《肥満細胞と脂肪細胞》体の組織をしっかりと理解して正しく痩せよう◎

肥満やダイエットに関心が高い方は、肥満細胞と聞いただけで肥満を促進する細胞であるとイメージすることでしょう。しかし、肥満細胞は、肥満という名前がついているもののアレルギー反応と関連の深い細胞であり、肥満とは全く関係のない細胞です。誤った知識でダイエットに取り組んでも効果は得られません。

肥満細胞について知識を得ることは、花粉症などのアレルギー性疾患のメカニズムを知り、効果的な対策をすることにつながります。もそこで、肥満細胞の特徴やメカニズム、肥満と密接な関わりのある脂肪細胞の特徴やメカニズム、効果的に痩せるためのアプローチの仕方などについて解説します。

肥満細胞について

 

肥満細胞ということばから、肥満を促す働きをする細胞をイメージしがちですが、実は、細胞の姿に由来した名前というだけで、肥満とは無関係の細胞です。理論的な思考からダイエットを目指そうとする方にとっては間違いやすい名称と言えるでしょう。それでは、肥満細胞の正体とは何なのでしょうか。

肥満細胞は、細胞アレルギー発症のメカニズムに深い関りがあるとされており、アレルゲンの侵入に反応してさまざまなアレルギー反応を引き起こす原因とも言われています。肥満やダイエットと関連のあることばではなく、花粉症などとの結びつきが強いものです。肥満細胞ということばだけでとらえると誤って認識してしまうことがあるため、その特徴やメカニズムをしっかりととらえておく必要があります。

マスト細胞とも呼ばれている

肥満細胞は、別名マスト細胞とも呼ばれており、造血幹細胞でつくられるものです。気管支や鼻粘膜、皮膚などのさまざまな組織に存在しており、血管の周りに集中していることも特徴の一つとなります。これまで特に意識したことはないでしょうが、肥満細胞は生体防御のための大切な細胞です。肥満細胞という名前ではありますが、生体を維持するためには不可欠な細胞です。

花粉症になるとくしゃみや鼻水が止まらずきつい症状が長く続きます。肥満細胞は、このようなアレルギー症状の原因物質を多く含んでおり、アレルギー体質の方にとっては厄介者です。しかし、外部から病原菌などが侵入した際に、免疫反応を起こすことで体を守るという大切や役割を担っているものでもあります。

造血幹細胞から由来している細胞

造血管→造血幹
肥満細胞は、造血幹細胞のなかでつくられるものであり、外界と接触しやすい組織の粘膜などに多く存在しています。炎症や免疫反応などと深い関りがあり、体を守る重要な役割を担っています。アレルギー反応は、体に侵入してきた病原菌や異物などと闘うためにヒスタミンを放出することによって起こるものです。

肥満細胞は、造血幹細胞由来の細胞であるとともに白血球の一種でもあります。白血球は、リンパ球や顆粒球、単体の総称であり、骨髄で産生されます。造血幹細胞は、血液細胞のもととなる細胞であり、造血幹細胞からさまざまな血液細胞へと変化して血液中に放出されています。

血管や皮膚や免疫組織に存在している

結果→血管
肥満細胞は、外部からの異物の侵入から体を守る役割を担っており、アレルギー反応も異物を撃退するための反応が過剰に表れるものです。肥満細胞は粘膜や気管支などとともに皮膚にも存在しています。蕁麻疹や炎症などで皮膚の異常を感じたことがある方は多いでしょうが、そのほとんどが皮膚に存在する肥満細胞によって引き起こされているのです。

角質層は皮膚の最も外側の部分であり、その下に表皮、真皮があります。肥満細胞は真皮部分にあり、麻疹などの原因となるヒスタミンを蓄えており、外部からの刺激が加わることでこのヒスタミンを放出するという免疫作用に関わっています。ヒスタミンが皮膚の毛細血管に作用することで、皮膚にミミズ腫れや湿疹などができます。

肥満とは無関係

肥満細胞は細胞の見た目が肥満を連想させることから名前がつけられていますが、実際には肥満とは無関係です。細胞のなかに顆粒状のヒスタミンやプロスタグラディン、セロトニンなどのさまざまな物質を含んでおり、免疫作用に深く関わっています。肥満の原因となる脂肪を蓄積したり、燃焼させたりする作用は一切ありません。

肥満と直接結びつきがあるのは肥満細胞ではなく脂肪細胞です。幼児期に体が大きく成長する過程で脂肪細胞の数が増加します。このときできる脂肪細胞の数は生涯にわたって減少することがないと言われており、運動不足やカロリーの過剰摂取などによって肥大化することによって肥満傾向になります。太りにくい体質に改善したいのであれば、いかに脂肪細胞を大きくしないかということが重要になってきます。

脂肪細胞の特徴を理解して上手く痩せる

肥満やダイエットと関連するのは肥満細胞ではなく脂肪細胞です。脂肪細胞は、脂肪の合成や分解、蓄積などに関わっている細胞で、細胞に異常が認められたり、脂肪を蓄積する量が増加したりすることによって肥満傾向になると言われています。

効果的に痩せるためには、白色脂肪細胞、褐色脂肪細胞という2つの脂肪細胞の特徴を理解するとともに、内臓脂肪や皮下脂肪を燃焼させるために効果的な運動を継続することが大切です。そこで、白色脂肪細胞、褐色脂肪細胞へのアプローチの仕方と効果的な運動について説明します。

褐色脂肪細胞と白色脂肪細胞の違い

脂肪細胞には、脂肪の合成、分解、蓄積という3つの働きがあります。また、脂肪細胞には2つの種類があり、褐色脂肪細胞には過剰摂取した脂肪をエネルギーとして放出する作用があります。幼児期に最も多く加齢とともに減少するとされており、一度減少した細胞は基本的に増えることはありません。

白色脂肪細胞は、過剰な脂肪を体内に蓄える働きがあります。胎児期から思春期にかけて増殖しますが、細胞の数には個人差があり、多く保有している人ほど蓄積される脂肪の量が多くなり、肥満につながるとされています。肥満を解消するためには、白色脂肪細胞の働きを抑制するとともに褐色脂肪細胞の働きを活性化する必要があると言えるでしょう。

褐色脂肪細胞を働きを活発化させる

褐色脂肪細胞は、体温維持や余分なエネルギーを燃焼させる働きがあり、白色脂肪細胞とは逆の作用があります。褐色脂肪細胞の働きが活性化されれば、エネルギー消費量が増大するため太りにくくなります。

日本人のなかには、褐色脂肪細胞に関わる遺伝子に異常がある割合が約3割と高く、基礎代謝量が低くなって太りやすい体質の人が多いと言われています。

遺伝子に異常がある場合には、摂取カロリーだけ気を付けていても実際に消費されるエネルギーが少なくなるため、食事制限と体重減少が比例しない場合があります。褐色脂肪細胞の働きをできるだけ活発にすることが必要です。

肩甲骨ストレッチをして余分な脂肪を燃やす

食事制限や筋トレなどに取り組んでもなかなか痩せないという人もいるでしょう。筋肉が消費するエネルギーが最も大きいため、筋肉を鍛えて消費カロリーを上げようとするのが一般的です。その一方で、ストレッチという楽な運動で脂肪燃焼を目指すのが肩甲骨ストレッチです。

肩甲骨の周辺には、脂肪を効果的に燃焼させる褐色脂肪細胞があります。肩甲骨ストレッチは、肩甲骨を伸ばしたり縮めたりすることで、褐色脂肪細胞に刺激を与えて働きを活性化することで脂肪を燃焼しやすい体にすることが目的となります。また、ストレッチを続けることで基礎代謝を高め、老廃物の排出にも効果があります。

水泳をして体温を上げようとする体の機能を利用

さまざまな運動のなかでも、全身をまんべんなく動かすことができるとともに水中で行うため体にかかる負担が軽減され、腰痛防止などにも効果的であるとされているスポーツが水泳です。老若男女を問わず運動を行うことができ、心肺機能も同時に鍛えられるというメリットもあります。

脂肪分解に深く関連する褐色脂肪細胞はその働きを活性化させることで太りにくい体質に変えることができます。その方法のひとつに「寒冷刺激」があります。体温や外気温よりも低い水の中で行うことにより、体が体温を上げるために脂肪を燃焼しようとする働きが活性化されます。

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白色脂肪細胞を縮小させる

白色脂肪細胞は、余分な脂肪を貯蔵庫のように体内に蓄積する働きがあります。体のさまざまな部分に存在していますが、特に、下腹部や尻、太ももや上腕、内臓などに多くあり、皮下脂肪、内臓脂肪となって中年太りの大きな原因にもなります。

白色脂肪細胞の数は幼児期に決まっており、その後減少することがないためいかに肥大化させないようにするかがカギとなります。そのためには、脂質や糖質を抑えてカロリー摂取量を少なくすること、有酸素運動などで基礎代謝をあげることなどが必要となります。また、脂肪燃焼を促す褐色脂肪細胞を増やすことでも縮小させることが可能であると言われています。

自分の肥満遺伝子のタイプを見極める

運動や食事療法を積極的に取り入れても思うように肥満を解消することができない場合は、肥満と関係する遺伝子に着目することが必要です。この遺伝子の違いによって1日当たり200キロカロリーも基礎代謝が変わるので、軽視できるものではありません。

自分がどのような遺伝子タイプなのか肥満型なのかということは、表面的なことで判断できることではありません。最近では、自宅で簡単に遺伝子タイプを調べることができる検査キットを購入することができるので、一度調べてみてはいかがでしょうか。自分の遺伝子タイプを理解したうえで効果的な対策を行えば、努力が無駄になるということはないでしょう。

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まとめ

肥満細胞とは、造血幹細胞由来の細胞であり、粘膜や気管支、皮膚などに多く存在する白血球の一種です。アレルゲンなどの異物が体内に侵入してきた際に、撃退するためにヒスタミンなどの物質を放出することによって、炎症や免疫反応を示します。

一方、肥満と関連のある細胞は脂肪細胞であり、脂肪燃焼を担う褐色脂肪細胞と脂肪を蓄積する白色脂肪細胞の2種類があります。効果的なダイエットをするためには、褐色脂肪細胞の働きを活性化すること、及び白色脂肪細胞を縮小させることが必要となります。