ニキビはパックをすると悪化する?
日々の基本のスキンケアだけでは保湿が足りない、また肌がくすむ・毛穴が気になるといったとき、「フェイスパック」が効果的な場合があります。パックは保湿やブライトニングなど、複数の効果が期待できるスキンケアアイテムです。たっぷりの美容液を肌に浸透させることができ、なかにはニキビの予防・改善のために使用している方もいます。
その一方で、「パックを使用するとニキビが悪化してしまう」「ニキビが落ち着くまでは使用しないほうがいい」といった意見も。実際、ニキビができている場合にはパックはしてもいいものなのでしょうか。
パックの成分によってはアクネ菌を増やす
パックには保湿効果を得るための成分が複数配合されています。そういった成分をしばらく肌の上に乗せることで、通常のスキンケアでは得にくい高い保湿効果が期待できるのです。ただし保湿成分のなかには、ニキビの原因となるアクネ菌が好むものもあることに注意しなければなりません。
特に動植物由来の油性成分はアクネ菌が好む傾向にあり、パックをすることでニキビを悪化させてしまう恐れがあります。このため「ニキビがあるときにパックは厳禁」というよりも、「成分を見てパックを選ぶ必要がある」という認識が正しいでしょう。
パックを肌からはがす際にダメージが…
肌に密着させて使用するタイプのパックには、保湿効果に優れた成分がたっぷりと含まれています。そのため剥がす際に、肌へ負担がかかることは少ないでしょう。しかし規定時間よりパックを長く置いておいた場合、肌を余計に乾燥させてしまうのです。
特にニキビができているときは、はがす際にニキビに刺激を与えるほか、ニキビを引き抜く恐れもあります。これによって炎症が悪化する可能性もゼロではありません。
また塗って洗い流すタイプのパックのなかには、ピーリング効果を持つ成分が配合されている場合もあります。こういったパックは刺激が強く、肌を傷つけてしまう原因になるでしょう。
シートタイプのパックもNG
パックのなかでも、シートタイプは気軽に使用できるアイテムです。しかしニキビができている間は、あまりおすすめできません。
シートタイプのパックを肌に置いていると、角質層が過剰にふやけ、肌のバリア機能は低下してしまいます。これによってアクネ菌が増殖しやすくなり、炎症を起こしている場合はより悪化することも。人によってはかゆみが起こるかもしれません。
また先述したとおり、シートを剥がす際にニキビも一緒に引き抜いてしまうことがあります。開いた毛穴に雑菌が侵入してしまっては逆効果です。さらにはニキビを強く引き抜くことで、痕にもなりかねないでしょう。
また、シートマスクの正しい使い方を理解し、効果を高めるためにも以下の記事もチェックしてみてください。
シートマスク、正しく使ってる?基本的な使い方と効果アップのポイントを解説
パックがニキビに有効な要素とは
パックの使い方によっては、ニキビを悪化させたり、引き抜いたりしてしまう可能性があります。とはいえ、パックのすべてがニキビに対して悪影響を及ぼすというわけではありません。成分の見極めと、正しい使い方を覚えておけば、ニキビ改善・予防に役立てることも可能です。
具体的にどのような商品を選ぶと良いのか、ポイントをご紹介します。
抗炎症作用
ニキビが赤く炎症を起こしている状態であれば、抗炎症作用を持つ成分を含むパックを選びましょう。ブライトニング効果が期待できるクレイを使用したパックなどは、ミネラルを多く含んでいます。
クレイとはそもそも天然の泥のこと。毒素を排出する働きがあり、抗炎症作用が特徴です。また植物成分で抗炎症作用を持つものもあり、ローズマリーエキスなどが例として挙げられるでしょう。このような成分を含むパックなら、使用によってニキビの改善に役立てられそうです。
ただし通常パックとは、クレイやローズマリーエキスのほかにも複数の成分を含んでいるもの。そのなかにニキビに悪影響を及ぼすような成分があれば意味はありません。「ニキビ肌」「抗炎症」といった記載のあるものを探してみてください。
古い角質除去
肌のターンオーバーが乱れていると、ニキビができやすくなります。こういった肌は古くなった角質がいつまでも残ってしまい、肌もくすんで見えがちです。パックのなかには古い角質を除去する働きを持つものがあり、こういったパックを使用してニキビの予防・改善を図ることもできます。
たとえば上述したクレイのほか、炭酸ガスなどは古い角質を除去する働きが期待できるでしょう。ただし炎症がひどい状態で使用すると刺激が強すぎて、ニキビに対し悪影響を与えることもあります。これらのパックは、炎症が落ち着いた状態での使用がおすすめです。
また、古い角質を取り除くことが期待できる「重曹洗顔」の記事もチェックしてみてくださいね。
毛穴詰まりの解消
毛穴に過剰な皮脂や汚れが詰まり、そこにアクネ菌が繁殖することでニキビはできます。特に女性はメイクによる汚れが溜まりやすいもの。パックのなかには、こうした毛穴汚れの除去に効果的なものも多くあります。
ニキビ予防にも効果を期待できますが、強く毛穴の詰まりを解消するようなパックは避けなければなりません。ニキビを引き抜いてしまう可能性があるほか、肌に必要な皮脂までとってしまう恐れがあるためです。
毛穴に溜まった不要な汚れだけを優しく除去できるよう、刺激の少ないパックを週1~2回程度使用すると良いでしょう。
ニキビに有効なパックの種類
ニキビができている肌は多くの場合、バリア機能が弱まっていて刺激に対し敏感です。パックによってニキビの症状を悪化させてしまわないよう、成分や効果は十分に見極めましょう。
ここからは、数多く販売されているパックのなかでも、ニキビ肌の改善・予防効果が期待できて、かつ刺激になりにくい種類を3つご紹介します。お買い物のヒントにしてみてください。
クレイ(泥)パック
ペースト状のパックに配合されていることが多いクレイは、天然のミネラルをたっぷりと含んでいます。そのため肌に優しく、安心して使用できるでしょう。
クレイには毛穴に溜まった汚れを除去し、肌の明度を上げたり、また抗炎症効果や保湿だったりと、さまざまな効果が期待できます。ただしクレイにもいろいろなタイプがあり、なかでも敏感肌にも使用できるようなパックを選ぶことが大切です。
炭酸パック
パックといえば美容液をたっぷりと含んだシートタイプが一般的ですが、その美容液に「炭酸ガス」が溶けこんだものも登場しています。炭酸ガスには血行促進効果があり、肌のターンオーバーを整えてくれるのが特徴です。ターンオーバーが乱れると肌トラブルが起こりやすくなるため、炭酸パックはニキビ予防に役立つでしょう。
また炭酸には新陳代謝を高める効果が期待でき、ニキビができてしまった肌の改善も目指せそうです。ただし肌の状態によっては、炭酸による刺激が感じられる場合もあります。炎症やかゆみを伴った赤ニキビ・黄ニキビがある方は、様子を見ながら使用してみてください。
ニキビ用パック
ニキビ専用のパックも多く販売されています。どちらかというとさっぱりとした使い心地のものが多く、保湿成分や抗炎症成分が複数配合されているのが特徴です。ニキビの原因が乾燥から来ている場合は、保湿重視タイプを選んでみてください。
また、ニキビ用パックにはビタミンCが配合されていることも多くあります。これは美肌効果や抗酸化作用、毛穴の引き締め効果を期待できる有効成分です。ニキビができている方だけではなく、今後ニキビができないようにするための予防に使用するのも良いでしょう。
ニキビに効くおすすめ商品
上述したとおり、ニキビに対してはどのようなパックを使っても良いわけではありません。ニキビの症状を悪化させず、予防と改善に役立つ成分配合のものを選択する必要があります。
ここからは、ニキビに対して効果的な商品をピックアップしてご紹介しましょう。
クレイ(泥)パックのおすすめ
アルジタル グリーンクレイペーストは、クレイパックのなかでも肌への刺激を感じにくく、優しい使い心地が特徴的です。死海のクレイを使用しており、ニキビ肌に対しても安心して使用できます。
毛穴に溜まった汚れをクレイが優しく吸着し、しっとりとした肌に導いてくれるでしょう。
炭酸パックのおすすめ
美容成分に炭酸が含まれた炭酸パックのなかでも、ニキビ肌にも使用できるのがSing(シング)オーガニック炭酸ホワイトパックです。オーガニック成分を多く配合しており、優しい使用感が敏感肌に適しています。
また毛穴に溜まった汚れの除去効果も、炭酸パックの大きな魅力。ブライトニング効果によってくすみがちな肌を明るく見せ、透明感あふれる状態に導いてくれます。
ニキビ用パックのおすすめ
LUSH フレッシュフェイスマスクは、炎症を起こしている肌でも刺激を感じにくく、安心して使用できるニキビ用パック。低刺激かつ、すっきりと気持ちいい使用感が人気を博しています。
オーガニック由来の成分が複数配合されており、肌を優しくしっとりとした状態に導いてくれるでしょう。水分と油分のバランスを整える効果が期待できるため、オイリー肌の方にもおすすめです。
パックの前にはきちんと洗顔を
パックの使い方として、洗顔後の肌がきれいな状態で行うことが基本です。このとき洗顔フォームの刺激が強かったり、洗浄力が弱く汚れを落としきれていなかったりすると、せっかくのパックも思うような効果が期待できません。
ルナメアACは、大人ニキビに特化したスキンケアシリーズ。なかでも洗顔料のファイバーフォームは、濃密な泡が毛穴汚れをきちんと落としてくれます。しつこいあごニキビやフェイスラインのニキビにもアプローチ可能です。
まとめ
ニキビになっている肌は敏感で、刺激に対してとても弱くなっています。そんな状態で、やみくもにスキンケアを行っても逆効果になってしまうでしょう。パックを使用する際も、成分をしっかりとチェックすることが大切です。
もちろん適切なパックを選べば、肌トラブルの改善を目指すこともできます。こちらでは、ニキビがあっても使用しやすい優しい成分配合の商品をいくつかご紹介しました。自分の肌質と相談しながら、正しいスキンケアを心がけましょう。