断食中に頭痛が起こる理由
ミネラル不足
断食は体への栄養補給を意図的に断つという行為ですから、エネルギーとともにミネラルやビタミンまでもが日に日に失われていくことになります。
普段からバランスの良い食生活を心がけ、ミネラルやビタミンをしっかり補充していればとくに問題はないのですが、もともとミネラルが不足している状態でさらに断食を行ってしまうと、ただでさえ足りないミネラルがいよいよ枯渇することになりますから、それに付随して頭痛などの不快感が引き起こされることになります。
断食中であっても水分補給に制限はありませんので、ミネラルウォーターなどを意識的に飲むことによりミネラル不足を解消しましょう。
低血糖
断食中にもっとも影響を受けやすいのが血糖値です。普段から炭水化物を摂りすぎている人ほど断食による頭痛を起こしやすくなると言われており、頭痛そのものも深刻化しやすいと言われています。
とくに、糖尿病を併発している状態で断食をつづければ血糖値がコントロールできなくなり、最悪の場合は昏睡状態に陥る危険性もあるため、糖尿病を抱えている場合は断食を行う前に必ず専門医の診察を受け、医学的な指導の下で食事量のコントロールを行うようにしましょう。
炭水化物不足
炭水化物が体内で変換されてできるブドウ糖は、脳にとって唯一のエネルギー源です。断食を行うと当然のことながら炭水化物の摂取量がきびしく制限されることになるため、断食にあまり慣れていない人の場合は炭水化物が不足することによる頭痛に悩まされることがあります。
急激な変化のためダイエットの副作用と考えがちですが、断食にともなう頭痛はたいていの場合一過性のものであり、無理のないかたちで断食をつづけていれば自然と体のほうがその状態に適応し、極端な頭痛を引き起こしにくくなります。
ただし、頭痛があまりにも頻繁に起こったり、日常生活に支障をきたすほどの痛みが生じる場合にはただちに断食を中断し、専門医による診断を受けるようにしましょう。
ホルモンバランスの崩れ
現代人はただでさえホルモンバランスが乱れがちであると言われています。断食を行うと必然的に体内に供給されるエネルギーが少なくなるため、ホルモンの原材料も不足することになり、一時的なイライラや焦燥感につながる可能性があります。
ホルモンバランスの乱れは代謝バランスの乱れにもつながり、結果として痩せにくく太りやすい体質が形成されてしまいます。断食を行う際には必ず事前にホルモンバランスをチェックし、何らかの異常が見られるようであればまずホルモンバランスを正常化するところから取り組んでみましょう。
断食中の頭痛を抑える食べ物
はちみつ
はちみつというと糖質が多いイメージが強く、断食には不向きであると思われがちです。しかしながら、はちみつから得られる糖質はすぐにエネルギーに変換できる種類のもので、なおかつ少量で充分なエネルギーを補給できるため、断食中であっても積極的に摂取すべき食品として勧められています。
また、はちみつには免疫力を高める効果があり、全身の代謝効率も格段にアップするため、脂肪を効率よく燃焼させることのできる体質をつくりやすくなると考えられています。
梅干し
梅干しに頭痛をやわらげてくれる効果があることは、日本でも古くから知られていました。梅干しには「ベンズアルデヒド」とよばれる鎮痛成分がふくまれており、その成分が体内で作用することによってしつこい頭痛がやわらいでいく、というメカニズムなのです。民間療法としても有名な「梅干しをこめかみに貼る」というアプローチは医学的にも理にかなったメソッドであり、現代医学においても充分に通用すると考えられています。
しかしながら、ベンズアルデヒドは空気中から鼻腔内に吸収されるため、必ずしもこめかみに貼る必要はなく、梅干しの匂いをかぐだけでも充分に鎮痛効果が得られると言われています。
より効率よく鎮痛効果を得たいのであれば梅干しをジュースにし、毎日適量を摂取することで断食中に起こりがちな頭痛を予防することができます。梅干しには高い疲労回復効果もあるため、エネルギー制限によって疲れが溜まりやすい断食をストレスなく乗り切るうえで非常に役立ちます。
正しい断食を覚えられるアイテム
薬のいらない体は、酵素がつくる! (知的生きかた文庫)
断食の効果を最大限に引き出すと言われている酵素。酵素とは本来体内の化学反応を媒介する物質のことで、代謝酵素や消化酵素など、いくつかの種類に分類されています。
この本では酵素が人体において果たす役割やダイエットとの関連性が非常に平易な言葉で解説されており、「酵素を摂るとなぜ痩せやすくなるか」ということが専門的に理解できる仕掛けになっています。
断食中であるからこそさまざまな酵素のはたらきを活性化させることがより無理なく痩せるための最善のアプローチなのです。
なぜ、「おなかをすかせる」と病気にならないのか?
日本では昔から、食事において「腹八分」がちょうど良いとされてきました。最近ではさらに研究が進み、「腹七分」を毎日実践することでエネルギーを無駄なく消費できる体質づくりにつながると考えられるようになってきています。
断食はまさにこの基本理念に則ったメソッドですが、本書では断食の具体的なメソッドを細かく紹介するだけでなく、空腹感と代謝の関係についてもきちんと医学的に解説しているため、根本のメカニズムを把握したうえで自分に合った断食について考えられるような構成になっています。
奇跡を呼び込んだ断食: 明るい未来が自然と開けていく不思議
断食を神秘的なものとしてとらえ、具体的な体験談を豊富に紹介しているのが本書の大きな特徴です。
もちろん、断食の理論やメカニズムについても論理的に説明されており、ダイエット初心者でも「なぜ痩せるのか」という根本的な部分について理解したうえでその先のメソッドを積み上げていくことができます。
ポジティブな目線から書かれているため読んだだけで前向きな気分になり、慣れない断食にも楽しみながら取り組むことができると女性の間でとくに評判になっています。
まとめ
断食によって頭痛が起きるのは、体がエネルギー不足に適応しようとしている自然な反応ですからたいていの場合は問題ありません。
ただし、頭痛があまりにも頻繁に起こったり、決まった時間に必ず起こったりするようであれば断食以外の深刻な原因が考えられますので、ただちに断食を中止し、専門医の診断を受けるようにしましょう。
無理なくつづけられる断食のメソッドについては、今回御紹介した専門書をぜひとも参考になさってください。