脂肪酸を理解して正しく無理なくダイエット!

最近、ダイエット雑誌やテレビ番組などで聞く機会の多くなった脂肪酸。「体に良い脂肪酸と悪い脂肪酸がある」ことは何となく知ってはいても、脂肪酸の役割や代謝のメカニズムについては案外よく知らないまま通り過ぎていることが少なくありません。脂肪酸の種類や意味、効果的な摂取方法についてまとめました。

脂肪酸の役割

体のエネルギー源

脂肪酸は大きく、「飽和脂肪酸」と「不飽和脂肪酸」に分類されています。意外と知らないことですが、飽和脂肪酸のほうは体のエネルギー源としての役割を担っており、牛肉や動物性の脂などに豊富に含まれています。

健康番組などではよく、飽和脂肪酸は肥満につながると言われていますが、まったく摂取しないのも問題で、体内で正常にエネルギーをつくりだせなくなってしまいます。過剰摂取は数々の弊害をもたらしますが、大切なのは飽和脂肪酸と不飽和脂肪酸をバランスよく摂取することで、どちらか一方が不足しても結局は太りやすい体質につながってしまいます。

細胞膜をつくる

飽和脂肪酸にはもうひとつ、コレステロールとともに細胞膜の原料になるという役割があります。わかりやすく言えば飽和脂肪酸やコレステロールが極端に不足すると細胞そのものがつくられなくなるということですから、このふたつがいかに人体において重要なはたらきを担っているかがわかります。

「ダイエットの敵」というイメージからついつい敬遠しがちな飽和脂肪酸ですが、実は体の調子を細胞レベルでととのえてくれる立派な役割をもっているのですね。これだけ体にとって役に立っている飽和脂肪酸がなぜ、ダイエットの敵として退けられてしまうのでしょうか。キーワードは、脂質です。飽和脂肪酸は牛肉や卵など、脂質、コレステロールの多い食品に豊富に含まれています。

つまり、飽和脂肪酸を摂取するということは、同時に過剰な脂質を摂取してしまうリスクがあるということです。脂質は体内で蓄積されやすく、過剰に蓄積された脂質はすぐに脂肪へと変化します。いったん定着した脂肪、とくに内臓脂肪は中途半端なダイエットではなかなかとれません。痩せやすく太りにくい体質を手に入れるためには、飽和脂肪酸の摂取量を必要最低限にとどめ、かわりに不飽和脂肪酸を意識的に摂取する必要があるのです。

脳を活性化する


飽和脂肪酸とは反対に、積極的に摂取したほうが良いとされる不飽和脂肪酸。青魚に多く含まれるDHAやEPAなども不飽和脂肪酸の一種で、摂取することで脳の血流を促進し、脳細胞の活動を活発にしてくれます。

「青魚が脳に良い」といわれるのはこのはたらきによるもので、とくにお年寄りが意識的に摂取することにより認知機能の一部が回復し、記憶力や判断力が良くなるという研究データがあるほどです。成長期の子どもにとってもDHAやEPAは必須の栄養成分で、思春期のうちに摂取しておくことで成長してからの脳細胞の活性化レベルが肉食中心の子どもと比較して大きな開きがあるという研究データがあります。

日本人にいわゆるアルツハイマー型認知症の割合が少ないのは、肉食がメインの欧米諸国に比べて青魚を日々の食事のなかで摂取する機会が多く、DPAやEPAなどの不飽和脂肪酸を無意識のうちに体内に取り込んでいたためであるとも考えられています。

2000年代以降、子どもの低血圧やお年寄りのアルツハイマー型認知症が増えているのは、食生活の欧米化によって不飽和脂肪酸にかわって飽和脂肪酸の摂取量が増えたことも一因として指摘されています。

免疫力を上げる

不飽和脂肪酸のはたらきは幅広く、毎日適量を摂取することで免疫システムを活発にしてくれる役割があることも知られています。また、脳細胞に直接はたらきかけるだけでなく全身の血流を活発化してくれるため、末端冷え症を解消し、基礎体温を上昇させることで細菌を排除しやすい土壌をととのえる効果もあります。

同じ青魚でもイワシやサンマは脂身が少なく、なおかつ不飽和脂肪酸を効率よく摂取できるダイエット食品として女性たちの間でよく知られています。脂身をぎりぎりまでそぎ落とすためには煮魚よりも焼魚が最適で、ほどよく焦げ目をつけて余分な脂をそぎ落とすことでさらにヘルシーで食べやすい味わいに仕上がります。

青魚の風味がどうしても苦手という方はマグロやカツオ、あるいは植物油などにもDHAが多く含まれていますので、さまざまなアプローチによって無理なく摂取することができます。

体の調子をととのえる


一般的に「体の調子をととのえる」といえば、風邪をひきにくくなるということです。不飽和脂肪酸の代表格ともいえるDHA、EPAには免疫力を活性化するはたらきがあり、なおかつ全身の血流を促進してくれるため、熱エネルギーを効率よく循環させやすくなり、細菌や老廃物を排出しやすくします。

また、朝食に青魚をつけることで午前中から脳のはたらきが活性化し、俗にいう「朝礼低血圧」などの子どものめまい、朝からぼーっとして仕事に取りかかれないなどの不調をとりのぞく効果もあります。「朝食を毎日欠かさず食べるべき」というのはすなわちDHAなどの不飽和脂肪酸を早い段階で体内に取り込んだほうが良いということでもあり、朝食を食べない子どもと食べる子どもの差はここに表れると考えられています。

煮る、焼く、蒸す、刺身と肉料理にくらべてメニューのバリエーションが豊富な魚料理は毎日飽きることなく食べることができ、野菜も一緒に摂取できるためトータルの栄養バランスが自然とととのえられるというメリットもあります。

脂肪酸の種類

飽和脂肪酸

意外にも、飽和脂肪酸は体のエネルギー源としての役割を果たしており、牛肉や動物性脂肪などに豊富に含まれています。飽和脂肪酸の過剰摂取は肥満や生活習慣病につながりますまったく摂取しないと体がエネルギーを作り出せなくなるという問題が生じます。飽和脂肪酸はおもに、牛肉や卵など、脂質やコレステロールを含む食品に豊富に含まれています。

換言すれば、飽和脂肪酸をとることは、同時に脂質を溜め込む危険性があることを意味するのです。脂質は体内に蓄積しやすく、なおかつ、余分に蓄積した脂質は急速に脂肪に変化します。脂質の過剰摂取は多くの有害な影響をもたらしますが、最も重要なことは、飽和脂肪酸と不飽和脂肪酸をバランスよく取り込むことです。そのうちのいずれかひとつが不足していても、最終的には太りすぎの体質になってしまいます。

不飽和脂肪酸

青魚に含まれるDHAやEPAも不飽和脂肪酸の一種であり、摂取することにより脳の血流を促進し、脳細胞活性化させます。DHAとEPAはまた、成長期の子供にとって不可欠な栄養成分であり、学童期のうちに積極的に摂取することによって脳細胞がより活性化し、勉強の効率が高まるというデータがあります。

また、脳細胞に直接作用するだけでなく、全身の血流を活性化させるので、体温を上昇させ、細菌を容易に排除しやすい体にしてくれます。不飽和脂肪酸を代表するDHA、EPAは、免疫の活性化、体内の血流促進などの作用があり、熱エネルギーを効率よく変換する効果が期待されています。

忙しくても朝食を毎日摂ることで、DHAのような不飽和脂肪酸をコンスタントに体内に取り込むことができ、なおかつ野菜も効率よく摂ることができるので、栄養バランスが改善されていきます。

どちらも体にとって大切

健康番組などの影響で、どうしても「飽和脂肪酸は体に悪い」というイメージが固定化されているようですが、実際は飽和脂肪酸だけが悪者であるというわけではなく、むしろ、体をエネルギッシュに保つためには飽和脂肪酸の摂取が不可欠となります。

肝心なのは摂取量のバランスであり、肉と魚、野菜を毎日偏りなく食べていれば栄養バランスがまずくずれることはありません。健康診断などで要注意と診断された方はまず、毎日の食事バランスから見直し、幅広い栄養素を過不足なく摂取できるようなダイエットメニューを心がけましょう。

飽和脂肪酸を多くふくむ食品

牛肉


飽和脂肪酸が体にとって良くないと言われるのは、脂質も同時に過剰摂取してしまうためです。とくに焼肉でラードをたっぷりつけた脂身を大量に摂取するとあっという間に飽和脂肪酸が許容量オーバーになり、体内には余分な脂肪がたっぷりと蓄積されてしまいます。一般に動物性の脂肪は植物性よりも少量で効率よく蓄積されてしまうため、目安として魚8、肉類2、くらいのバランスで食事に組み込むのがダイエットのうえでは良いとされています。

完全食品といわれる卵ですが、裏を返せばカロリーオーバーになりやすいということでもあり、1日の目安摂取量を厳格に守らなければ太りやすい体質につながるどころか、動脈硬化などの生活習慣病を引き起こしてしまいます。

飽和脂肪酸とともにコレステロールの過剰摂取も問題視されており、すき焼きでは定番の「牛肉に生卵」という組み合わせを一定期間やめるだけでもコレステロールと脂質の値に大きな変化が見られ、そのうえ、動きが軽快になる、疲れにくくなるなどの付随的な効果も期待できると言われています。

不飽和脂肪酸を多くふくむ食品

青魚

青魚は、不飽和脂肪酸を豊富に含む食品の代表です。不飽和脂肪酸のなかでもとくに有名なDHA、EPAはともに脳細胞のはたらきに密接に関与していると言われており、低血圧や認知症の予防、記憶力の上昇などの効果をもたらすと言われています。

また、イワシやサンマなどに含まれる不飽和脂肪酸は血液をサラサラにしてくれる作用があり、毎日の食事で少しずつ摂取することで血液の流れが良くなり、動脈硬化および心筋梗塞予備軍から脱却することができます。ただし、朝食でせっかく不飽和脂肪酸を摂ったとしても昼食や夕食で脂っこい食事ばかりを選んでいたのでは効果が薄れてしまいますので、不飽和脂肪酸のみに頼るのではなく、野菜やフルーツ中心の食生活に変えていきましょう。

オリーブオイル


料理にはオリーブオイルが良いと言われているのは、植物性油のほうにより多くの不飽和脂肪酸が含まれているためです。なおかつ、オリーブオイルであれば意識しなくても毎日まとまった量の不飽和脂肪酸を取り込むことができるため、食事制限の辛さを感じずに無理なく体質改善をはかることが可能です。焼いた青魚にオリーブオイルを適量ふりかければ、それだけで体にとって必要な量の不飽和脂肪酸を摂取したことになります。

まとめ


無理のないダイエットを実現するうえで不飽和脂肪酸が大きなキーワードとなるのは間違いありません。ただし、大切なのは飽和脂肪酸と不飽和脂肪酸を適度なバランスで摂取することで、どちらか一方が欠けても体のバランスがくずれ、痩せにくい体質が出来上がってしまいます。