平成12年(2000)10月12日、山形県西置賜群小国町で1人がベニナギナタタケと思い、油炒めをして誤食、中毒症状を発症。
○平成12年(2000)10月13日、群馬県吾妻郡中之条町で2人がベニナギナタタケと思い、油炒めをして誤食、2人とも中毒症状を発症。うち翌日1人が死亡。

出典:2004『毒きのこ今昔―中毒症例を中心にして』思文閣出版

ベニナギナタタケはカエンタケよりも色が薄く、肉質がやわらかく、先端や根元が細いのが特徴。しかし、絶対的な判別方法ではありません。

(症例3)きのこ酒として飲み干し、重症・死亡

酒器

出典:PIXTA

採集してから日時が経過して小豆色に赤黒く変色した棒状の1本と、二又のもの1本(各5~6cm、太さ1cm)のカエンタケが、どうしたことか、またいろり風のテーブルに置かれていた。旅館に来ていた5人の男性が、2.5cm~3cm程度にちぎり、ぐい飲みに入れてきのこ酒として飲み干し、酒器の中の残りを摂食。5人は30分経過した頃から腹痛、嘔吐、下痢などの胃腸障害、悪感、頭痛、手足の痺れなどの症状を呈し、全員が医療機関で受診、うち3人が重症で入院。
 3人のうち58歳の男性(農業従事者)は、摂食30分後前述した症状によりM病院受診、輸液などの治療後帰宅したが、翌日も症状の改善はなく、口渇、痺れを訴え腎機能障害の疑いで再入院。
(中略)
ショック状態となり、脳障害、瞳孔散大、対光反射消失、脈拍低下、無尿、血圧低下のまま血液透析不能となり、午後8時43分循環器不全、腎不全により、摂食2日後に死亡。
◎死亡を逃れた症例
 入院していた3人の患者を含め全員に嘔吐を認めたほか、下痢(4人、80%)、悪感(3人、60%)、口内潰瘍(3人、60%)、腹痛、頭痛、めまい、痺れ、10日後より脱毛、脱皮(以上2人、40%)、発熱39度(1人、20%)の諸症状を認めた。なお口の痺れ、口内炎、口内潰瘍、四肢顔面の脱皮は1~2日後に発症した。吐物のかかった部位も皮膚炎を発生したと推定される。頭髪の脱毛が患者の一部に見られた。

出典:2004『毒きのこ今昔―中毒症例を中心にして』思文閣出版

「きのこを酒に浸すとおいしいと他の客が話しているのを聞いて、試してみようと思った」

薬用きのこと勘違いし毒きのこを服用。カエンタケをひたした酒を飲んでしまった悲惨な事故です。

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